総括
今週の世界株式市場は、中東情勢に伴う原油高とインフレ懸念が共通の下押し要因となり、欧州や豪州などでリスクオフが優勢となりました。
一方で米国・日本・韓国・香港ではAI・半導体関連が相場を牽引し、上昇または下支え要因として機能しました。
中国は政策支援で底堅さを維持しつつ外部リスクで調整、インドやニュージーランドはインフレと資金流出で弱含みました。
資源国(カナダ・ブラジル)はエネルギー株と金利懸念の綱引きで方向感に欠けました。
総じて「地政学リスクとインフレ圧力」対「テクノロジー主導の成長期待」という構図が市場全体を支配しました。
欧州(STOXX50,STOXX600)
週を通じて欧州株式市場は、米国とイランの対立激化とそれに伴うエネルギー価格上昇に強く左右され、5日続落という明確な弱気トレンドとなりました。
原油・ガス価格の上昇はインフレと企業コスト増への懸念を高め、産業・金融・消費といった幅広いセクターに売り圧力(サフラン、シーメンス、シュナイダー、BBVA、サンタンデール、bnpパリバ、ユニクレジット、SAP、ドイツテレコム、ラインメタル)をもたらしました。
一方で、エネルギー株や一部テクノロジー株(ロレアル、インフィニオン、シーメンスエナジー)は相対的に堅調で、個別決算による選別が進行。
全体としては、地政学リスクとマクロ不安が市場を支配する典型的なリスクオフ相場となりました。
【STOXX50の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.88%。年初来+1.69%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【STOXX600の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.54%。年初来+3.10%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ドイツ(DAX指数)
週を通じてDAXは、米国とイランの対立による地政学リスクと原油価格上昇の影響を強く受け、5日続落という明確な下落トレンドとなりました。
エネルギー価格の上昇はインフレとコスト増への懸念を高め、航空・自動車・テクノロジーなど景気敏感セクター(mtuエアロエンジン、SAP、フォルクスワーゲン、シーメンスヘルスケア、インフィニオン)に広く売り圧力をもたらしました。
一方で、エネルギーや一部テクノロジー株(シーメンス・エナジー、SAP、インフィニオン、RWE)は相対的に堅調で、個別材料による選別も進行。
全体として、マクロ不安と地政学リスクが支配する中でリスク回避姿勢が続く弱気相場となりました。
【DAX指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.32%。年初来-1.51%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
フランス(CAC40指数)
週を通じてCAC40は、米国とイランの対立激化とそれに伴う原油価格上昇に大きく左右されました。
エネルギー高は一部銘柄の支え(トタルエナジーズ)となりましたが、インフレ圧力と景気減速懸念を同時に高め、ラグジュアリーや金融、産業株(LVMH、エルメス、ケリング、bnpパリバ、クレディ・アグリコル、ソシエテ・ジェネラル)といった主力セクターに下押し圧力をかけました。
途中、好決算による反発局面はあったものの、地政学リスクが継続する中で相場は不安定に推移し、全体としてはリスクオフ基調が優勢な週となりました。
【CAC40指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-3.17%。年初来+0.38%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イタリア(Milano Italia Borsa指数)
週を通じてFTSE MIBは、米国とイランの対立激化という地政学リスクに強く左右されました。
原油価格の上昇はエネルギー株(エニ)の支えとなる一方、インフレと金利上昇への懸念を通じて金融株や消費関連株(ユニクレディト、bpm、メディオラヌム、レオナルド、フェラーリ、ステランティス)に大きな下押し圧力を与えました。
結果として、相場は断続的に反発する場面はあったものの、全体としてはリスク回避姿勢が優勢で、セクター間の明暗が鮮明な「不安定な下方向トレンド」が続いた週でした。
【Milano Italia Borsa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.48%。年初来+5.90%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イギリス(UK100指数)
週を通じてFTSE100は、米国とイランの対立激化とそれに伴うエネルギー価格上昇に強く影響され、5日続落という明確な下落トレンドとなりました。
原油高はエネルギー株(BP、シェル)の支えとなる一方で、インフレ加速とコスト増を通じて企業収益や景気への懸念を高め、銀行・製造・消費関連など広範なセクター(ロールス・ロイス、アンタファガスタ、フレスニロとエンデバー、イージージェット、iag、hsbc、ロイズ、バークレイズ、ナットウエスト、baeシステムズ、バブコック)に下押し圧力を与えました。
結果として、防御的銘柄への資金シフトが進む典型的なリスクオフ相場となり、市場全体は不安定かつ弱気基調で推移した週でした。
【UK100指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.70%。年初来+4.51%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
インド(BSEセンセックス指数)
今週のインド株は前半の上昇から後半にかけて明確な調整局面へ移行しました。
前半は企業業績と地政学リスク緩和期待が支えとなりましたが、後半は中東情勢の悪化による原油高、外国資金流出、ITセクターの失速()が重なり下落基調が強まりました。
特にIT株の影響力が大きく(インフォシス、hclテクノロジーズ、テック・マヒンドラ)、指数全体を押し下げた点が特徴的であり、「外部環境とセクター偏重による脆弱性」が浮き彫りとなった一週間でした。
【BSEセンセックスの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.33%。年初来-10.08%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
中国(上海総合指数,深セン総合指数)
今週の中国株は前半の堅調な上昇と後半の調整という流れとなりました。
金融緩和スタンスと国内経済の安定が相場の基盤となり、特にテクノロジー分野(ハイゴン情報技術、中技インノライト、エオプトリンクテクノロジー、ナウラテクノロジー)が牽引しました。
一方で、中東情勢によるエネルギー・インフレリスクや米中摩擦が後半の下落要因となりました。
結果として、「内需・政策の安定」と「外部リスク」の綱引きの中で、相対的な強さを維持しつつも不透明感が残る展開となりました。
【上海総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.70%。年初来+2.33%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【深セン総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.37%。年初来+9.58%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
日本(日経平均、TOPIX)
今週の日本株は一貫して「AI・半導体主導の上昇(ソフトバンク、レーザーテック、ユニチカ、キオクシア、フジクラ、東京エレクトロン、アドバンテスト)」と「中東リスク」の綱引きでしたが、最終的には前者が優勢となりました。
地政学的緊張やエネルギー価格上昇はインフレ・景気リスクとして残るものの、市場はそれ以上に成長テーマ(AI)と金融緩和継続を評価しました。
結果として指数は最高値圏へ到達しつつも、TOPIXの弱さが示すように上昇は一部銘柄に集中しており、相場の裾野の広がりには課題が残る展開でした。
【日経平均の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+2.12%。年初来+17.07%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【TOPIXの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.18%。年初来+7.77%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
韓国(KOSPI総合指数)
今週の韓国株は「半導体・AI主導の強い上昇トレンド(サムスン電子、skハイニックス、lgエナジーソリューション、skスクエア、斗山エナビリティ、hdハイニックス)」が鮮明で、輸出急回復と外国人資金流入を背景に過去最高値を連続更新しました。
一方で、中東情勢に起因する原油高と地政学リスクが常に不安要因として存在し、週後半には上昇の勢いが鈍化しました。
結果として、成長期待が相場を押し上げる構図は維持されたものの、外部環境に左右されやすい脆さも同時に露呈し、「強い上昇トレンドの中の不安定さ」が特徴的な一週間でした。
【KOSPI総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+4.58%。年初来+53.29%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
香港(香港ハンセン指数)
今週の香港株は「地政学リスクとテクノロジー主導の回復」の綱引きが続きました。
前半は中東情勢の緊張緩和期待で上昇しましたが、後半は交渉停滞や原油高によるインフレ懸念で下落基調に転じました。
ただし最終的にはAI・半導体関連への期待が下支えとなり、週末にかけて持ち直しました。
全体として、外部環境に大きく左右されつつも、成長テーマであるテクノロジーが相場の支柱として機能した一週間でした。
【香港ハンセン指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.70%。年初来+1.01%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
オーストラリア(ASX200指数)
今週のオーストラリア株は前半の横ばいから後半にかけて明確な下落トレンドへ移行しました。
最大の要因は中東情勢によるエネルギー価格上昇と、それに伴うインフレ再加速および利上げ懸念の強まりでした。
特に金融引き締め観測が株式市場のバリュエーションを圧迫し、幅広いセクターで売りが優勢(ウッドサイドエナジー、ノーザンスターリソーシズ、CSL Ltd.、エボリューション・マイニング、カンタス航空、ライナス・レアアース、プロメディカス、SGH Ltd)となりました。
結果として、外部要因に左右されやすい資源国市場の特性が強く表れ、「インフレと金利上昇への警戒」が相場の主導要因となった一週間でした。
【ASX200指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.79%。年初来+0.83%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ニュージーランド(NZX50指数)
今週のニュージーランド株は前半の小幅上昇から後半にかけて下落へ転じました。
貿易改善や金融政策の安定期待が支えとなる一方、インフレの高止まりと景気減速懸念が重くのしかかりました。
特に中東情勢による原油高がインフレとコスト圧力を強め、格付け見通しの引き下げも投資家心理を悪化させました。
結果として、「外部要因によるインフレ圧力と国内成長不安」が同時に意識される不安定な相場環境が続いた一週間となりました。
【NZX50指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.24%。年初来-4.97%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
カナダ(TSX総合指数)
週を通じてTSXは、米国とイランの対立による原油価格上昇の影響を強く受けつつも、明確なトレンドは形成されず、横ばい圏での推移が続きました。
エネルギー株は一貫して支えとなりましたが(カナディアン・ナチュラル、サンコール、セノバス)、スタグフレーション懸念と金利上昇観測が銀行株や金鉱株の重しとなり(ロイヤルバンク・オブ・カナダ、BMO、アグニコ・イーグル、バリック・ゴールド、ウィートン・プレシャス・メタルズ、ショッピファイ、コンステレーション・ソフトウェア)、相場全体を抑制しました。
結果として、資源国市場らしくセクター間の綱引きが続く中、方向感に欠ける不安定な展開となった週でした。
【TSX総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.29%。年初来+6.56%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ブラジル(Bovespa指数)
週を通じて市場を支配したのは、米国&イランを巡る地政学リスクとそれに伴う原油価格の上昇でした。
原油高はエネルギー株には追い風となった一方(ペトロブラス)、スタグフレーション懸念を通じて金利上昇と信用縮小観測を招き、銀行株や広範な市場の重しとなりました(ブラデスコ、バンコ・ド・ブラジル、イタウ、バーレ)。
結果として、相場は「エネルギー高による一部上昇」と「マクロ悪化懸念による下押し」が同時に進行する構図となり、全体としてはリスクオフ基調が強まった週でした。
【Bovespa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.55%。年初来+18.38%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
アメリカ(S&P500,NASDAQ,ダウ)
週を通じて米国株は、米イラン情勢に大きく振られながらも最終的には上昇基調を維持しました。
地政学リスクによる原油高は一時的に市場の重しとなりましたが、停戦延長や交渉再開期待がリスクオンを促し、特にAI・半導体など成長株(ブロードコム、AMD、マイクロン、GEベルノバ、Nvidia、Amazon、Palantir)が相場を牽引しました。
結果として、短期的な不安定さはあったものの、強い企業業績とテーマ株主導により、ハイテク中心の上昇トレンドが再確認された週でした。
【S&P500指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.55%。年初来+4.17%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【NASDAQの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.50%。年初来+5.77%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【ダウの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.44%。年初来+2.34%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)


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