【米国市場:2026年9月7日週】今週の振り返り & 来週のトピック (市場動向、ECB政策金利、PPI、CPI、M/ORCL/ADBEなどの決算)

投資関連

こんにちは、Saabです。今週の振り返りと来週のトピックです。

   2026年8月31日週分はこちら

↓サマリーは以下参照。

米国株は週間で S&P500 -0.8%、NASDAQ -0.66%、ダウ -1.57%でした。

最大の逆風は、中東情勢悪化→原油高→インフレ再加速懸念→米長期金利上昇の流れです。

特に小型・中型株が弱く、RSPも-1.89%となり、相場はMag7への依存が続きました。

原油は週間 +9.37%で100ドルを突破し、米10年債利回りも一時4.97%まで上昇。FRBの9月利上げ確率は約60%から87.3% へ高まりました。一方で、金曜日は原油・金利上昇が一服したこともあり株価は反発しました。

S&P500の12カ月先PERは19.1倍と長期平均並みですが、実績PERは25.9倍と平均に対して割高な水準です。VIXやPut/Call Ratioも上昇し、警戒感は強まっています。

来週の最重要材料は9/16のFOMCです。今後は「原油→インフレ→FRB→長期金利→株式バリュエーション」の連鎖が焦点で、原油下落ならハイテク株に追い風、再上昇なら高PER株への逆風が続くと考えられます。(ちなみに金曜はトリプルウィッチングのため変動リスクあり)

それでは順に詳細をみていきます。

9/7週 米国市場の振り返り

総括

週間ではS&P500が0.8%、NASDAQが0.66%、ダウが1.57%下落しました。

最大の逆風は「中東情勢悪化→原油高→インフレ再加速→米金利上昇」という流れです。

特にNVIDIA、Micron、AMD、Intelなど半導体株やAmazon、Alphabetなど大型テックは金利上昇の影響を強く受けました。

一方、Meta、Apple、Dellのように個別材料の強い銘柄は相対的に堅調でした。

今後はFRBの利上げ判断、原油価格、長期金利が米国株の方向性を左右する重要ポイントです。

【S&P500の週間ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の週間ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの週間パフォーマンス (出典:finviz) 

【米国株の各セクターの週間パフォーマンス (出典:finviz)】

9/7週の主要指数は、いずれもマイナスを記録しましたが、ハイパースケーラの比重が高いS&P500やNSADAQは他の指数に対してアウトパフォームしており、長期金利に弱い小型株や中型株が大きく売られました。

市場全体の広がりを示すRSPが1.89%の下落した一方でS&P500が0.8%下落/NASDAQが0.66%の下落でとどまっているのはMAG7が市場を支えている証拠です。

9/7週の主要指数パフォーマンス

9/8~9/11の動向


9/8(火)エネルギー高と金利上昇で下落

S&P500は0.6%安、NASDAQは0.3%安、ダウは628ドル下落しました。米国とイランの衝突やサウジのエネルギー施設への攻撃で燃料供給不安が高まり、原油高とインフレ再加速への警戒が強まりました。さらに日銀のタカ派姿勢も米金利上昇要因となりました。マイクロソフトは1.1%、パランティアは2.3%、Amazonは0.6%下落。一方、決算期待からOracleは2.4%上昇しました。

【S&P500の1Day(火)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(火)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(火)パフォーマンス (出典:finviz)】 

【米国株の各セクターの1Day(火)パフォーマンス (出典:finviz)】

9/9(水)長期金利上昇が株価を圧迫

S&P500は0.5%、NASDAQは0.3%下落し、ダウは405ドル安でした。中東情勢悪化で原油価格がさらに上昇し、FRB会合を前にインフレと利上げへの懸念が拡大しました。AIデータセンター投資に伴う巨額の借入コスト上昇も警戒され、Alphabetは2.3%、Amazonは1.8%下落しました。一方、新AIエージェントを発表したMetaは6.5%上昇。Micronは2.7%、AMDは3%高となり、半導体株が下支えしました。

【S&P500の1Day(水)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(水)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(水)パフォーマンス (出典:finviz)】 

【米国株の各セクターの1Day(水)パフォーマンス (出典:finviz)】

9/10(木)PPI上昇と原油高でハイテク安

S&P500は0.6%、NASDAQは1.1%下落し、ダウは316ドル安でした。8月PPIが前月比0.4%上昇し、原油・燃料高と重なってFRB利上げ観測が強まりました。金利上昇に弱い半導体株が売られ、NVIDIAは2.3%、Micronは4.9%、AMDは3.4%、Intelは5.6%下落。Oracleも決算前に5.4%安となりました。一方、Appleは新製品発表を材料に3.6%上昇しました。

【S&P500の1Day(木)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(木)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(木)パフォーマンス (出典:finviz)】 


9/11(金)原油・金利一服で4日ぶり反発

S&P500は0.9%高、NASDAQ100も0.9%高、ダウは509ドル上昇しました。原油価格と長期金利の上昇が一服し、リスク回避姿勢が後退しました。Alphabetは1.5%、Amazonは1.9%、JPMorganは0.8%上昇。AMDは2.5%、Intelは2.6%高となりました。DellはRBCの強気評価を受け11.9%急騰し最高値を更新しました。一方、好決算のOracleは1.8%下落しました。

【S&P500の1Day(金)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(金)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(金)パフォーマンス (出典:finviz)】 

【米国株の各セクターの1Day(金)パフォーマンス (出典:finviz)】

【S&P500の日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【S&P500の日足チャート】 

週間で0.8%の下落。木曜に8/4(フォロースルーディ)の安値をわったものの、金曜にCPIの結果を受けて、その水準を再び回復しています。価格は現在、50日移動平均線の上で推移しています。

【NASDAQの日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【NASDAQの日足チャート】 

↑週間で0.66%の下落。価格は現在、10日移動平均線と21日指数移動平均線の間を推移中。

【NASDAQ100の日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【NASDAQ100の日足チャート】 

週間で0.6%の下落。価格は現在、NASDAQと同じく10日移動平均線と21日指数移動平均線の間を推移しています。

【ダウの日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【ダウの日足チャート】 

週間で1.39%の下落し、価格は現在50日移動平均線と200日移動平均線の間を推移しています。

【ラッセル2000(小型株)の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

【ラッセル2000(小型株)の日足チャート】

週間で2.45%の下落。先週の水準から下落して50日移動平均線とのギャップを拡大しました。

【RSP(SP500均等加重)の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

【RSP(SP500均等加重)の日足チャート】

週間で1.89%の下落。重要な水準である50日移動平均線を下に切りました。

【MDY(中型株)の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

【MDY(中型株)の日足チャート】

↑週間で1.86%の下落。価格は現在50日移動平均線と200日移動平均線の間を推移してます。

【原油先物の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

原油先物の日足チャート】

↑米・イラン戦闘の激化とホルムズ海峡・サウジの供給不安で、原油は100ドルを突破しました。週末は外交協議や需要減速観測で上昇が一服しましたが、供給リスクは依然高く、今後は中東情勢、供給回復、中国需要、IEA・OPECの需要見通しが焦点です。週間で9.37%上昇。

【10年債利回りの日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

【10年債利回りの日足チャート】

↑強い雇用・インフレ懸念・社債発行増・国債需給悪化を背景に、4.77%から一時4.97%へ急上昇。FRBの9月利上げ観測も強まり、今後はFOMC、原油・中東情勢、米国債需給が5%突破の焦点です。週間で3.87%上昇を記録しました・・・

【ドル指数の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

【ドル指数の日足チャート】

↑前半に円高・日銀引き締め観測で98.6まで下落しましたが、後半は原油高・米インフレ指標・長期金利上昇で99超へ反発しました。FRBの9月利上げ確率も約60%から87.3%へ上昇し、今後はFOMC、中東情勢、原油、米金利、日銀政策が焦点です。週間では0.07%の下落でほぼ横ばい。

※主要なマーケットの詳細は以下参照
 リンク

 

ディストリビューションディ

9/7週はS&P500、NASDAQともに1回づつ増加しました。ジワジワ増加しているのは嫌な感じですが、来週急増しないか注目です。

週間カウント数の推移
・9/8 S&P500:3回、NASDAQ:4回
・9/9 S&P500:4回、NASDAQ:5回
・9/10 S&P500:4回、NASDAQ:5回
・9/11 S&P500:4回、NASDAQ:5回


ディストリビューションディ(出典:IBD)

米国のセクターETF 年初来パフォーマンス BEST5

今週は半導体が勝者、バイオが敗者となりました。WTI原油の上昇に対してエネルギーセクターは緩やかな値動きを展開しました。

米国のセクターETF 年初来パフォーマンス BEST5

コモディティ&暗号通貨ETF 年初来パフォーマンス BEST5

先週に続きWTI原油が大幅上昇したことで今週の勝者となりました。一方で今週の敗者はパラジウム/ウランでした。

コモディティ&暗号通貨ETF 年初来パフォーマンス BEST5

カントリーETF 年初来パフォーマンス BEST10

今週の勝者はトルコ/コロンビアでした。敗者はニュージーランド/スイス/中国 小型株でした。年初来パフォーマンスBEST10の顔ぶれは先週からほぼ変化なし。

カントリーETF 年初来パフォーマンス BEST10

※各セクター&カントリーETFの詳細は以下参照
 リンク

S&P500のバリュエーション

2026年9月11日に発行されたファクトセットのレポートによると、S&P500の12カ月先PERは19.1倍で、5年平均19.8倍とほぼ同じで、10年平均の19.0倍を上回っています。

また、実績PERは現在25.9倍となっており、5年平均の24.4倍10年平均の23.6倍を上回っています。

12ヵ月先PERは10年平均相当に対し、実績PERは平均より高く割高の水準です。目先は “長期金利” と “S&P500全体のEPS予想” の方向性に注目です。

センチメント

センチメントは強気維持ですが、いつ弱気に傾いてもおかしくない状況です。

以下、センチメントに関わる数値の結果です。

  • 「VIX」は、先週末の14.52から15.84に上昇。
  • 「Put Call Ratio」は、先週末の0.71から0.87に上昇。
  • 「ブルベア指数」は、ブル50vs ベア17.3となり先週比でGapが縮小。
  • S&P500は、50日移動平均線の上で推移中。

※ INVESTOR’S BUSINESS DAILYの値引用

VIXの日足チャート】
 ※TradingView提供のチャー

【VIXの日足チャート】

↑今週はPPIとCPIの結果を受けて一喜一憂の展開を見せたものの先週比でVIXは上昇。

Put Call Ratio(出典:IBD)】

【Put Call Ratio(出典:IBD)】

↑先週から上昇し、ここ数週間は0.6~0.9の間を行き来しいています。

ブルベア指数(出典:IBD)

【ブルベア指数(出典:IBD)】

↑ブル下落、ベア小幅下落の動きが展開されて先週比でGap縮小。

S&P500の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャー

【S&P500の日足チャート】 

↑週間で0.8%の下落。木曜に8/4(フォロースルーディ)の安値をわったものの、金曜にCPIの結果を受けて、その水準を再び回復しています。価格は現在、50日移動平均線の上で推移しています。

経済指標&イベント

以下、今週確認してきた内容の結果です。

ポジティブサプライズ
なし

ネガティブサプライズ
・独・CPI(確報)
・米・PPI
・米・新規失業保険申請件数
・米・ミシガン大学消費者信頼感指数(速報)

ノンサプライズ
・欧・ECB政策金利
・米・CPI

独・CPI(確報)

8月の独インフレ率は、予想と一致の前年比2.9%へ加速し、4月以来の高水準を記録。

  • 物価:8月の独インフレ率は前年比2.9%へ加速し、4月以来の高水準。
  • 要因:中東情勢の緊迫化と原油高で、エネルギー価格が10.5%上昇。
  • 内訳:サービスは2.8%、食品は0.1%へ鈍化。コアは2.4%で横ばい。
  • 前月比:0.2%上昇に減速。EU基準の前年比は2.9%で、ECB目標2%を上回る。

欧・ECB政策金利

ECBは予想と同じ0.25ポイント利上げしました。預金金利2.50%、主要再金融金利2.65%。

欧・ECB政策金利
  • 背景:中東紛争でインフレ圧力が長期化。
  • 物価予測:26年3.0%を維持、27年2.5%・28年2.1%へ上方修正。
  • 成長予測:26年0.9%、27年1.4%へ上方修正。
  • 注目:ラガルド総裁の会見で今後の金融政策を見極め。

米・PPI

月の米PPIは予想と一致の前月比+0.4%と、3カ月ぶりの高い伸びを記録。

米・PPI
  • 前年比:+5.4%へ加速し、予想+5.3%を上回る。
  • 要因:財価格が前月比+1.1%、ディーゼルは+24.1%。サービスは+0.1%。
  • コア:食品・エネルギーを除く前月比は+0.2%で予想を下回る一方、前年比は+4.6%へ加速。

米・新規失業保険申請件数

9月第1週は1,000件減の20.6万件となり、予想より少し多いネガティブサプライズを記録。

米・新規失業保険申請件数
  • 継続受給申請:1,000件減の177.4万件で、予想を下回る。
  • 労働市場:雇用者数減少にもかかわらず、底堅さを示唆。
  • 連邦職員の新規申請:51件増の388件。公共部門縮小の動向に注目。

米・CPI

総合は、市場予想と一致の前年比+3.4%で横ばい、前月比+0.4%と3カ月ぶりの高い伸びを記録し、主因はガソリン+3.9%です。コアは、前年比+2.4%へ低下した一方、前月比は+0.3%と予想を上回りました。

米・CPI

【内訳】住居+0.3%、食品+0.1%。航空運賃・通信・中古車なども上昇。
【注目点】基調インフレは鈍化していますが、エネルギー高と月次コアの再加速には注意が必要。

米・ミシガン大学消費者信頼感指数(速報)

9月速報は47.8へ低下。市場予想51.0を下回り、2カ月連続で悪化しました。

米・ミシガン大学消費者信頼感指数(速報)
  • 背景:燃料高・貿易緊張で家計や景況感への不安が増加。
  • インフレ期待:1年先は4.6%へ上昇、5年先も3.4%へ小幅上昇。

決算

今週は5社チェックしました。

・決算クリア後上昇 & EPSと売上高が加速
なし

・10%以上値上がりした銘柄
なし

・10%以上値下がりした銘柄
AEO

2026/9/9(水)~11(金) 決算発表 ~M,ADBE,ORCLなど~

S&P500の長期トレンドチェック

2022年10月13日の底値を起点とした上昇トレンド(黄色点線)は継続中。
金曜の終値は7656.98(底値3491.58 から +119.30%)です。

【S&P500指数の週チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【S&P500指数の週足チャート】 

(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)

9/14週の注目内容

関心のある経済指標&イベント

来週は以下の経済指標&イベントに注目です。

  • 9/16(水) 米・小売売上高
  • 9/16(水) 米・FRB政策金利
  • 9/17(木) 米・住宅建築許可件数(速報)
  • 9/17(木) 米・住宅着工件数
  • 9/17(木) 米・新規失業保険申請件数
  • 9/18(金) 米・鉱工業生産指数
  • 9/18(金) 米・トリプルウィッチング

関心のある決算

来週は1社チェック予定です。

  • 9/17(木)アフター レナー(LEN)

来週は「原油価格 → インフレ → 中央銀行 → 金利 → 株式バリュエーション」が市場を左右する材料となると考えます。

最重要イベントはFOMCです。米インフレが3.4%と高止まりする中、25bp利上げが実施されれば、NASDAQなど高PER成長株には逆風となりやすい一方、銀行など金融株には追い風となる可能性があります。

同時に、GCCとイランの協議で原油価格が下落すれば、インフレ懸念と長期金利が和らぎ、ハイテク・半導体株にはプラスです。逆に交渉が失敗して原油高が再開すれば、再び「高インフレ・高金利」が市場の中心テーマになると思われます。

以上をふまえると、来週は単なる経済指標よりも、エネルギー価格と主要中銀の政策姿勢が世界株式の方向性を決める1週間になりそうです。

それでは、また👋

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