総括
今週の世界株式市場は、米国のインフレ鈍化による金融緩和期待が相場を支える一方、中東情勢の緊迫化による原油高・インフレ懸念とAI・半導体株の高バリュエーション警戒が重しとなりました。
アジアでは日本、韓国、中国、香港で半導体・AI関連株が軟調となり、インドはIT企業の好決算を背景に堅調でした。
欧州はエネルギー株や高級ブランド株が支えた一方、半導体株は利益確定売りに押されました。
北米では金融株が好決算や利下げ期待で底堅く推移した一方、AI関連株は調整色を強めました。
今後は米主要企業決算、AI投資の持続性、各国の金融政策、中国の景気対策、中東情勢が市場の方向性を左右する重要な材料となります。
欧州(STOXX50,STOXX600)
今週の欧州株式市場は、中東情勢の悪化によるエネルギー価格上昇と、米国インフレ鈍化による金融引き締め懸念の後退という相反する材料に左右される展開となりました。
週前半は原油高を背景にトタルエナジーズやエニなどエネルギー株が堅調でしたが、銀行株は金利や信用環境への懸念から伸び悩みました。
半導体関連ではASMLが好決算を発表したものの、AI関連株全体への利益確定売りが重しとなり、インフィニオン・テクノロジーズやシーメンスも軟調でした。
一方、高級品セクターではリシュモンの好決算をきっかけにLVMHやエルメスが買われ、市場を支える場面も見られました。
市場全体では、地政学リスク、AI関連株のバリュエーション見直し、企業決算の内容が相場を左右した一週間となりました。
【STOXX50の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.62%。年初来+7.69%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【STOXX600の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.07%。年初来+8.31%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ドイツ(DAX指数)
今週のドイツ株式市場は週間で約1%下落しました。
週前半は米国インフレ鈍化やホルムズ海峡通航料撤回を受けて一時持ち直しましたが、その後は米国とイランの軍事的緊張の激化や原油価格の上昇を背景にリスク回避姿勢が強まりました。
特にAI・半導体関連への利益確定売りが目立ち、インフィニオン・テクノロジーズやシルトロニックなどテクノロジー株が相場の重しとなりました。
一方、ブレンタグやBASFなど化学株、ドイツテレコム、E.ONなどディフェンシブ銘柄、さらに防衛関連のラインメタルは底堅さを示しました。
また、デリバリー・ヒーローの買収提案や企業決算など個別材料も相場を左右し、市場全体では地政学リスクと企業業績を見極める展開となった一週間でした。
【DAX指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.94%。年初来+1.35%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
フランス(CAC40指数)
今週のフランス株式市場は、中東情勢の緊迫化と米国のインフレ鈍化という相反する材料を織り込みながら、一進一退の展開となりました。
週前半は原油高を背景にトタルエナジーズが相場を支え、LVMH、エルメス、ケリングなど高級ブランド株も需要回復期待から堅調に推移する場面がありました。
一方で、米国とイランの軍事的緊張の高まりに伴うインフレ・金利上昇懸念や、AI関連株への過熱感からSTマイクロエレクトロニクスが大きく売られ、金融株や産業株も軟調でした。
ステランティスは北米での販売拡大が評価される一方、トタルエナジーズは原油高の恩恵とLNG事業の減速懸念が交錯しました。
市場全体では、地政学リスクと企業業績、さらに高級品需要の持続性が主要なテーマとなった一週間でした。
【CAC40指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間0.00%。年初来+2.60%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イタリア(Milano Italia Borsa指数)
今週のイタリア株式市場は週間で1.8%下落しました。
週前半は中東情勢を背景とした原油価格上昇を受け、エニやテナリスなどエネルギー関連株が相場を支え、ステランティスやフィンカンティエリなど個別材料を持つ銘柄も堅調でした。
しかし、週後半は米国とイランの対立激化によるインフレ懸念や国債利回り上昇が金融株の重しとなり、AI関連株への利益確定売りも加速しました。
特にSTマイクロエレクトロニクスやプリズミアンが大幅下落し、ユニクレディト、ファイネコバンク、BMPSなど金融株も軟調でした。
一方、モンクレールやフェラーリは高級品需要への期待、フィンカンティエリは防衛関連需要を背景に堅調さを維持しました。
市場全体では、地政学リスク、金利動向、AI関連株のバリュエーションが主要なテーマとなった一週間でした。
【Milano Italia Borsa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.39%。年初来+15.29%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イギリス(UK100指数)
今週の英国株式市場は週間で約1%上昇しました。
前半は中東情勢の緊迫化や原油価格上昇を背景にシェルやBPなどエネルギー株が指数を支え、その後は米国インフレ鈍化による金融引き締め懸念の後退が投資家心理を改善させました。
一方、中国経済の減速懸念からリオ・ティントやグレンコアなど鉱業株は軟調でした。
個別では、ABBによる買収でロトルクが急騰し、ディプロマやICGも好決算を背景に上昇しました。
一方で、オカドやバーバリーは業績への失望や先行き懸念から大きく下落しました。
市場全体としては、地政学リスクや政治動向を注視しつつも、企業業績やM&Aを材料に選別色の強い相場となった一週間でした。
【UK100指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.98%。年初来+6.74%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
インド(BSEセンセックス指数)
今週のインド株式市場は、中東情勢の緊迫化や原油価格上昇、インフレ再加速への懸念が重しとなる場面があったものの、IT企業を中心とした好調な決算とAI関連需要への期待が市場を支え、週間では約0.8%の上昇となりました。
特にTCS、テック・マヒンドラ、HCLテクノロジーズ、インフォシスなどIT大手への資金流入が相場を牽引しました。
また、HDFC銀行、ICICI銀行、リライアンス・インダストリーズなど大型株にも決算期待から買いが入りました。
一方で、インフレ率の上昇や外国人投資家の資金流出、原油高によるコスト増加への警戒は依然として残っており、今後は主要企業の決算内容とRBIの金融政策、地政学リスクの動向が市場の方向性を左右する重要な材料になると考えられます。
【BSEセンセックスの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.75%。年初来-8.83%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
中国(上海総合指数,深セン総合指数)
今週の中国株式市場は、景気減速懸念とAI・半導体関連株の急落が相場全体を押し下げる一週間となりました。
週前半は好調な貿易統計を受けて一時反発したものの、第2四半期GDPが市場予想や政府目標を下回ったことに加え、AI関連銘柄の高いバリュエーションへの警戒感が強まりました。
さらに、CXMTや長江メモリーテクノロジー(YMTC)など大型IPOによる資金吸収懸念が市場心理を一段と悪化させました。
個別では、寒武紀(Cambricon)、SMIC、北方華創(NAURA Technology)、中際旭創(Zhongji Innolight)、新易盛(Eoptolink Technology)など半導体・AI関連銘柄の下落が目立ちました。
一方、PetroChinaやCNOOCなどエネルギー株は原油高を背景に底堅さを示しました。
今後は人民銀行による追加金融緩和策の実施状況や、中国政府の景気刺激策、大型IPOの資金需給への影響が市場の方向性を左右する重要な焦点となりそうです。
【上海総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-5.81%。年初来-5.59%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【深セン総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-8.90%。年初来+0.54%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
日本(日経平均、TOPIX)
今週の日本株市場は、AI・半導体関連株の急落と中東情勢の悪化が相場全体を大きく左右しました。
週前半は米国のインフレ鈍化を受けて一時的に買い戻しが進みましたが、週後半にはAI関連投資の過熱感や半導体株の高バリュエーションへの警戒が強まり、世界的な半導体株安に巻き込まれる形で大幅下落となりました。
また、中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇は、インフレ再燃や日米の金融政策への警戒感を高め、市場心理を悪化させました。
個別では、キオクシアホールディングス、東京エレクトロン、アドバンテスト、太陽誘電、ソフトバンクグループなどAI・半導体関連銘柄の下落が際立つ一方、レーザーテックやSCREENホールディングスは週半ばに反発する場面も見られました。
今後は米国企業決算でAI投資の持続性が確認されるかに加え、中東情勢や原油価格、日銀・FRBの金融政策見通しが日本株の方向性を左右すると思われます。
【日経平均の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-6.44%。年初来+25.74%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【TOPIXの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.90%。年初来+13.64%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
韓国(KOSPI総合指数)
今週の韓国株式市場は、半導体・AI関連株の激しい値動きが相場全体を支配しました。
週前半と後半は、世界的なAI関連株への過熱感や中東情勢の悪化によるリスク回避姿勢から大幅下落した一方、週半ばには米国のインフレ鈍化を背景に急反発するなど、非常にボラティリティの高い展開となりました。
個別では、SKハイニックス、サムスン電子、SKスクエア、サムスン電機など半導体関連株が相場を大きく左右し、LGエナジーソリューション、現代自動車、起亜自動車、ハンファ・エアロスペースも市場全体の動きに連動しました。
また、韓国銀行による0.25ポイントの利上げ(政策金利2.75%)は、インフレ抑制と通貨防衛を優先する姿勢を示しました。
今後は、米国主要半導体企業の決算やAI投資の持続性、中東情勢、韓国銀行の金融政策がKOSPIの方向性を左右する重要な材料となりそうです。
【KOSPI総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-8.77%。年初来+61.45%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
香港(香港ハンセン指数)
今週の香港株式市場は、米国のインフレ鈍化による金融緩和期待と中国経済への政策支援期待を背景に週半ばまで堅調に推移しましたが、週末には世界的な半導体株安とAI関連銘柄への過熱感が重しとなり反落しました。
また、中東情勢の緊迫化による原油価格上昇は、インフレ再燃や金融政策への警戒感を通じて市場全体の上値を抑えました。
個別では、テンセント、小米(Xiaomi)、美団(Meituan)、快手(Kuaishou)、ポップマートが週半ばまで相場を牽引した一方、週末にはSMICやKnowledge Atlasが急落しました。
また、SHEINの香港IPO進展は市場活性化への期待材料となりました。
今後は、中国政府の追加景気対策や香港IPO市場の動向、AI関連企業の決算、米国の金融政策、中東情勢が香港市場の方向性を左右する重要な材料となりそうです。
【香港ハンセン指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.60%。年初来-4.49%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
オーストラリア(ASX200指数)
今週のオーストラリア株式市場は、米国のインフレ動向、中国の景気指標、中東情勢という3つの外部要因に大きく左右されました。
週半ばには米インフレ鈍化を受けてリスク選好が改善したものの、中国景気の減速懸念や米国半導体株の急落、中東情勢の緊迫化が重しとなり、週間では0.3%下落しました。
個別では、BHPやリオ・ティントなど資源大手が中国景気への懸念や生産動向を受けて軟調となる一方、ウッドサイド・エナジーやサントスは原油価格上昇を背景に底堅さを示しました。
また、マッコーリー・グループは過去最高値を更新し、ワイズテック・グローバルやASX Ltd.も終盤に持ち直しました。
来週は豪雇用統計や中国景気の追加対策、米国の金融政策見通しが市場の方向性を左右する重要な材料になると考えられます。
【ASX200指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.11%。年初来+0.95%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ニュージーランド(NZX50指数)
今週のニュージーランド株式市場は、中東情勢の悪化による原油高とインフレ懸念、さらに中国景気の減速が重しとなり、週間では0.6%下落しました。
週末には食品インフレの鈍化を受けて反発したものの、市場ではRBNZによる追加利上げ観測が根強く、積極的な買いは限定されました。
個別では、a2ミルクやオークランド国際空港、サマセット・グループ、フィッシャー&パイケル・ヘルスケアなどが軟調な一方、週末にはメリディアン・エナジー、フレイトウェイズ・グループ、コーラス、サウスポートNZが反発しました。
今後は、第2四半期のインフレ指標やRBNZの金融政策、中国経済の回復動向に加え、中東情勢と原油価格の推移がニュージーランド市場の方向性を左右すると思われます。
【NZX50指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.66%。年初来+1.08%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
カナダ(TSX総合指数)
今週のカナダ株式市場(S&P/TSX総合指数)は、米国とイランの軍事的緊張やカナダ銀行(BoC)の金融政策を材料に、一進一退の展開となりました。
週半ばにはBoCが政策金利を2.25%に据え置き、景気改善への見方を示したことで金融株が買われましたが、地政学リスクに伴うインフレ懸念やAI関連株への利益確定売りが市場の重しとなりました。
個別では、カナディアン・ナチュラル・リソーシズ、サンコア・エナジー、セノバス・エナジーなどエネルギー株が原油高を背景に堅調だった一方、Shopify、コンステレーション・ソフトウェア、セレスティカなどテクノロジー株は軟調でした。
また、RBC、TD銀行、BMOなど金融株はBoCの政策判断や金利見通しに左右され、アグニコ・イーグルやバリック・マイニングなど金鉱株は金価格の変動に振られる展開となりました。
市場全体では、金融政策、地政学リスク、AI関連株の評価見直しが主要テーマとなった一週間でした。
【TSX総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.12%。年初来+10.84%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ブラジル(Bovespa指数)
今週のブラジル株式市場(イボベスパ指数)は、中東情勢の緊迫化に伴う原油高やインフレ懸念に加え、米国がブラジル製品へ25%の追加関税を発表したことが重しとなり、軟調な一週間となりました。
週半ばには米国インフレ鈍化を受けて一時反発したものの、金融株を中心に売り圧力が強まりました。
個別では、ペトロブラスが原油価格上昇を追い風に底堅く推移した一方、イタウ、ブラデスコ、イタウサ、ブラジル銀行など金融株は高金利懸念から軟調でした。
また、バーレやCSN、ゲルダウなど資源・鉄鋼株は鉄鉱石価格や追加関税の影響を受けて値動きが大きくなりました。
市場全体では、地政学リスク、貿易政策、国内政治動向が投資家心理を左右する展開となりました。
【Bovespa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.33%。年初来+7.81%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
アメリカ(S&P500,NASDAQ,ダウ)
今週の米国株式市場は、「インフレ鈍化による金融緩和期待」と「AI関連株の調整・中東情勢悪化」が交錯する一週間となりました。
CPI・PPIの鈍化を受けてFRBの追加利上げ観測は大きく後退し、金融株や景気敏感株には追い風となりました。
一方で、AI関連銘柄は高バリュエーションへの警戒や設備投資減速懸念、中国AI企業の台頭を背景に大きく調整し、ナスダックの重しとなりました。
個別では、JPMorgan、Goldman Sachs、BlackRock、UnitedHealthが好決算で堅調だった一方、Nvidia、Broadcom、AMD、Micron、SanDisk、Intel、Netflix、IBMは業績懸念やAI関連のセンチメント悪化を受けて下落しました。
市場全体では、金融緩和期待が支えとなる一方、AI関連株の調整と地政学リスクが相場の上値を抑える展開となりました。
【S&P500指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.55%。年初来+8.43%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【NASDAQの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.90%。年初来+8.68%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【ダウの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.93%。年初来+8.41%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)


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