こんにちは、Saabです。今週の振り返りと来週のトピックです。
↓主な内容は以下参照。
- 今週は、「原油安→インフレ懸念低下→金利上昇観測後退→AI・ハイテク株上昇」という非常に強い展開
- 先週とは異なり、エネルギーはマイナスだった一方で、素材&テクノロジーが強いパフォーマンを示しました
- 半導体を多く含む韓国や台湾が反発を見せるもSTXやSNDKなどの一部のメモリー株は反発の勢いにのれていない状況
- 主要株価指数は全てプラスで、S&P500とダウは過去史上最高値を記録
- 金利は、原油安と弱い雇用統計でFRB利上げ観測が後退し4.7%から4.6%へ低下
- ドル指数は、円買い介入、原油安、米雇用統計の悪化でジワジワとドル安が進行
- 経済指標では、”非農業部門雇用者数のネガティブサプライズ” や 労働参加率低下が寄与していると思われる “失業率の低下” が気になるところ
- 決算ではPLTRの良い結果が印象的でした
- ディストリビューションディは市場が調整局面入りした後のためリセットされています
- センチメントは強気に傾きつつある印象
- S&P500のバリュエーションは高水準を維持
- 来週の決算は、22社チェック予定
- 来週は、①ホルムズ海峡、②米国CPI・PPI、③FRBの金利、④AI企業の決算 の4つが最大のポイントとなりそうです
それでは順に詳細をみていきます。
8/3週 米国市場の振り返り
総括
今週のウォール街は、「原油安→インフレ懸念低下→金利上昇観測後退→AI・ハイテク株上昇」という流れを中心に、非常に強い展開となりました。特にS&P500は金曜日に最高値を更新し、AI関連株への投資意欲の強さが確認されました。
個別では、Palantir、SpaceX、Amazon、Meta、Microsoft、Alphabet、半導体株が相場をけん引しました。特にPalantirは好決算で急騰し、AI需要の強さを象徴する存在となりました。一方、SanDisk、Western Digital、AMDは決算やガイダンスへの失望から大きく売られました。
最大のポイントは、AI投資の強さと金融政策の方向性です。雇用市場が弱まれば利上げ観測が後退し、株式市場には追い風となります。ただし、原油価格が再上昇すればインフレ懸念が復活するため、来週以降も原油価格・米国金利・雇用・AI企業の決算が相場の方向を左右する重要な材料となりそうです。
【S&P500の週間ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの週間パフォーマンス (出典:finviz)】

8/3~8/7の動向
8/3(月)「中東緊張の緩和」で大幅上昇
米国株は国債利回りの低下と原油安を追い風に大幅上昇しました。S&P500は1.5%、ナスダック100は1.8%上昇し、ダウは693ドル高で過去最高値を更新しました。ホルムズ海峡の輸送回復に向けた交渉進展でインフレ懸念が和らぎ、AI・大型テック株が買われました。Amazonは4.6%上昇して時価総額3兆ドルを突破し、Alphabet、Microsoft、Metaも約5~6%上昇しました。NVIDIAやSanDiskも堅調でした。
【S&P500の1Day(月)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(月)パフォーマンス (出典:finviz)】

8/4(火)「好決算+AI」で最高値更新
好調な企業決算と原油安を背景に上昇が加速し、S&P500は1.8%、ナスダック100は3.3%、ダウは907ドル上昇して最高値を更新しました。Palantirは好決算を受けて29%急騰し、半導体株もIntelが10.8%、Marvellが13%、Micronが7.6%、Broadcomが6.6%上昇しました。Caterpillarも5.5%上昇しました。SpaceXは予想を上回る決算でしたが、設備投資の急増が嫌気され、時間外では下落しました。
【S&P500の1Day(火)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(火)パフォーマンス (出典:finviz)】

8/5(水)「高値圏」で一服
S&P500は0.2%下落しましたが、ダウは263ドル上昇して最高値を更新しました。ホルムズ海峡の航路再開への期待から原油価格が低下し、インフレ懸念が後退しました。Arista Networksは3.6%、Eli Lillyは好決算と通期見通し引き上げを受け4.9%上昇しました。一方、ナスダックは0.8%下落し、SpaceXは13.6%、AMDは7%下落しました。
【S&P500の1Day(水)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(水)パフォーマンス (出典:finviz)】

8/6(木)「原油反発+利上げ懸念」で下落
原油価格と国債利回りの上昇を受け、FRBの利上げ観測が再燃し、S&P500は0.2%、ナスダック100は0.4%、ダウは464ドル下落しました。JPMorganは0.8%、Morgan Stanleyは2.1%下落しました。Alphabetも1.3%下落したほか、Western Digitalは弱いガイダンスで13%、SanDiskは6.8%下落しました。一方、SpaceXはロックアップ解除に伴う大量の株式売却をこなしながら6.1%上昇しました。
【S&P500の1Day(木)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(木)パフォーマンス (出典:finviz)】

8/7(金)「弱い雇用統計」で再上昇
予想を下回る雇用データにより、来月のFRB利上げ観測が後退し、米国株は反発しました。S&P500は0.6%上昇して7,758の最高値を更新し、ナスダックは1.3%、ダウは152ドル上昇しました。雇用者数が予想外に減少し、賃金・インフレ圧力への懸念が和らいだことが材料となりました。SpaceXは15.8%、Palantirは10.3%急騰しました。一方、SanDiskとWestern Digitalは続落しました。
【S&P500の1Day(金)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(金)パフォーマンス (出典:finviz)】

【S&P500の日足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑前半で急激な上昇をみせたことで、2か月間形成していたレンジを突破しました。価格は過去史上最高値圏に到達しており、全ての移動平均線を上回って推移しています。
【NASDAQの日足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑S&P500と同様に急激な上昇に転じていますが、2か月間形成しているレンジ内にとどまっている状況です。価格は現在すべての移動平均線を上回ったところを推移しています。
【NASDAQ100の日足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑NASDAQ100もNASDAQと同様に、2か月間形成しているレンジ内(Flat Base)にとどまっている状況です。価格は現在すべての移動平均線を上回ったところを推移しています。
【ダウの日足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑ダウは過去史上最高値圏にあり、すべての移動平均線を上回っている状況です。
【ラッセル2000の日足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑ラッセル2000も過去史上最高値圏にあり、すべての移動平均線を上回っている状況です。価格上昇の勢いはややダウに劣っています。
【RSPの日足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑ダウと同じように過去史上最高値圏にあり、すべての移動平均線を上回っている状況です。価格上昇の勢いはダウに近い印象です。
【10年債利回りの日足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑原油安と弱い雇用統計でFRB利上げ観測が後退し4.7%から4.6%へ低下。今後はインフレ指標やFRB発言、中東情勢が金利動向を左右します。
【ドル指数の日足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑円買い介入、原油安、米雇用統計の悪化でドル安が進行。FRB利上げ観測は後退し、今後は米経済指標や物価、日本の介入、中東情勢がドル相場を左右する展開です。
※主要なマーケットの詳細は以下参照
リンク
ディストリビューションディ
8/3週は調整局面入りしたことで、S&P500、NASDAQともにカウント数は0回になりました。
週間カウント数の推移
・8/3 S&P500:0回、NASDAQ:0回
・8/4 S&P500:0回、NASDAQ:0回
・8/5 S&P500:0回、NASDAQ:0回
・8/6 S&P500:0回、NASDAQ:0回
・8/7 S&P500:0回、NASDAQ:0回
【ディストリビューションディ(出典:IBD)】

米国のセクターETF 年初来パフォーマンス BEST5
今週はテクノロジーや半導体が反発をみせています。

コモディティ&暗号通貨ETF 年初来パフォーマンス BEST5
今週は先週とは異なり原油が大きく下落しました。個人的にはウランの大幅上昇が気になるところ。

カントリーETF 年初来パフォーマンス BEST10
今週は半導体などの反発に応じて、韓国や台湾も上昇に転じています。南米ではペルー、欧州では中欧のオーストリアやポーランドが好パフォーマンスを記録。

※各セクター&カントリーETFの詳細は以下参照
リンク
S&P500のバリュエーション
2026年8月7日に発行されたファクトセットのレポートによると、S&P500の12カ月先PERは20.0で、5年平均19.9倍とほぼ同じで、10年平均の19.0倍を上回っています。
また、実績PERは現在28.2倍となっており、5年平均の24.4倍と10年平均の23.5倍を上回っています。
センチメント
センチメントは再び強気に傾いてきた印象です。
以下、センチメントに関わる数値の結果です。
- 「VIX」は、変動が大きかったものの先週末の18.58から14.9に低下。
- 「Put Call Ratio※」は、先週末の0.87から0.77に低下。
- 「ブルベア指数※」は、ブル53.7vs ベア14.8となりGapは先週比で拡大。
- S&P500は、2か月間のレンジ突破&全ての移動平均線を上回っています。
※ INVESTOR’S BUSINESS DAILYの値引用
【VIXの日足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑今週は下落基調となりました。
【Put Call Ratio(出典:IBD)】

↑先週から低下。週末には0.77となっています。
【ブルベア指数(出典:IBD)】

↑ブル上昇、ベア下落の動きが展開されてGapが拡大しました。
【S&P500の日足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑前半で急激な上昇をみせたことで、2か月間形成していたレンジを突破しました。価格は過去史上最高値圏に到達しており、全ての移動平均線を上回って推移しています。
経済指標&イベント
以下、今週確認してきた内容の結果です。
“非農業部門雇用者数のネガティブサプライズ” や 労働参加率低下が寄与していると思われる “失業率の低下” が気になるところです。
ポジティブサプライズ
・米・ISM製造業景況指数
・米・失業率
・米・平均時給
ネガティブサプライズ
・米・ADP雇用者数
・米・ISM非製造業景況指数
・米・非農業部門雇用者数
ノンサプライズ
なし
米・ISM製造業景況指数
予想53.9を上回る55.6へ上昇し、2022年5月以来の強い拡大しました。

- けん引役:生産・新規受注が増加、雇用も拡大に転換。
- 背景:AI投資や前倒し発注が好影響。コスト圧力は緩和。
米・ADP雇用者数
予想6.5万人増に対し、4.4万人増で、6カ月ぶりの低水準となりました。

業種別の動き
- 増加:教育・健康サービス(3.6万人)、金融(1万人)など。
- 減少:レジャー・接客(1.1万人)、貿易・輸送など。
賃金動向
- 在職者の賃金上昇率は4.4%で安定。
- 転職者の賃金は7%上昇し、人材不足が続く分野も存在。
総括
米雇用市場は全体的に減速していますが、賃金上昇は続いており、景気は弱まりながらも底堅さを維持しています。
米・ISM非製造業景況指数
予想54.5を下回る54.1(6月54.0)で、ネガティブサプライズ。

好調な分野
- 事業活動(59.1)、新規受注(57.2)は改善。
- 需要は引き続き堅調。
注意点
- 雇用指数は47.4に低下し、再び縮小。
- 価格指数は70.3へ上昇し、インフレ圧力が強まる。
総括
米サービス業は成長を続けていますが、雇用悪化と価格上昇が懸念材料です。景気は底堅い一方、インフレ再加速への警戒が必要な状況です。
米・新規失業保険申請件数
市場予想(20.2万人)より少ない19.9万人となり、ポジティブサプライズとなりました。

労働市場
- 継続申請は180.1万人で、今年平均より低い水準。
- 米国の雇用は依然として強く、FOMCが示す「ほぼ完全雇用」と一致。
注目点
- 連邦政府職員の失業申請は450件へ増加。
- 行政の人員削減の影響が少し表れている。
総括
米国の雇用市場はまだ非常に安定しており、景気を支える力が続いています。利下げ判断では、強い雇用がインフレ抑制とのバランスを見る材料となりそうです。
米・非農業部門雇用者数
7月の米国非農業部門雇用者数は2.3万人減となり、市場予想の8万人増に反して減少しました。

【過去データ修正】
5月・6月の雇用者数は合計10.3万人分下方修正され、雇用環境の弱さが明らかになりました。
【業種別動向】
地方教育、小売、金融で雇用が減少した一方、医療分野では2.2万人の雇用増となりました。
米・失業率
7月の米国失業率は4.1%と前月の4.2%から低下し、市場予想も下回りました。

【労働市場】
失業者は17.8万人減少しましたが、就業者は8.7万人、労働力人口は26.4万人減少しました。
【参加率】
労働参加率は61.4%、雇用率は58.9%へ低下し、ともに2021年以来の低水準となりました。
【総括】
失業率は改善したものの、労働市場から離れる人の増加による面が大きく、実態は弱含みでした。
米・平均時給
7月の平均時給は前月比0.1%増の37.62ドルとなり、市場予想の0.3%増を下回りました。

【前年比】
前年同月比では3.2%増と、6月の3.4%増および市場予想の3.4%増を下回りました。
【総括】
賃金の伸びは前月比・前年比ともに鈍化し、労働市場の需給緩和やインフレ圧力の弱まりを示す内容となりました。
決算
今週は49社チェックしました。
PLTRの今後の展開が気になるところです。
・決算クリア後上昇 & EPSと売上高が加速
➡PLTR,ON,CAT,ANET,TTMI,MTSI
・10%以上値上がりした銘柄
➡PLTR,SHOP,MTSI,ABNB,TWLO,TEAM,DOCS,NTRA
・10%以上値下がりした銘柄
➡STRL,ICHR,SPCX,ALAB,WDC,APP,AXON,SNEX,DDOG,SEZL,TTD
2026/8/3(月) 決算発表 ~MAR,PLTR,STRLなど~
2026/8/4(火) 決算発表 ~SPCX,CAT,AMDなど~
2026/8/5(水) 決算発表 ~LLY,DIS,SNDKなど~
2026/8/6(木) 決算発表 ~DDOG,TWLO,ROKUなど~
8/10週の注目内容
関心のある経済指標&イベント
来週は以下の経済指標&イベントに注目です、特にCPI。
- 8/12(水) 独・CPI
- 8/12(水) 米・CPI
- 8/13(木) 米・PPI
- 8/13(木) 米・新規失業保険申請件数
- 8/7(金) 米・小売売上高
- 8/7(金) 米・ミシガン大学消費者信頼感指数
関心のある決算
来週は22社チェック予定です。
- 8/10(月)プレ バークシャーハサウェイ(BRK.B)
- 8/10(月)プレ バリック(B)
- 8/10(月)プレ マンデードットコム(MNDY)
- 8/10(月)アフター ロケットラボ(RKLB)
- 8/10(月)アフター シーベスト(CIB)
- 8/11(火)プレ シー(SE)
- 8/11(火)プレ オン・ホールディングス(ONON)
- 8/11(火)プレ リチウムアルゼンチナ(LAR)
- 8/11(火)プレ カーディナルヘルス(CAH)
- 8/11(火)アフター スーパーマイクロコンピュータ(SMCI)
- 8/11(火)アフター コアウィーブ(CRWV)
- 8/11(火)アフター ルメンタム(LITE)
- 8/11(火)アフター YPF(YPF)
- 8/11(火)アフター クォンティ二ウム(QNT)
- 8/12(水)プレ ネビウス(NBIS)
- 8/12(水)プレ ブリンカーインターナショナル(EAT)
- 8/12(水)アフター シスコ(CSCO)
- 8/12(水)アフター コヒレント(COHR)
- 8/12(水)アフター セレブラス(CBRS)
- 8/13(木)プレ タペストリー(TPR)
- 8/13(木)アフター アプライドマテリアルズ(AMAT)
- 8/13(木)アフター ヌー・ホールディングス(NU)
- 8/13(木)アフター クレディコープ(BAP)
来週は、①ホルムズ海峡、②米国CPI・PPI、③FRBの金利、④AI企業の決算の4つが最大のポイントになりそうです。
特に、「原油価格の下落+米国の物価沈静化」という展開になれば、FRBの利上げ観測が弱まり、米国株にはかなり良い環境になると考えられます。
一方、原油価格が再び上昇したり、CPIが予想以上に高くなったりすると、金利上昇への警戒が強まり、株価の重しになると思われます。
それでは、また👋

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