総括
今週は、中東情勢の緩和や米国の利上げ観測後退を背景に、全体として堅調に推移しました。
香港や中国、日本、韓国ではAI・半導体関連株を巡る期待と利益確定売りが交錯し、値動きの大きい展開となりました。
一方、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、インドは金融緩和期待や資源・金融株の上昇を支えに底堅く推移しました。
欧州ではインフレ鈍化と金融政策への安心感から主要指数が上昇し、ドイツやイタリアでは史上最高値更新や大幅高となるなど好調でした。
米国ではAI・半導体株が調整する一方、金融や景気敏感株へ資金が移り、ダウ平均は最高値を更新しました。
ブラジルも週後半に持ち直し、世界市場は金融政策への期待が相場を支えた一週間となりました。
欧州(STOXX50,STOXX600)
今週は、インフレ鈍化を背景としたECBおよびFRBの追加金融引き締め観測の後退が追い風となり、主要指数は週を通じて過去最高値を更新しました。
週半ばにはAI・半導体関連への利益確定売りで一時調整する場面もありましたが、その後は買い戻しが優勢となりました。
個別ではASML、シーメンス、シーメンスエナジー、ユニクレディット、ドイツ銀行、エルメス、LVMH、ラインメタルなどが市場をけん引し、金融、テクノロジー、高級ブランド、防衛関連を中心に幅広い上昇が見られた一週間となりました。
【STOXX50の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+3.07%。年初来+9.37%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【STOXX600の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+2.66%。年初来+9.15%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ドイツ(DAX指数)
今週は、中東情勢への警戒感から軟調に始まったものの、インフレ率の鈍化や金融引き締め観測の後退、さらにドイツ政府による大規模な改革パッケージが好感され、週後半にかけて史上最高値を連日更新する力強い展開となりました。
個別銘柄では、業績見通しや事業再編が評価されたバイエル、受注期待が高まったシーメンス・エナジー、政府の防衛投資期待を背景に買われたラインメタルやヘンソルト、評価引き上げを受けたボノビアやドイツ銀行などが市場を牽引しました。
一方で、ラインメタルは週末に政府案件の中止による収益影響が懸念され下落するなど、防衛関連には個別要因による変動も見られました。
市場全体としては、金融政策への安心感と財政政策への期待が相場を支える構図が鮮明となり、企業業績への期待を背景にドイツ株は引き続き堅調な地合いを維持した一週間となりました。
【DAX指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+4.49%。年初来+4.45%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
フランス(CAC40指数)
今週は、中東情勢への警戒感とECBフォーラムでの金融政策議論を材料に上下しながらも、週後半はインフレ鈍化や米雇用指標の弱さを背景とした利上げ観測の後退を好感し、約4か月ぶりの高値で取引を終えました。
個別では、エアバス、サフラン、シュナイダーエレクトリック、エア・リキード、タレスなど産業株が総じて堅調だった一方、LVMH、エルメス、ロレアル、ケリングなどラグジュアリー株は中東情勢や利益確定売りの影響で方向感に欠ける展開となりました。
市場全体では、インフレ沈静化と金融政策への安心感が相場を支える主要因となった一週間でした。
【CAC40指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.47%。年初来+3.16%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イタリア(Milano Italia Borsa指数)
今週は、米国の金融政策見通しやユーロ圏のインフレ動向、防衛関連需要の拡大を背景に、週後半へ向けて力強く持ち直しました。
週前半は金融株やエネルギー株の調整が重しとなりましたが、ECBの追加利上げ観測の後退やFRBの利上げ期待の低下が市場心理を改善させ、FTSE MIBは週間で3.85%上昇しました。
個別銘柄では、レオナルドやフィンカンティエリなど防衛関連株が大きく買われたほか、ユニクレディト、インテーザ・サンパオロ、BPERバンカなど銀行株も堅調でした。
さらに、サイペムやエニ、STマイクロエレクトロニクス、プリズミアンも週を通じて存在感を示しました。
一方で、ステランティスやブルネロ・クチネリは軟調な展開となりました。
今後も金融政策やエネルギー価格、防衛関連需要の動向がイタリア市場の重要な注目材料となりそうです。
【Milano Italia Borsa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+3.03%。年初来+15.62%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イギリス(UK100指数)
今週は、防衛、医薬品、金融を中心とした買いが相場を支え、週後半には約4か月ぶりの高値まで上昇する力強い展開となりました。
前半は金属価格や原油価格の下落を背景に鉱業株やエネルギー株が軟調となる場面もありましたが、後半はアストラゼネカ、GSK、BAEシステムズ、バブコック、ロールス・ロイスなどが大幅高となり指数を牽引しました。
また、HSBCやロイズ銀行グループなど金融株も堅調に推移しました。
一方で、BPやシェル、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、ABフーズには弱さが見られましたが、市場全体では幅広い銘柄への買いが優勢となり、FTSE100は週間でも上昇して取引を終えました。
【UK100指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.63%。年初来+7.31%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
インド(BSEセンセックス指数)
今週は、週前半は中東情勢や原油価格、モンスーンの遅れ、決算シーズンを前にした利益確定売りから軟調な展開となりました。
しかし、週後半は原油価格の下落や米国の利上げ観測の後退を背景に投資家心理が改善し、特にIT株への買い戻しが相場を押し上げました。
さらに、自動車株の堅調な販売実績も市場を支え、センセックスは約2か月ぶりの高値で週を終えました。
個別では、HCLテクノロジー、テック・マヒンドラ、TCS、インフォシス、マルチ・スズキ、マヒンドラ・アンド・マヒンドラ、バジャジ・ファイナンス、アダニ・ポーツ、タイタン、エターナルが堅調だった一方、コタック・マヒンドラ銀行、L&Tなどは軟調な場面が見られました。
全体としては、外部環境の改善と企業業績への期待が相場を支える一週間となりました。
【BSEセンセックスの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.86%。年初来-9.20%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
中国(上海総合指数,深セン総合指数)
今週は、週前半は人民銀行による流動性供給や堅調なPMIを背景に上昇したものの、週後半はAI・半導体関連株への利益確定売りや米中ハイテク摩擦への懸念から大きく調整する展開となりました。
その後は買い戻しによって持ち直したものの、AI関連銘柄の高い評価水準への警戒感は依然として残っています。
個別では、BYD、CATL、中国生命保険、中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行、ナウラテクノロジー、エオプトリンク・テクノロジー、Shennan Circuit、Luxshare Precision Industry、紫金鉱業が堅調な場面を見せた一方、寒武紀科技、中芯国際、海光情報技術、サングロウ・パワーサプライは大幅な下落が目立ちました。
週次では上海総合指数は小幅上昇した一方、深セン成分指数は2週連続の下落となり、成長株を巡る慎重姿勢が続く結果となりました。
【上海総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.41%。年初来+1.42%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【深セン総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.17%。年初来+14.40%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
日本(日経平均、TOPIX)
今週は、週前半はAI関連株への期待や円安、堅調な国内経済指標を背景に上昇基調となりました。
しかし、週後半は世界的なハイテク株安を受けて半導体・AI関連株に利益確定売りが集中し、一時大きく調整する展開となりました。
その後は米国の利上げ観測後退を受けて反発したものの、AI関連銘柄の高いバリュエーションや円相場の変動には引き続き注意が必要な状況です。
個別では、東京エレクトロン、太陽誘電、ソニーグループ、任天堂、ディスコ、フジクラ、村田製作所、イビデン、国際電気、ファーストリテイリング、トヨタ自動車が堅調な場面を見せた一方、キオクシアホールディングス、アドバンテストなど半導体関連は大きな値動きとなりました。
全体としては、AI関連株への期待と過熱感が交錯する中、相場は方向感を探る一週間となりました。
【日経平均の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.55%。年初来+36.73%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【TOPIXの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+2.55%。年初来+17.86%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
韓国(KOSPI総合指数)
今週は、AI・半導体関連を巡る期待と警戒が交錯し、非常に値動きの大きい一週間となりました。
週前半は中東情勢や政策期待を背景に上下し、週半ば以降は外国人売りや世界的な半導体株安、インフレ懸念を受けて急落しました。
一方、週末には押し目買いや米国の利下げ期待を背景に急反発し、下落分の一部を取り戻しました。
個別では、サムスン電子、SKハイニックス、SKスクエアが相場全体を左右する中心銘柄となり、サムスン電機はAI関連需要への期待から堅調でした。
また、LGエナジーソリューション、現代自動車、SK Inc、ハンファエアロスペース、新韓金融グループ、起亜なども市場動向に応じて大きく変動しました。
今後もAI関連投資や海外半導体市場の動向、米国の金融政策が韓国株の重要な材料となりそうです。
【KOSPI総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-3.84%。年初来+84.42%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
香港(香港ハンセン指数)
今週は、週前半は利益確定売りや中国景気への不透明感から軟調となりましたが、週後半はテクノロジー株への買い戻しやAI分野への成長期待、米国の利上げ懸念後退を背景に持ち直す展開となりました。
中国経済の回復ペースへの警戒感は残るものの、香港上場のインターネット企業には割安感を評価した資金流入が続きました。
個別では、テンセント、シャオミ、メイトゥアン、SMIC(中芯国際)、AIA、イノベント・バイオロジクス、UBTECHロボティクス、Horizon Robotics、Knowledge Atlasが堅調だった一方、インシリコ・メディスン、トリップドットコム、ポップマート、アケソは週前半に軟調な場面が見られました。
市場全体では、AI関連への期待と中国景気への慎重姿勢が交錯する一週間となりました。
【香港ハンセン指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+2.99%。年初来-11.42%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
オーストラリア(ASX200指数)
今週は、中東情勢の緩和や中国経済への期待を背景に堅調なスタートを切りましたが、週半ばにはRBAの追加利上げ観測や弱い国内経済指標を受けて調整しました。
その後は原油価格の落ち着きや米国の利上げ観測後退を背景に投資家心理が改善し、金鉱株や金融株を中心に買い戻しが進みました。
個別では、BHPグループ、フォーテスキュー、ノーザン・スター・リソーシズ、エボリューション・マイニング、サウス32、コンピュータシェア、ニューレン・ファーマシューティカルズが堅調だった一方、コールズ・グループ、SGH、ウェスファーマーズ、Xero、サンコープは軟調な展開となりました。
週間ではASX200は約0.9%上昇し、世界的な金融政策への警戒感を抱えながらも底堅さを示す一週間となりました。
【ASX200指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.92%。年初来+1.34%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ニュージーランド(NZX50指数)
今週は、週前半は企業景況感の改善や原油価格の落ち着き、中東情勢の緊張緩和を背景に上昇しました。
その後は利益確定売りや世界的なハイテク株安の影響から調整局面となりましたが、週末には消費者・企業景況感の改善や米国の利上げ観測後退を受けて持ち直しました。
市場ではインフレや金融政策への警戒感が残る一方、景気回復への期待が相場を下支えしました。
個別では、A2ミルク、フィッシャー&パイケル・ヘルスケア、メインフレイト、エボス・グループ、サマセット・グループ、スケールズ、フレイトウェイズ・グループ、タウランガ港、インフラティルが堅調だった一方、スパーク・ニュージーランド、コラス、ANZグループ、ウェストパック銀行、メリディアン・エナジーなどは軟調な場面が見られました。
週間ではNZX50は約0.9%上昇し、底堅い推移を維持しました。
【NZX50指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.91%。年初来+0.52%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
カナダ(TSX総合指数)
今週は、中東情勢の緊張緩和や米国の弱い雇用指標を背景に、FRBおよびカナダ銀行の金融緩和期待が高まり、週後半にかけて上昇基調を強めました。
前半は金価格下落でアグニコ・イーグルやフランコ・ネバダ、WPMなどが軟調でしたが、後半は金価格の反発を受けて大きく回復しました。
金融株ではRBC、TDバンク、スコシアバンク、ブルックフィールドが底堅く推移し、テクノロジーではShopifyやセレスティカが個別材料を背景に上昇しました。
最終的にTSXは過去最高値を更新し、資源株と金融株を中心に力強い一週間となりました。
【TSX総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.84%。年初来+10.29%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ブラジル(Bovespa指数)
今週は、中東情勢や米国の金融政策見通し、さらに国内の財政・景気指標が相場を左右する展開となりました。
週前半は財政悪化や雇用の弱さを背景に売りが優勢となりましたが、週後半は米国の利上げ観測後退やサービス業の改善を受けて投資家心理が改善し、指数は週初を上回る174,070ポイントで取引を終えました。
個別銘柄では、ブラデスコやイタウ、ブラジル銀行など金融株が週後半の反発を主導し、ペトロブラスは原油価格の落ち着きや研究施設開設を背景に底堅く推移しました。
一方、バーレは鉄鉱石価格の下落、エンジーは経営陣交代、ブラステクムは格下げの影響で軟調な動きとなりました。
今後はブラジルの財政運営に加え、FRBの金融政策や米国との通商問題が引き続き市場の重要な注目材料となりそうです。
【Bovespa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.45%。年初来+8.43%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
アメリカ(S&P500,NASDAQ,ダウ)
今週は、前半は中東情勢の緩和やAI関連株への買い戻しを背景に力強く上昇し、ダウ平均は過去最高値を更新しました。
しかし週後半は、AI関連株や半導体株の高いバリュエーションへの警戒感が強まり、ナスダックを中心に利益確定売りが広がりました。
一方で、弱めの雇用統計を受けてFRBの利上げ観測が後退したことから、金融、消費、生活必需品など伝統的なセクターには資金が流入し、ダウ平均は底堅さを維持しました。
個別銘柄では、エヌビディア、AMD、インテル、マイクロン・テクノロジー、アプライド・マテリアルズ、マーベルなど半導体関連株の値動きが市場を大きく左右しました。
また、メタ、アマゾン、アルファベット、マイクロソフトはAI関連事業への期待から比較的堅調でした。
一方、テスラは好調な納車実績にもかかわらず利益確定売りに押され、アップル、ビザ、ウォルマートは終盤に買いが入り、市場全体を支える存在となりました。
【S&P500指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.76%。年初来+8.58%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【NASDAQの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+2.12%。年初来+10.16%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【ダウの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.97%。年初来+9.14%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)


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