総括
世界の株式市場は総じて「原油高・地政学リスク・金融政策不透明感」に強く左右され、不安定な展開となりました。
香港や欧州、カナダ、豪州などはインフレ懸念と金利圧力で上値が重く、選別色が強まりました。
一方、中国や韓国は成長分野(AI・テック)が支えとなり相対的に堅調。
日本は最高値更新後に外部要因で調整し高値圏での持ち合いに移行しました。
米国はAIと好決算を背景に最高値更新を継続し、他市場より強さが際立ちました。
全体として、外部環境に敏感な構造の中で、AIなど成長テーマと企業業績が相場の方向性を左右する局面となりました。
欧州(STOXX50,STOXX600)
週前半はエネルギー価格高騰と中東リスクを起点に「インフレ再燃→金利上昇→企業収益圧迫」という悪循環が意識され、欧州株は連続下落しました。
特にスタグフレーション懸念とAI投資過熱への疑念が重なり、幅広いセクターで売りが優勢でした。
週後半は中央銀行の金利据え置きと原油安が支えとなり反発(ロールス・ロイス、スタンダードチャータード、ユニリーバ、グレンコア、アルセロールミッタル、フォルクスワーゲン)。
ただし、インフレ高止まりと成長鈍化という構造的リスクは解消されておらず、今後も「金利・エネルギー・地政学」が相場の主要ドライバーとなる展開が続くと考えられます。
【STOXX50の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.03%。年初来+1.65%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【STOXX600の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.15%。年初来+3.25%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ドイツ(DAX指数)
今週は、地政学リスク・金融政策・企業決算という複数要因が重なり、前半は連続下落でリスク回避色が強まりました。
特に中東情勢と原油価格の動向がセンチメントを左右し、加えてAI成長懸念や企業業績のばらつきが不安定さを増幅させました。
一方で、月末には好決算や中央銀行の据え置き姿勢が支えとなり反発しましたが、全体としては「不透明要因に揺さぶられる中での選別相場」が鮮明であり、方向感よりも個別材料への反応が支配的な週でした。
【DAX指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.68%。年初来-0.85%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
フランス(CAC40指数)
今週は、地政学リスクと金融政策への不透明感に強く影響され、前半は下落基調が続きました。
特に原油価格上昇を背景としたインフレ懸念と、それに伴う金融引き締め観測が市場の重しとなり、ラグジュアリー株(LVMH、ロレアル、エルメス、ケリング)を中心に売りが広がりました。
一方、週後半はECBの金利据え置きが安心材料となり反発しましたが、経済成長の鈍化とインフレの同時進行という難しい環境は変化なしです。
全体として「インフレと政策の不確実性に揺れる中で、セクターごとの選別が進む相場」でした。
【CAC40指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.53%。年初来-0.15%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イタリア(Milano Italia Borsa指数)
今週は、金融政策と地政学リスクという二大要因に大きく左右されました。
前半は中東情勢と中央銀行会合を前に様子見姿勢が強まり、セクターごとの動きが分かれる不安定な展開となりました。
特に原油価格の上昇はエネルギー株を支える一方、インフレ懸念を通じて全体の重しとなりました。
後半はECBの据え置き決定が安心材料となり反発しましたが、依然として方向感は乏しく、企業決算や外部環境に敏感に反応する「選別色の強い相場」が続きました。
【Milano Italia Borsa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.24%。年初来+7.21%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イギリス(UK100指数)
今週のFTSE 100は、前半は中東情勢の緊迫化と原油高を背景にリスク回避が優勢となり下落基調が続きました。
特に医薬品や消費関連など主力銘柄の弱さ(アストラゼネカ、ロイズ・バンキング、ハレオン)が指数を押し下げました。
一方で後半は好決算と中銀の金利据え置きが支えとなり反発したものの、原油動向や地政学リスクへの警戒は根強く、上値は限定的でした。
全体としては「エネルギー価格・地政学・金融政策」に強く左右される不安定な相場であり、個別企業の決算による選別色が一段と強まった週となりました。
【UK100指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.15%。年初来+4.36%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
インド(BSEセンセックス指数)
今週は上昇と下落を繰り返す不安定な展開となりました。
企業決算は相場の下支え要因となりましたが、原油価格の上昇、中東の地政学リスク、外国資本の流出、さらにFRBのタカ派姿勢が一貫して重荷となりました。
特に金融規制の変更は銀行株に構造的な圧力を与えています(Axisバンク、SBIN、ICICIバンク、HDFCバンクなど)。
総じて、内部要因よりも外部環境に左右されやすい相場であり、投資家は引き続き慎重姿勢を維持しています。
【BSEセンセックスの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.33%。年初来-9.78%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
中国(上海総合指数,深セン総合指数)
中国株は週を通じて「堅調な経済指標」と「地政学・規制リスク」の綱引きとなりました。
短期的には不透明要因で上下する場面があったものの、工業利益やPMIなどの実体経済の強さが下支えし、特にテクノロジーやEVなど成長分野(コンテンポラリー・アンペレックス・テクノロジー、nauraテクノロジー)が相場を牽引しました。
結果として月間では大きく上昇し、内外リスクを吸収しながら回復基調を維持する強さが確認された展開となりました。
【上海総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.79%。年初来+3.14%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【深セン総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.12%。年初来+4.53%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
日本(日経平均、TOPIX)
日本株は週初に史上最高値を更新する強い上昇を見せたものの、その後は「金融政策の変化」「原油高」「地政学リスク」「為替変動」といった複数の外部要因に押されて調整局面へと移行しました。
特に日銀のタカ派的姿勢や円高は市場の重しとなりました。
一方で、半導体を中心とした成長分野の強さは依然として健在であり(ソフトバンク、東京エレクトロン、キーエンス、キオクシア、アドバンテスト、フジクラ、ディスコ、レーザーテック)、押し目では買いが入る構造も確認されました。
全体としては、高値圏での不安定な持ち合いに移行した週といえます。
【日経平均の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.34%。年初来+16.67%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【TOPIXの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.33%。年初来+8.12%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
韓国(KOSPI総合指数)
韓国株は週前半にかけて「AI・半導体主導の強い上昇トレンド(SKハイニックス、サムスン電子)」を鮮明にし、記録的高値を更新しました。
国内経済の底堅さと企業業績期待が相場の主軸となり、外部リスクを吸収する力強さを示しました。
一方、週後半は原油高と地政学リスクが重しとなり調整に転じたものの、AI需要という構造的成長テーマが下支えし、月間では大幅上昇を維持しました。
全体として「強気基調の中で外部要因に揺れるが、基盤は堅い相場」と評価できる展開でした。
【KOSPI総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.90%。年初来+56.20%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
香港(香港ハンセン指数)
週を通じて香港株は「原油高×地政学リスク×金融政策不透明感」に強く左右され、不安定な展開となりました。
押し目買いによる一時的な反発はあったものの、インフレ懸念とエネルギー供給不安がリスク選好を抑制し、上値は重い状況が継続。
特にテクノロジー株はAI期待の揺らぎも加わり(テンセント、シャオミ、SMIC)、外部要因に敏感な相場構造が鮮明となりました。
【香港ハンセン指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.78%。年初来+0.23%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
オーストラリア(ASX200指数)
オーストラリア株は週を通じて「インフレ高止まりと金融引き締め懸念」に強く押され、長期の下落トレンドが続きました。
中東情勢や原油高といった外部要因も重なり、リスク回避姿勢が優勢でした。
週末にかけて反発は見られたものの、これは主に短期的な買い戻しであり、基調としては依然不安定な状況となっています。
今後はインフレと金利動向が最大の焦点です。
【ASX200指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.65%。年初来+0.18%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ニュージーランド(NZX50指数)
ニュージーランド株は週前半に地政学リスクと原油高で下落したものの、後半は外部環境の改善を背景に持ち直しました。
特に米株高や中国経済の底堅さが支援材料として機能したことで、グローバル要因に大きく左右される構造が鮮明でした。
一方で、国内の消費や企業マインドの弱さといった内需の課題が重しとなり、上昇基調の持続性には不透明感が残る展開となりました。
【NZX50指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.28%。年初来-3.76%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
カナダ(TSX総合指数)
今週のTSXは、中東情勢による原油価格の変動に大きく左右されました。
前半はエネルギー供給不安とインフレ懸念から下落基調となり、金融・鉱業・テックと幅広いセクター(BMO、カナダロイヤル銀行、アグニコ・イーグル、ショッピファイ)が弱含みました。
一方、後半は原油価格の調整と経済指標の改善により一時反発しましたが、決算のばらつきや景気減速懸念が重しとなり再び下落。
全体としては「エネルギー価格・地政学・金融政策」に加え、個別企業の業績が相場を左右する、ボラティリティの高い展開でした。
【TSX総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.04%。年初来+6.52%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ブラジル(Bovespa指数)
今週のIbovespaは、インフレ上昇とエネルギー価格の高騰、そして金融政策への不透明感に強く左右されました。
週前半は中央銀行の決定を前にリスク回避が優勢となり、特に銀行株(イタウ、ブラデスコ、サンタンデール)と決算失望銘柄(VALE、WEG)が指数を押し下げました。
一方で週後半は利下げ決定をきっかけに反発しましたが、インフレと原油価格の影響が残る中で持続的な上昇には不安が残ります。
全体としては「金融緩和期待とインフレ懸念が綱引きする不安定な相場」であり、政策と資源価格に対する感応度の高い展開が続きました。
【Bovespa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.80%。年初来+16.26%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
アメリカ(S&P500,NASDAQ,ダウ)
今週の米国株は「AIテーマ」と「企業決算」が主導し、S&P500とナスダックは繰り返し最高値を更新しました。
前半はAI投資過熱への懸念で一時調整しましたが、後半は主要テック企業の好決算(Microsoft、Alphabet、Amazon、Apple)が不安を払拭し、再び上昇基調に回帰しました。
FRBのタカ派姿勢や中東情勢による原油高といったリスク要因は残るものの、企業収益の強さがそれを上回っている構図です。
ただし、AI投資の持続性に対する評価は分かれており、今後も「成長期待とコスト負担のバランス」が相場の焦点となります。
【S&P500指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.91%。年初来+5.12%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【NASDAQの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.12%。年初来+6.95%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【ダウの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.55%。年初来+2.90%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)


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