【米国市場:2026年8月17日週】今週の振り返り & 来週のトピック (市場動向、鉱工業生産指数、新規失業保険申請件数、HD/VIK/WMTなどの決算)

投資関連

こんにちは、Saabです。今週の振り返りと来週のトピックです。

   2026年8月10日週分はこちら

↓主な内容は以下参照。

今週は、中東情勢悪化による原油高、インフレ再加速懸念、米長期金利上昇が重荷となりました。
米10年債利回りは財務省の買い戻しで一時低下したものの、週末には4.74%まで上昇。AI・半導体株が売られる一方、ヘルスケアやバイオは堅調でした。
原油、金・銀・プラチナ、暗号資産、金鉱株は好調で、特にビットコイン・イーサリアムETFは週間20%超上昇しました。
S&P500とNASDAQではディストリビューションデイが各1回増え、センチメントは強気ながらやや弱含みです。
来週はジャクソンホール、NVIDIA決算、米PCE、雇用統計の年次改訂が重要です。また、目先S&P500は8/4フォロースルーデイ安値を維持できるかにも注目したいと思います。

それでは順に詳細をみていきます。

8/17週 米国市場の振り返り

総括

今週の米国株は、中東情勢悪化による原油高、インフレ再加速懸念、長期国債利回りの上昇が最大の重荷となりました。

週半ばには米財務省の国債買い戻し策で一時的に金利が低下しましたが、インフレ懸念は根強く、株式市場の上値は抑えられました。

個別では、Microsoft、Meta、Alphabetなどハイパースケーラーが週前半に下落した後、金曜日に反発しました。Nvidia、AMD、Intel、Micron、Sandiskなど半導体株は値動きが荒く、AI関連株の調整が目立ちました。また、Walmartは決算を嫌気して週間で10%超下落しました。一方、MerckやModernaなど医薬品株には強い銘柄も見られました。

今後は、原油価格、長期金利、FRBの利上げ判断、AI企業の収益成長が米国株の方向性を左右する重要材料となりそうです。

【S&P500の週間ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の週間ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの週間パフォーマンス (出典:finviz) 

【米国株の各セクターの週間パフォーマンス (出典:finviz)】

8/17~8/21の動向


8/17(月)中東情勢と原油高で反落

米国株は下落し、S&P500は0.5%安、ナスダックは0.2%安、ダウは273ドル安となりました。米国とイランの和平期待が後退し、原油高によるインフレ再加速とFRBの追加利上げ懸念が重荷となりました。30年債利回りも2007年以来の高水準に上昇しました。Microsoft、Meta、Alphabetなど大型ハイテク株は下落しましたが、AI需要への期待からMicronが4.1%高、Sandiskが9%高となりました。

【S&P500の1Day(月)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(月)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(月)パフォーマンス (出典:finviz)】 

【米国株の各セクターの1Day(月)パフォーマンス (出典:finviz)】 

8/18(火)半導体株が急落

S&P500は0.7%安、ナスダック100は1.7%安、ダウは116ドル安となりました。高水準の長期金利と原油高が引き続き相場を圧迫し、AI・半導体株を中心に売りが広がりました。Nvidiaが2.3%安、Broadcomが3.2%安、Micronが7%安、AMDが4.3%安、Sandiskが9%安となりました。MetaやOracleも下落し、金融株も軟調でした。

【S&P500の1Day(火)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(火)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(火)パフォーマンス (出典:finviz)】 

【米国株の各セクターの1Day(火)パフォーマンス (出典:finviz)】 

8/19(水)金利低下でS&P500は小幅反発

S&P500は0.2%高、ダウは120ドル高となる一方、ナスダックは0.2%安でした。米財務省が長期国債の買い戻し枠を倍増させたことで長期金利が低下し、株式市場を支えました。一方、FOMC議事録では一部メンバーの利上げ支持が確認されました。個別ではTargetが4.3%高、Merckが12.6%高、Modernaが大幅上昇した一方、AMDやIntelは下落しました。

【S&P500の1Day(水)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(水)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(水)パフォーマンス (出典:finviz)】 

【米国株の各セクターの1Day(水)パフォーマンス (出典:finviz)】 

8/20(木)インフレ懸念再燃で大幅安

S&P500は0.9%安、ナスダックは0.7%安、ダウは704ドル安となりました。原油・燃料価格の上昇でインフレ懸念が強まり、国債利回りも再上昇しました。JPMorganが1.6%安、Morgan Stanleyが3.2%安となり、金融株が下落しました。AI関連株も軟調となり、Walmartは決算が予想を下回ったことで9.1%急落しました。

【S&P500の1Day(木)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(木)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(木)パフォーマンス (出典:finviz)】 

【米国株の各セクターの1Day(木)パフォーマンス (出典:finviz)】

8/21(金)強い景気指標で反発

S&P500は0.4%高、ナスダック100は0.3%高、ダウは518ドル高となりました。米企業活動が4年以上ぶりの速さで拡大したことが好感されました。Alphabetが1.1%高、Microsoftが0.4%高、Metaが0.8%高と大型ハイテク株が反発しました。一方、Nvidia、Micron、Intelなど半導体株は小幅安でした。

【S&P500の1Day(金)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(金)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(金)パフォーマンス (出典:finviz)】 

【米国株の各セクターの1Day(金)パフォーマンス (出典:finviz)】

【S&P500の日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【S&P500の日足チャート】 

↑今週は先週の価格から下落に転じました。金曜の終値時点では10日移動平均線(緑)と21日指数移動平均線(ピンク)の間を推移しています。8/4のフォロースルーディの安値(黄色線)を下回らないかが目先の注目ポイントです。

【NASDAQの日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【NASDAQの日足チャート】 

↑NASDAQもS&P500と同様に先週の価格から下落に転じました。金曜の終値時点では、ちょうど21日指数移動平均線(ピンク)あたりを推移しています。木曜には、8/4のフォロースルーディの安値(黄色線)を下回ったものの、金曜に少し上昇したことで安値よりも高いところで取引を終了しています。

【NASDAQ100の日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【NASDAQ100の日足チャート】 

↑S&P500やNASDAQと同様に、今週は先週の価格から下落に転じました。金曜の終値時点では、ちょうど50日移動平均線(赤)あたりを推移しています。8/4のフォロースルーディの安値(黄色線)を下回らないかが目先の注目ポイントです。

【ダウの日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【ダウの日足チャート】 

↑ダウも週を通じて下落。現在10日移動平均線と21日指数移動平均線の間を推移しています。

【ラッセル2000(小型株)の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

【ラッセル2000(小型株)の日足チャート】

↑ラッセル2000も週を通じて下落しました。ダウと同様に、現在10日移動平均線と21日指数移動平均線の間を推移しています。

【RSP(SP500均等加重)の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

【RSP(SP500均等加重)の日足チャート】

↑RSPも週間ではマイナスを記録したものの、S&P500とは異なり、過去史上最高値付近で推移しています。価格はまた全ての移動平均線を上回っており、比較的良好な値動きを展開しています。

【MDY(中型株)の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

【MDY(中型株)の日足チャート】

↑中型株も例外なく下げており、今週で10日移動平均線と21日指数移動平均線を下にきりました。

【原油先物の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

【原油先物の日足チャート】

米・イラン和平期待の後退、制裁強化、ホルムズ海峡の航行リスクを背景に上昇し、2週連続高となりました。代替輸送で全面的な供給停止は回避されていますが、今後は対イラン制裁、通航状況、米・イラン交渉、米原油在庫が焦点です。

【10年債利回りの日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

【10年債利回りの日足チャート】

原油高・インフレ懸念、AI企業の債券発行、財政赤字、FRBの利上げ論で上昇しました。財務省の買い戻しで一時低下したものの、週末は4.74%まで再上昇。今後もFRB、原油、財政動向が焦点です。

【ドル指数の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

【ドル指数の日足チャート】

弱い米景気指標によるFRB利上げ期待の後退と、米財務省の国債買い戻し策を背景に下落し、ドル指数は98.8付近まで低下しました。今後はFRB政策、米長期金利、財政不安、原油価格が焦点で、インフレ再加速ならドル反発、財政不安継続なら下落圧力が続きそうです。

※主要なマーケットの詳細は以下参照
 リンク

 

ディストリビューションディ

今週はS&P500とNASDAQともに1回づつ増加しました。

週間カウント数の推移
・8/17 S&P500:2回、NASDAQ:2回
・8/18 S&P500:2回、NASDAQ:2回
・8/19 S&P500:2回、NASDAQ:2回
・8/20 S&P500:2回、NASDAQ:3回
・8/21 S&P500:2回、NASDAQ:3回


ディストリビューションディ(出典:IBD)

【ディストリビューションディ(出典:IBD)】

米国のセクターETF 年初来パフォーマンス BEST5

今週は、インフレ・原油価格の上昇・財政への懸念が、米国債利回りの上昇させることで、AI・半導体関連株を圧迫し、その中でも特に半導体株が下落を主導しました。

一方、ヘルスケアやバイオが好パフォーマンスを記録。

米国のセクターETF 年初来パフォーマンス BEST5

コモディティ&暗号通貨ETF 年初来パフォーマンス BEST5

今週は、先週に続き原油価格上昇でUSOが好パフォーマンスを記録。

その他ではシルバーやプラチナもそれぞれ7%以上、ゴールドも5%以上の上昇を記録しました。

政府による長期国債の買い戻し/クラリティー法案がらみなどで、暗号資産のビットコインやイーサリアムのETFが週間で20%以上上昇しました。

コモディティ&暗号通貨ETF 年初来パフォーマンス BEST5

カントリーETF 年初来パフォーマンス BEST10

今週は、半導体製造装置やAI関連銘柄の比率が高いEWJやEWNが敗者となった一方、金鉱株の上昇の恩恵を受けてAFK/EZAが好パフォーマンスを記録しました。

カントリーETF 年初来パフォーマンス BEST10

※各セクター&カントリーETFの詳細は以下参照
 リンク

センチメント

基本的には強気ですが、今週の値動き&センチメントを考慮するとやや弱気に傾いた印象です。

以下、センチメントに関わる数値の結果です。

  • 「VIX」は、変動が大きかったものの先週末の14.25から15.13に上昇。
  • 「Put Call Ratio」は、先週末の0.69から0.82に上昇。
  • 「ブルベア指数」は、ブル54.7vs ベア15.1となりGapは先週比で縮小。
  • S&P500は、10日移動平均線と21日指数移動平均線の間を推移。

※ INVESTOR’S BUSINESS DAILYの値引用

VIXの日足チャート】
 ※TradingView提供のチャー

【VIXの日足チャート】

↑今週は上下動を繰り返しながら、終値では先週より上昇を記録しています。

Put Call Ratio(出典:IBD)】

【Put Call Ratio(出典:IBD)】

↑先週から少し上昇しており、0.8をこえたところを推移しています。

ブルベア指数(出典:IBD)

【ブルベア指数(出典:IBD)】

↑ブル下落、ベア上昇の動きが展開されてGapが先週比で縮小しました。

S&P500の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャー

【S&P500の日足チャート】 

↑今週は先週の価格から下落に転じました。金曜の終値時点では10日移動平均線(緑)と21日指数移動平均線(ピンク)の間を推移しています。8/4のフォロースルーディの安値(黄色線)を下回らないかが今後の注目ポイントです。

経済指標&イベント

以下、今週確認してきた内容の結果です。

ポジティブサプライズ
・米・新規失業保険申請件数
・米・住宅建築許可件数

ネガティブサプライズ
・米・鉱工業生産指数
・米・住宅着工件数

ノンサプライズ
・欧・ユーロ圏消費者物価指数(HICP)

米・住宅建築許可件数

144.3万件、前月比+5.0%。市場予想137万件を上回りました。

米・住宅建築許可件数
  • 集合住宅:49万件、+9.1%
  • 戸建て:89.4万件、+2.5%
  • 地域別:中西部+12.3%、南部+6.6%、西部+0.3%、北東部-2.6%
  • 総括:住宅建設は予想以上に堅調。

米・住宅着工件数

123.9万件となり、前月比-12.4%。市場予想135万件を大きく下回りました。

米・住宅着工件数
  • 集合住宅-15.6%
  • 戸建て住宅-9.9%
  • 地域別:中西部-27.6%、南部-12.6%、西部-13.8%、北東部+17.1%
  • 総括:住宅建設は予想以上に弱く、景気減速の兆候に注意。

米・鉱工業生産指数

前月比で+0.2%(予想+0.3%)となり市場予想を下回りました。

米・鉱工業生産指数
  • 製造業:+0.2%、自動車除く+0.4%
  • 鉱業:+1.3%
  • 公共事業:+0.5%
  • 稼働率:76.3%で、長期平均を3.1pt下回る。

生産は増えたものの、市場予想をやや下回り、工場の余力もまだ大きい状態です。

欧・ユーロ圏消費者物価指数(HICP)

7月は、予想と一致の2.9%。コアも予想と一致の2.5%。

欧・ユーロ圏消費者物価指数欧・ユーロ圏消費者物価指数
  • ECB目標2.0%を大きく上回る
  • エネルギー:10.3%へ上昇
  • サービス:3.3%へ上昇

原油などエネルギー価格の上昇を中心に、物価上昇圧力が再び強まっています。

米・FRB議事録

  • インフレ:高止まりを警戒し、追加利上げの可能性を議論。
  • 金融環境:すでに景気を抑えているとの見方も。
  • 今後:会合後に雇用・インフレが鈍化。

総括:議事録はタカ派的ですが、最新データでは利上げの必要性が弱まる可能性あり。

米・新規失業保険申請件数

20.6万人に減少し、予想21万人を下回るポジティブサプライズ。

  • 継続申請:179.9万人へ増加し、失業の長期化には注意。
  • 雇用市場:雇用統計の弱さがある一方、労働市場は依然底堅い。
  • FRB視点:一部FOMCメンバーの「完全雇用に近い」との見方を裏付け。

総括:米雇用は全体として強く、景気悪化の兆候はまだ限定的。利下げを急ぐ必要性は低い材料。

決算

今週は12社チェックしました。

・決算クリア後上昇 & EPSと売上高が加速
EL,SQM,DE

・10%以上値上がりした銘柄
EL

・10%以上値下がりした銘柄
なし

2026/8/18(火) 決算発表 ~HD,TOL~

2026/8/19(水) 決算発表 ~ADI,TGT,VIKなど~

2026/8/20(木) 決算発表 ~WMT,BABA,DE~

8/24週の注目内容

関心のある経済指標&イベント

来週は以下の経済指標&イベントに注目です。

  • 8/25(火) 米・住宅建築許可件数(確報)
  • 8/25(火) 米・S&Pケースシラー住宅価格指数(20都市)
  • 8/25(火) 米・コンファレンスボード消費者信頼感指数
  • 8/26(水) 米・実質GDP
  • 8/26(水) 米・PCEデフレータ
  • 8/27(木) 米・新規失業保険申請件数
  • 8/28(木) 米・ミシガン大学消費者信頼感指数(確報)

その他には「ジャクソンホール」と「非農業部門雇用者数の年次改訂発表」にも注目します。

関心のある決算

来週は25社チェック予定です。

  • 8/24(月)プレ ハイコ(HEI)
  • 8/24(月)プレ シャオペン(XPEV)
  • 8/24(月)アフター グルーポ・フィナンシエロ・ガリシア(GGAL)
  • 8/25(火)アフター イントゥイット(INTU)
  • 8/25(火)アフター ズーム(ZM)
  • 8/25(火)アフター セムテック(SMTC)
  • 8/26(水)プレ ビクトリアシークレット(VSXY)
  • 8/26(水)プレ メイシーズ(M)
  • 8/26(水)プレ ダイコム・インダストリーズ(DY)
  • 8/26(水)アフター エヌビディア(NVDA)
  • 8/26(水)アフター クラウドストライク(CRWD)
  • 8/26(水)アフター セールスフォース(CRM)
  • 8/26(水)アフター シノプシス(SNPS)
  • 8/26(水)アフター ヴィーバシステムズ(VEEV)
  • 8/26(水)アフター HP(HPQ)
  • 8/26(水)アフター オクタ(OKTA)
  • 8/27(木)プレ バーリントンストアズ(BURL)
  • 8/27(木)プレ ギャップ(GAP)
  • 8/27(木)プレ ダラーツリー(DLTR)
  • 8/27(木)アフター マーヴェル(MRVL)
  • 8/27(木)アフター オートデスク(ADSK)
  • 8/27(木)アフター アファーム(AFRM)
  • 8/27(木)アフター アルタビューティ(ULTA)
  • 8/27(木)アフター センチネルワン(S)
  • 8/27(木)アフター ノルディックアメリカンタンカーズ(NAT)

来週は、①ジャクソンホール、②NVIDIA決算、③米PCE、④米雇用統計の年次改訂が重要です。

特に市場への影響が大きいのは、「FRBの姿勢 → 米長期金利」と「NVIDIA決算 → AI投資の持続性」です。FRBがインフレ警戒姿勢を強めれば長期金利がさらに上昇し、AI・半導体株には逆風となる可能性があります。

反対に金利が落ち着き、NVIDIAが強い業績・見通しを示せば、AI関連株を中心に再びリスクオンへ向かう可能性があります。

以上から「NVIDIAの成長率」と「米10年債利回り」が同時にどう動くかが、世界株の方向性を判断するうえで特に重要なポイントとなりそうです。

それでは、また👋

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