総括
今週は、AI・半導体需要や好調な企業決算が支えとなる一方、中東情勢の悪化による原油・天然ガス価格上昇、インフレ再燃と金利高止まりへの懸念が重しとなり、不安定な展開となりました。
日本、イギリス、ドイツ、中国、ニュージーランドなどは上昇した一方、インド、オーストラリアなどは下落しました。
特にAI・半導体株は、需要拡大への期待と設備投資の収益性への懸念が交錯し、日米韓を中心に値動きが激化しました。
中国株は政策支援、欧州株は企業決算が下支えする一方、エネルギー高が金融引き締め長期化につながるリスクが意識されています。
今後は、①中東情勢と原油・天然ガス価格、②AI投資の収益化、③インフレと各国の金融政策、④米国の関税政策が世界市場の方向性を左右する主要な焦点となりそうです。
欧州(STOXX50,STOXX600)
今週の欧州株市場は、好調な企業決算とAI・半導体関連株への期待が相場を支える一方、中東情勢を背景とした天然ガス価格の急騰がインフレと追加利上げ懸念を強めるという構図となりました。
個別銘柄では、ASML、インフィニオン、SAP、エアバスが好材料を受けて大きく上昇した一方、LVMH、エルメス、フェラーリなど高級消費関連は消費減速懸念から軟調でした。
銀行株もサンタンデール、BBVA、BNPパリバ、ユニクレディットなどで決算への反応が分かれました。
総じて、欧州株は企業業績の強さを評価する動きがあるものの、エネルギー価格上昇→インフレ再燃→金融引き締め長期化というリスクが相場の上値を抑える展開となりました。
今後は、決算の持続的な強さに加え、天然ガス価格と中東情勢、ECBの金融政策が市場方向を左右する重要な焦点となりそうです。
【STOXX50の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.8%。年初来+8.56%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【STOXX600の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.46%。年初来+8.81%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ドイツ(DAX指数)
今週のDAX 40は、好調な企業決算、AI・半導体需要、ドイツ景気の回復期待が相場を支え、週間では1.1%上昇しました。
特にインフィニオン、シーメンス・エナジー、エアバス、GEA、SAP、Atoss Softwareが大きく上昇し、指数を押し上げました。
一方、フォルクスワーゲン、アディダス、BASF、メルセデス・ベンツなどには業績や景気への懸念が残りました。
最大のリスクは、中東情勢による原油・エネルギー価格上昇がインフレを再燃させ、ECBの金融引き締め長期化につながる可能性です。
総じて、企業業績と景気指標の改善が市場を支える一方、エネルギー価格と地政学リスクが上値を抑える展開となりました。
【DAX指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.08%。年初来+2.45%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
フランス(CAC40指数)
今週のCAC 40は、中東情勢と原油価格の変動、ECBの金融政策、企業決算に大きく左右される不安定な展開となりました。
特にエアバス、タレス、トタルエナジーズ、BNPパリバは好材料や好決算を背景に上昇した一方、STマイクロエレクトロニクスは業績見通しの弱さから急落しました。
また、LVMH、エルメス、ケリング、ロレアルなどラグジュアリー株は地政学リスクに敏感に反応し、木曜日に急落した後、金曜日に反発しました。
総じて、企業業績やPMI改善は株価を支える材料ですが、原油高によるインフレ再燃と金利高止まりへの懸念が最大のリスクです。
今後は中東情勢の安定化とエネルギー価格の動向に加え、企業決算の強さがCAC 40の方向性を左右すると考えられます。
【CAC40指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.40%。年初来+3.01%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イタリア(Milano Italia Borsa指数)
今週のFTSE MIBは、中東情勢による原油・天然ガス価格、ECBの金融政策、半導体決算に大きく左右され、週後半に急落したものの、金曜日に反発しました。
個別では、プライスミアン、レオナルド、フィンカンティエリ、テナリス、サイペム、エニなど、データセンター、防衛、エネルギー関連が堅調でした。
一方、STマイクロエレクトロニクスは業績見通しを受けて急落し、AI投資への過剰期待に警戒感が広がりました。
また、モンクレール、フェラーリ、カンパリも下落しました。
金融株ではユニクレディトがコメルツ銀行買収を巡る不透明感で一時下落したものの、週末に反発しました。
総じて、原油高によるインフレ・金利上昇懸念が最大のリスクである一方、金融株の底堅さやAI・データセンター、防衛需要が相場を支える構図となりました。
【Milano Italia Borsa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.15%。年初来+15.12%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イギリス(UK100指数)
今週のFTSE 100は、中東情勢と原油価格、英国のインフレ・景気指標、政権の財政政策を材料に上下しましたが、週末にかけて景気指標の改善を好感し、週間では約1.3%上昇しました。
個別では、HSBC、ロイズ銀行、バークレイズなど金融株、アストラゼネカ、GSKなどヘルスケア株、シェル、BPなどエネルギー株が相場を支えました。また、RELX、ロールス・ロイスも週末に上昇しました。
一方、イージージェットは業績悪化や規制懸念から軟調となりました。
総じて、英国のインフレ鈍化と景気回復の兆しが株式市場を支える一方、中東情勢による原油価格の急変が最大のリスク要因となっています。
今後は、原油価格の動向と英国景気の持続性に加え、新政権の財政政策が市場の方向性を左右すると考えられます。
【UK100指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.28%。年初来+8.11%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
インド(BSEセンセックス指数)
今週のインド株市場は、中東情勢の悪化と原油価格の急騰を中心に、インフレ、ルピー安、外国資金流出への懸念が強まり、SENSEXは大幅に調整しました。
特にHDFC銀行、アクシス銀行、ICICI銀行など金融株が重しとなり、インフォシス、テック・マヒンドラなどIT株も米国AI関連株の下落や投資採算への懸念から売られました。
また、ヒンドスタン・ペトロリアムは原油高による精製マージン悪化が業績を直撃しました。一方、リライアンス・インダストリーズなど一部企業は好決算を示しました。
総じて、インド市場は原油高→インフレ・輸入負担増→ルピー安→外国資金流出という悪循環への警戒が強まっています。
今後は中東情勢と原油価格の安定化に加え、企業決算や外国投資家の資金動向、RBIの政策対応が市場反発の鍵となりそうです。
【BSEセンセックスの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.68%。年初来-10.79%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
中国(上海総合指数,深セン総合指数)
今週の中国株市場は、政府による株式市場・テクノロジー産業への支援とAI投資への期待が相場を押し上げる一方、景気減速と米国の対中関税強化が週末に大きな重しとなりました。
個別では、カムブリコン・テクノロジーズ、SMIC、Eoptolink、中技インノライトなどAI・半導体関連株が政策支援とAI需要期待で上昇しました。
また、CATL、BYD、CNOOCも堅調でした。
一方、ビクトリー・ジャイアント・テクノロジー、華工テクノロジーなどは大きく下落しました。
総じて、週間では上海総合指数、深セン成分指数ともに上昇を確保しましたが、中国経済の減速、米中貿易摩擦、追加関税、IPOによる資金吸収が今後のリスクとなります。
今後は月末の政治局会議で示される景気刺激策と、AI・半導体分野への政策支援が市場の方向性を左右すると考えられます。
【上海総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.33%。年初来-4.33%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【深セン総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.49%。年初来+1.03%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
日本(日経平均、TOPIX)
今週の日本株は、米国AI・半導体株の動向に大きく左右される非常にボラティリティの高い展開となりました。
週初はキオクシアHD、アドバンテスト、太陽誘電、ソフトバンクG、東京エレクトロンなどが急上昇しましたが、週末にはAI投資の収益性への懸念から一転して大幅に下落しました。
特にキオクシアHD、アドバンテスト、ソフトバンクGは値動きが大きく、半導体・AI関連株の投資家心理に敏感に反応しました。
一方、三菱UFJ、三井住友、みずほFGなど金融株は比較的堅調でした。
総じて、日経平均は金曜日の急落にもかかわらず週間で0.7%上昇し、TOPIXも2%超上昇して3週間ぶりの週間上昇となりました。
今後は、AI投資の持続性、米国ハイテク株、原油価格、国内インフレと日銀の追加利上げ観測が、日本株の方向性を左右する重要なポイントとなりそうです。
【日経平均の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.73%。年初来+26.66%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【TOPIXの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+2.35%。年初来+16.31%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
韓国(KOSPI総合指数)
今週の韓国株市場は、AI・半導体株を中心に極めて変動の大きい展開となりました。
週前半は急落後の割安感と半導体輸出の急増を背景に反発し、木曜日にはサムスン電子、SKハイニックス、サムスン電機、LGエナジーソリューションなどがAI投資期待で大幅上昇しました。
しかし金曜日には米国テクノロジー株安を受けて一転急落し、AI投資の収益性への懸念が強まりました。
加えて、現代自動車、SKスクエア、KB金融なども大きく変動しました。
今後はAI関連の設備投資が実際の半導体需要・企業利益につながるかが最大の焦点となる一方、原油100ドル超えのインフレ懸念、米国の関税政策、中東情勢が韓国市場の新たなリスク要因となりそうです。
【KOSPI総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.91%。年初来+58.38%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
香港(香港ハンセン指数)
今週の香港株式市場は、中国政府による市場安定化策とAI・半導体株への期待が支えとなった一方、中東情勢の悪化と原油価格上昇が上値を抑える不安定な展開となりました。
個別銘柄では、テンセント、メイトゥアン、レノボ、SMIC、キングボード・ラミネートなどテクノロジー関連株の値動きが指数を大きく左右しました。
特にZ.Aiは火曜日に急騰する一方、水曜日に反落するなど変動が大きく、AI関連への高い関心を示しました。
今後は、中国の政策支援が相場を下支えする一方、原油100ドル超えによるインフレ懸念と中東情勢がリスク要因となり、テクノロジー株を中心に値動きの荒い展開が続く可能性があります。
【香港ハンセン指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.63%。年初来-2.93%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
オーストラリア(ASX200指数)
今週のASX 200は、中東情勢、米国の関税政策、国内の強い雇用統計による追加利上げ懸念が重しとなり、週間で0.3%下落しました。
前半はBHP、リオ・ティント、ウッドサイド・エナジー、サントスなど資源・エネルギー株が相場を支えましたが、週末にはゼロ、ワイズテック・グローバル、メガポートなどテクノロジー株が売られました。
一方、大手銀行は相対的に底堅く推移しました。今後は、6月・第2四半期のインフレ指標とRBAの追加利上げ観測、米国の関税政策、中東情勢による原油価格が市場の方向性を左右する重要な材料となりそうです。
【ASX200指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.28%。年初来+0.67%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ニュージーランド(NZX50指数)
今週のNZX 50は、インフレ加速、原油高、中東情勢、米国の関税政策が重しとなる一方、消費者・エネルギー関連株の上昇に支えられ、週間では0.6%上昇しました。
特にSkyCity Entertainment、Channel Infrastructure NZ、A2ミルク、フィッシャー&パイケルなどが相場を支えました。
一方、フレッチャー・ビルディングやエボス・グループなどは軟調でした。今後は、インフレ高止まりによるRBNZの追加利上げ観測と、原油価格・米国関税を巡る外部環境が焦点となり、株式市場の上値を抑える可能性があります。
【NZX50指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.57%。年初来+1.65%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
カナダ(TSX総合指数)
今週のTSXは、中東情勢と原油価格、金属価格、債券利回り、米国ハイテク株の動向に左右される展開となりました。
週前半は金鉱株やエネルギー株が上昇を主導しましたが、後半は中東情勢の緊迫化とAI投資への警戒が相場を圧迫しました。
個別では、アグニコ・イーグル、Barrick、WPM、Franco-Nevadaなど鉱業株が強く、Canadian Natural、Suncor、Cenovusなどエネルギー株も原油動向に反応しました。
ハイテクではCelesticaの値動きが大きく、Shopify、Constellation Softwareも米国ハイテク市場の影響を強く受けました。
総じて、TSXは資源株の底堅さが支える一方、原油高によるインフレ再燃、金利上昇、関税問題、AI投資への過熱懸念が今後の主要なリスク要因となっています。
【TSX総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.30%。年初来+11.17%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ブラジル(Bovespa指数)
今週のイボベスパは、中東情勢、原油価格、米国の対ブラジル関税、インフレ・金利見通しに左右される不安定な展開となりました。
週央には好決算を背景に急上昇したものの、週後半は地政学リスクと追加関税への警戒から上昇幅を縮小しました。
個別では、Valeが好調な鉄鉱石生産で上昇し、WEGは高い収益性と海外事業の成長が評価されました。Petrobrasは原油高局面で強さを見せましたが、週末には原油反落で下落しました。
一方、Itaú、Bradesco、Banco do Brasilなど銀行株は金利・市場環境に左右され、Rede D’Orは政策変更への懸念から大きく下落しました。
今後は、米国の対ブラジル関税の影響と中東情勢による原油・インフレ動向が、ブラジル株の方向性を左右する重要な焦点となりそうです。
【Bovespa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.19%。年初来+8.02%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
アメリカ(S&P500,NASDAQ,ダウ)
今週の米国株は、AI投資への期待と過剰支出への懸念、半導体株の急反発と急落、中東情勢による原油高・インフレ懸念が交錯する非常に不安定な展開となりました。
週前半はMicron、SanDisk、AMD、Nvidia、Intelなど半導体株がAI需要への期待から上昇しましたが、後半はAlphabet、Tesla、Amazon、Microsoft、Meta、Oracleなどが売られ、AI関連投資の費用対効果への警戒が強まりました。
特にAlphabetは設備投資拡大が、Teslaは利益減少が株価の重しとなりました。
一方、GM、AT&T、RTX、Verizonなど個別の好決算銘柄には資金が向かいました。
総じて、今後はAI設備投資が実際の収益成長につながるかに加え、中東情勢と原油価格がインフレ・金利見通しに与える影響が、米国株の方向性を左右する重要なポイントとなりそうです。
【S&P500指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.61%。年初来+7.76%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【NASDAQの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.13%。年初来+6.36%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【ダウの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.38%。年初来+8.00%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)


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