総括
今週の世界株式市場は、AI関連銘柄への期待が相場を支えた一方で、中東情勢の緊迫化や金利上昇懸念が重しとなる展開でした。
週前半はAI・半導体需要の拡大期待を背景に、米国、日本、韓国、香港などで株価が上昇し、高値を更新する市場が相次ぎました。
しかし週後半は、米半導体大手ブロードコムの慎重な見通しや中東情勢の悪化を受け、AI・半導体関連株を中心に利益確定売りが広がりました。
米国ではナスダック指数が大きく下落し、日本や韓国でも半導体株が軟調となりました。
中国・香港市場も利益確定売りや貿易摩擦懸念から弱含みで推移しました。
欧州市場では地政学リスクや金融政策への警戒感が強まる一方、資源・エネルギー株が相場を支える場面も見られました。
全体としてAI需要への期待は引き続き強いものの、投資家心理は慎重さを増した一週間となりました。
欧州(STOXX50,STOXX600)
今週は、中東情勢と金融政策見通しに大きく左右される展開となりました。
週前半はイランと米国の交渉停滞による原油高とインフレ懸念から下落したものの、火曜日にはAI・半導体関連株が市場を牽引して大幅反発しました。
その後は米国の関税強化懸念や中東情勢の不透明感が重しとなり、週末にはECBとFRBの利上げ観測が市場心理を圧迫しました。
個別銘柄では、AI需要拡大期待を背景にSAP、ASML、STマイクロエレクトロニクス、インフィニオン、プロススが注目を集めました。
金融株ではユニクレディト、BNPパリバ、ドイツ銀行、BBVA、ING、サンタンデールが市場全体の方向性を左右しました。
また、高級ブランドのLVMH、航空宇宙関連のエアバスやサフラン、保険大手アリアンツ、銀行大手HSBCも話題となりました。
総じて、地政学リスクと金利動向の綱引きの中で、AI関連株の強弱が相場の大きなテーマとなった一週間でした。
【STOXX50の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.19%。年初来+4.77%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【STOXX600の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.53%。年初来+5.12%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ドイツ(DAX指数)
今週は約1.3%下落しました。
市場は中東情勢の緊迫化と緩和期待を繰り返し織り込みながら推移し、加えて米国の追加関税案やECBの利上げ観測が重しとなりました。
週半ばには地政学リスクと貿易摩擦懸念から大きく下落し、その後は原油価格の落ち着きで反発する場面もありましたが、週末にはテクノロジー株の急落が指数を押し下げました。
個別銘柄では、AI関連需要を背景にインフィニオンとSAPが大きく注目されたものの、週末には利益確定売りや業界見通し悪化の影響を受けました。
金融株ではドイツ銀行やコメルツ銀行が金利動向に左右される展開となりました。
自動車株ではメルセデス・ベンツとBMWが軟調で、防衛・航空宇宙関連のラインメタル、エアバス、MTUエアロエンジンも週前半に大きく売られました。
一方で、RWE、E.ON、バイエル、バイエルスドルフ、ザランドなどは相対的に堅調さを見せました。
全体としては、地政学リスク、金融政策、AI関連株の値動きが相場を左右した一週間となりました。
【DAX指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.38%。年初来+1.06%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
フランス(CAC40指数)
今週は、中東情勢と金利動向に大きく左右される展開となりました。
週前半はイランと米国の交渉停滞や原油高を背景に下落しましたが、火曜日と木曜日には金利低下や停戦期待によって反発しました。
しかし週末にかけては、米国の堅調な雇用統計による金利上昇懸念やAI関連株の調整が重石となり、上値の重い展開となりました。
個別銘柄では、AI需要拡大を背景にSTマイクロエレクトロニクスが週前半に急騰した一方、週末には大幅反落しました。
高級ブランドではLVMH、エルメス、ケリングが中国需要期待や投資家心理改善を受けて堅調な場面がありました。
航空宇宙関連のエアバスやサフランは中東情勢やエネルギー価格の影響を受けながら大きく変動しました。
エネルギー株のトタルエナジーズは原油高の恩恵を受けて底堅く推移した一方、自動車大手のステランティスは関税懸念や投資負担への警戒感から軟調な週となりました。
【CAC40指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.43%。年初来+1.12%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イタリア(Milano Italia Borsa指数)
今週は、中東情勢や米国の関税政策を巡る不透明感、そして米国の金利見通しに大きく左右される展開となりました。
週前半は原油価格上昇によるインフレ懸念から下落しましたが、火曜日には金融株や半導体株の上昇を背景に過去最高値を更新しました。
その後は中東での軍事的緊張や米国の追加関税案が重しとなり、週末にかけて上値の重い展開となりました。
個別銘柄では、AI需要拡大期待を背景にSTマイクロエレクトロニクスが週間を通じて大きく注目されましたが、週末には利益確定売りに押されました。
金融株ではユニクレディト、インテーザ・サンパオロ、BPERバンカ、ジェネラリが相場を左右する存在となりました。
エネルギー株ではエニやテナリスが原油価格上昇の恩恵を受けた一方、高級ブランド関連のフェラーリやモンクレールは地合い悪化の影響を受けました。
また、ステランティスは生産計画や投資計画を巡る報道を背景に不安定な値動きとなりました。
全体としては、地政学リスクと金利動向が市場の方向性を決定づけた一週間でした。
【Milano Italia Borsa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.29%。年初来+10.87%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イギリス(UK100指数)
今週は、中東情勢を巡るニュースに大きく左右される展開となりました。
週前半はイランと米国の交渉停滞や軍事的緊張の高まりが重しとなり、週後半は停戦期待の高まりが市場を支えました。
ただし、セクターごとの明暗が分かれ、指数は週間で0.3%下落しました。
個別銘柄では、原油価格上昇局面でBPやシェルが堅調に推移した一方、原油下落時には上値が抑えられました。
鉱業株ではアントファガスタ、グレンコア、アングロ・アメリカン、リオ・ティントが週前半に上昇したものの、週末に大きく売られました。
金融株ではHSBCやスタンダードチャータード、プルデンシャルが中国関連の懸念から下落しました。
一方、B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールやイージージェットは個別材料で大幅高となり、防御株ではアストラゼネカ、GSK、ユニリーバ、ブリティッシュ・アメリカン・タバコが週末の相場を支える役割を果たしました。
全体としては、地政学リスクと資源価格動向が市場の主要テーマとなった一週間でした。
【UK100指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.40%。年初来+4.40%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
インド(BSEセンセックス指数)
今週は、中東情勢の緊張、米国・イラン協議を巡る不透明感、外国人投資家の資金流出、そしてRBI金融政策への警戒感が重なり、センスックスは週間で約0.7%下落しました。
週前半はAI需要拡大期待を背景にTCS、インフォシス、HCLテクノロジーズ、テック・マヒンドラなどIT株が相場を支えましたが、週半ば以降は利益確定売りが優勢となりました。
一方、金融株は比較的底堅く推移し、ICICI銀行、アクシス銀行、バジャジ・ファイナンスが週後半の支え役となりました。
反対に、NTPC、ITC、タタ・スチールなどは軟調な展開が続き、市場全体としては慎重な投資姿勢が目立つ一週間となりました。
【BSEセンセックスの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.71%。年初来-12.92%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
中国(上海総合指数,深セン総合指数)
今週は、週前半こそAI・半導体関連銘柄への強い期待を背景に反発・続伸する場面が見られましたが、週後半は米中・欧中間の貿易摩擦懸念や中東情勢の悪化、AI関連株への利益確定売りが重しとなり下落しました。
上海総合指数は週間で約1%下落し4週連続安、深セン成分指数も1.67%下落し2週連続のマイナスとなりました。
個別では、週前半にCambricon Technologies、SMIC、Zhongji Innolight、Eoptolink Technology、NAURA TechnologyなどAI・半導体関連銘柄が市場をけん引しましたが、週末にかけて大きく調整しました。
一方、GigaDevice Semiconductorは指数採用を材料に大幅上昇しました。
市場は今後もAI関連投資の持続性に加え、米中・欧中の貿易政策や地政学リスクの動向を注視する展開となりそうです。
【上海総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.00%。年初来+1.02%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【深セン総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.67%。年初来+12.33%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
日本(日経平均、TOPIX)
今週は、AI関連銘柄への期待と利益確定売りが交錯する展開となりました。
週前半はソフトバンクグループ、東京エレクトロン、アドバンテスト、キオクシアホールディングス、村田製作所などが買われ、日経平均は史上最高値を更新し、6月3日には初めて68,000円台で取引を終えました。
しかし週後半は、ブロードコムの慎重な見通しをきっかけに世界的なAI・半導体株調整が発生し、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、アドバンテスト、村田製作所、フジクラ、太陽誘電などが売られました。
また、中東情勢の不透明感や日銀の追加利上げ観測も相場の重しとなりました。
それでも週間ベースでは日経平均株価は0.39%上昇し、AI関連成長期待の強さを改めて示す一週間となりました。
【日経平均の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.39%。年初来+30.54%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【TOPIXの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.20%。年初来+14.51%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
韓国(KOSPI総合指数)
今週は、AI・半導体関連銘柄への期待から週前半に過去最高値を更新したものの、週後半は世界的な半導体株調整と中東情勢の悪化を受けて急速に値を崩す展開となりました。
前半は半導体輸出の大幅増加やNVIDIAとの協業期待を背景に、サムスン電子、SKハイニックス、SKスクエア、LG電子などが市場を牽引しました。
しかし後半はブロードコムの弱気見通しをきっかけに半導体関連株が急落し、サムスン電子、SKハイニックス、SKスクエア、LGエナジーソリューション、ヒュンダイモービスなどが大きく売られました。
また、原油高や中東情勢の不透明感、インフレ懸念も相場の重しとなりました。
AI需要拡大への中長期的な期待は依然として強いものの、短期的には高値警戒感と外部環境の悪化により、大きな値動きが目立つ一週間となりました。
【KOSPI総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-3.72%。年初来+93.17%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
香港(香港ハンセン指数)
今週は、週前半にAI関連投資への期待や中国EV市場の好調さを背景に大きく上昇し、ハンセン指数は一時26,000ポイント台を回復しました。
しかし週後半は利益確定売りに加え、中東情勢の緊迫化や米国AI関連株の調整を受けてリスク回避姿勢が強まり、3日連続で下落しました。
個別では、好調な納車実績を背景にXpengやNioが買われたほか、テンセント、レノボ、Xiaomi、快手科技などAI・テクノロジー関連株が週前半の上昇を主導しました。
一方、週後半はAIA、SMIC、レノボ、美団(メイトゥアン)などが売られ、指数の重しとなりました。
市場は引き続きAI関連投資の動向と中東情勢の行方を注視する展開となっています。
【香港ハンセン指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.88%。年初来-2.94%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
オーストラリア(ASX200指数)
今週は週前半こそGDP発表や利上げ観測後退を背景に上昇し、6月3日には1カ月ぶりの高値を付けました。
しかし、その後は中東情勢の悪化や米雇用統計を控えた警戒感、豪州準備銀行(RBA)の金融政策への不透明感から利益確定売りが強まり、週間では1.2%安となりました。
個別では、アクティビスト投資家の介入期待からノーザンスター・リソーシズが大幅上昇したほか、AI関連材料を発表したメガポートも急騰しました。
一方で、週後半にはBHP、リオ・ティント、ライナス・レアアース、四大銀行株など主力銘柄が売られ、指数全体の重しとなりました。
市場は今後もRBAの金融政策や資源価格、中東情勢の動向を注視する展開となりそうです。
【ASX200指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.22%。年初来-1.02%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ニュージーランド(NZX50指数)
今週は、週前半から中盤にかけて中東情勢の不透明感や米国の追加関税懸念、弱い国内経済指標を背景に軟調な展開となりました。
RBNZによる金融引き締め観測も投資家心理を圧迫し、NZX50は3日続落しました。
週末には地政学リスク緩和への期待から反発したものの、週間では0.6%下落し、3週間ぶりの下落週となりました。
個別では、ANZグループ、ウエストパック銀行、バルカン・スチール、a2ミルクなどが軟調に推移した一方、週末にはエボスグループ、インフラティル、メインフレイト、フィッシャー&パイケルヘルスケア、オークランド国際空港が反発し、市場を支えました。
今後はニュージーランドの経済指標に加え、米国の金融政策や世界的な地政学リスクの動向が注目されます。
【NZX50指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.62%。年初来-2.85%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
カナダ(TSX総合指数)
今週は、中東情勢と金利見通しに大きく左右される展開となりました。
週前半はエネルギー・資源株主導で史上最高値を更新する場面がありましたが、週後半は米国とイランを巡る緊張再燃や強い雇用統計を受けた金利上昇懸念から急速に調整しました。
個別銘柄では、カメコが資産取得を材料に大きく上昇し、ショッピファイも週前半はAI関連需要を背景に堅調でした。
一方で、アグニコ・イーグル、バリック、WPMなどの金鉱株は金価格下落の影響を強く受け、週末にかけて大幅安となりました。
また、セレスティカやショッピファイなどのテクノロジー株も米半導体セクターの急落に連れ安となりました。
全体としては、最高値更新後に利益確定売りと金利上昇懸念が重なり、週末にかけてリスク回避色の強い相場となりました。
【TSX総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.02%。年初来+8.17%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ブラジル(Bovespa指数)
今週は、中東情勢の緊迫化、米国との貿易摩擦懸念、そして米国の強い経済指標を背景とした金利上昇観測に左右される展開となりました。
週前半には鉄鉱石価格上昇や鉄鋼株高を背景に反発する場面もありましたが、後半は米国の追加関税問題やブラジル国内景気の鈍化懸念が重しとなり、イボベスパは軟調に推移しました。
個別銘柄では、資源大手のバーレが鉄鉱石価格の変動に大きく影響を受け、週後半に下落しました。
ペトロブラスは原油価格上昇局面では買われたものの、週末には原油安を受けて下落しました。
金融株ではブラデスコ、イタウ、イタウサ、バンコ・ド・ブラジルが軟調な展開となりました。
一方で、CSN、ゲルダウ、ウシミナスなど鉄鋼株は関税見直し期待から大きく上昇する場面があり、公益株ではアクシア、サベスプ、エネバが堅調さを見せました。
全体としては、外部環境の不透明感と金利動向が市場を左右した一週間となりました。
【Bovespa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.74%。年初来+4.90%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
アメリカ(S&P500,NASDAQ,ダウ)
今週は、前半はAI関連株への旺盛な資金流入によって主要指数が史上最高値を更新する力強い展開となりました。
しかし後半は、中東情勢の悪化や米国金利上昇への警戒感が強まり、特にAI・半導体セクターを中心に大きな調整が発生しました。
個別銘柄では、NVIDIAが新製品発表を背景に週前半の上昇を牽引し、オラクル、マイクロソフト、HPE、マーベル・テクノロジーもAI関連需要への期待から買われました。
一方で、決算や業績見通しへの失望からブロードコムが週後半の下落を主導し、マイクロン・テクノロジー、AMD、インテル、マーベル・テクノロジーなど半導体株全体に売りが波及しました。
また、金融株ではJPモルガンやゴールドマン・サックス、ヘルスケアではユナイテッドヘルスやジョンソン・エンド・ジョンソンが堅調に推移しました。
週間ベースでは、S&P500が2%超下落、ナスダックが約4.7%下落するなど、AI相場の過熱感修正と金利上昇が意識された週となりました。
【S&P500指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.59%。年初来+7.35%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【NASDAQの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-4.68%。年初来+9.49%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【ダウの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.32%。年初来+5.75%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)


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