【米国市場:2026年8月31日週】今週の振り返り & 来週のトピック (市場動向、ADP雇用者数、雇用統計、AVGO/DELL/CIENなどの決算)

投資関連

こんにちは、Saabです。今週の振り返りと来週のトピックです。

   2026年8月24日週分はこちら

↓サマリーは以下参照。

8/31週の米国株は、ダウ−0.3%、S&P500+0.1%、ナスダック+0.4%とまちまちでした。週前半は米・イラン情勢悪化による原油高と金利上昇が重荷となりましたが、後半はFRBの慎重姿勢やAI期待を背景に持ち直しました。特にNvidia、マイクロン、AMD、インテル、マーベル、サンディスクなど半導体株が強さを見せました。

一方、8月雇用統計では非農業部門雇用者数が+16.2万人と予想を大幅に上回り、9月FOMCの利上げ確率は約6割へ上昇米10年債利回りも4.8%近辺まで上昇しました。ただし平均時給は前年比+3.1%へ鈍化しており、労働市場が全面的に過熱しているとは言い切れません。ISMでは景気の底堅さが確認された一方、エネルギー・物流・関税による物価上昇圧力が懸念されています。

市場内部では、S&P500・NASDAQ・ダウは主要移動平均線を上回る一方、小型株、中型株、S&P500均等加重指数は弱含みで、市場上昇が大型AI・半導体株に偏る傾向が見られます。原油は中東情勢を背景に週間約9%上昇。S&P500の予想PERは19.5倍、実績PERは26.5倍と割安感は乏しいものの、VIXなど投資家心理は依然強気圏です。

9/7週の最大の焦点は米CPI・PPI、ECB政策金利、中東情勢と原油価格です。 インフレが上振れれば、「利上げ観測→米金利上昇→ドル高→グロース株下落の流れ」に注意が必要です。

それでは順に詳細をみていきます。

8/31週 米国市場の振り返り

総括

金利に揺れつつAI・半導体が下支え

週間ではダウが0.3%安、S&P500が0.1%高、ナスダックが0.4%高となりました。

前半は原油高と金利上昇が重荷でしたが、後半はFRBの慎重姿勢やAI期待で持ち直しました。

個別ではNvidia、マイクロン、AMD、インテル、マーベル、サンディスクなど半導体株が週後半に強く、デル、オラクル、メタも上昇しました。

一方、テスラ、パランティア、パロアルト、アルファベット、マイクロソフトは金利や個別材料で不安定な値動きとなりました。

【S&P500の週間ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の週間ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの週間パフォーマンス (出典:finviz) 

【米国株の各セクターの週間パフォーマンス (出典:finviz)】

8/31~9/4の動向


8/31(月)原油高・利上げ懸念で下落

米国株は下落し、S&P500は0.3%安、ナスダックは0.1%安、ダウは374ドル安となりました。米国とイランの衝突再燃による原油高でインフレ懸念が強まり、国債利回りが上昇しました。アルファベット、マイクロソフト、アマゾンなど大型ハイテク株が下落しました。一方、NvidiaはMediaTekへの35億ドル出資を発表し1.4%上昇しました。

【S&P500の1Day(月)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(月)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(月)パフォーマンス (出典:finviz)】 

【米国株の各セクターの1Day(月)パフォーマンス (出典:finviz)】

9/1(火)金融環境の引き締まりで続落

S&P500は0.7%安、ナスダック100は1.3%安、ダウは419ドル安となりました。中東情勢によるエネルギー高とAI関連企業の大型債券発行で金利上昇圧力が強まりました。マイクロン、AMD、オラクル、パロアルト、デルが下落し、Nvidiaも1.5%安となりました。ブラックストーンやKKRなど金融関連株も軟調でした。

【S&P500の1Day(火)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(火)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(火)パフォーマンス (出典:finviz)】 

【米国株の各セクターの1Day(火)パフォーマンス (出典:finviz)】

9/2(水)大型ハイテク株主導で反発

S&P500は0.5%高、ナスダックは0.2%高、ダウは295ドル高となりました。金利上昇への警戒が一服し、アルファベット、メタ、オラクルなどが反発しました。NvidiaはAI企業Hugging Faceの買収観測で3.2%上昇し、デルは好決算とガイダンス引き上げを受け15.8%急騰しました。一方、パロアルトは9.3%下落しました。

【S&P500の1Day(水)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(水)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(水)パフォーマンス (出典:finviz)】 


9/3(木)金利低下でハイテク・金融株上昇

S&P500は1.1%高、ナスダックは1.2%高、ダウは624ドル高となりました。FRBウォーラー理事が追加利上げに慎重な姿勢を示したことで国債利回りが低下しました。マイクロソフト、メタ、オラクル、パランティアが上昇し、JPMorgan、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーも堅調でした。Nvidiaとインテルも上昇しましたが、ブロードコムは2.7%下落しました。

【S&P500の1Day(木)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(木)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(木)パフォーマンス (出典:finviz)】 


9/4(金)強い雇用統計で利上げ懸念再燃

S&P500は0.4%安、ダウは272ドル安となりましたが、ナスダックは0.2%上昇しました。米雇用者数が予想を大幅に上回り、FRBの利上げ観測が再び強まりました。マイクロソフト、テスラ、パランティアなどが下落しました。一方、半導体株は強く、マイクロンは6.1%、インテルは4.5%、マーベルは7%、AMDは4.7%上昇し、サンディスクは11.9%急騰しました。

【S&P500の1Day(金)ヒートMap(出典:finviz)

【S&P500の1Day(金)ヒートMap(出典:finviz)】

【米国株の各セクターの1Day(金)パフォーマンス (出典:finviz)】 

【米国株の各セクターの1Day(金)パフォーマンス (出典:finviz)】

【S&P500の日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【S&P500の日足チャート】 

↑今週は上下した結果、終値ではほぼ横ばいの結果となりました。先週に続き全ての移動平均線を上回ったところで推移しています。

【NASDAQの日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

↑S&P500と同じように、全ての移動平均線を上回っています。

【NASDAQ100の日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

↑S&P500やNASDAQと同様に、NASDAQ100も全ての移動平均線を上回ったところで推移中。

【ダウの日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

↑ダウも上記でふれてきた指数たちと同じく全ての移動平均線を上回っているものの週間ではマイナスを記録しています。

【ラッセル2000(小型株)の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

↑ここ数週間前は強かったものの、金利上昇の圧力を受けやすい小型株は横ばいの動きとなっており、金曜の終値では10日移動平均線/21日指数移動平均線/50日移動平均線を下回っています。

【RSP(SP500均等加重)の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

↑ここ2週間は、S&P500やNASDAQより相対的に弱い動きを見せており、価格は現在10日移動平均線と21日指数移動平均線を下回っています。

【MDY(中型株)の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

↑ラッセル2000と同じように、ここ数週間前は強かったものの、金利上昇の圧力を受けやすい中型株は週間でマイナスになっており、金曜の終値時点では50日移動平均線を下回っています。

原油先物の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

原油先物の日足チャート】

↑米・イラン衝突とホルムズ海峡の供給不安で週間約9%上昇。実際の供給減よりも地政学リスクが価格を押し上げており、今後は海峡の航行状況や中東情勢、OPECプラス政策が焦点となります。

【10年債利回りの日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

【10年債利回りの日足チャート】

↑今週は4.7%前後から4.8%近くへ上昇。原油高やタカ派姿勢、強い雇用統計が金利を押し上げました。今後はインフレ指標と9月FOMCが最大の焦点です。

【ドル指数の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

↑前半は原油高やFRBのタカ派姿勢でドル高 → 後半は円高などで急落 → 週末は強い雇用統計で反発しました。今後は米インフレ、FOMC、原油、日銀政策が焦点です。

※主要なマーケットの詳細は以下参照
 リンク

 

ディストリビューションディ

8/31週はS&P500のみカウント数が1回増加しました。

週間カウント数の推移
・8/31 S&P500:3回、NASDAQ:4回
・9/1 S&P500:3回、NASDAQ:4回
・9/2 S&P500:3回、NASDAQ:4回
・9/3 S&P500:3回、NASDAQ:4回
・9/4 S&P500:3回、NASDAQ:4回


ディストリビューションディ(出典:IBD)

米国のセクターETF 年初来パフォーマンス BEST5

今週の勝者はエネルギーと半導体、敗者は消費者裁量でした。

今週はテクノロジーや半導体が反発をみせています。

コモディティ&暗号通貨ETF 年初来パフォーマンス BEST5

今週の勝者はWIT原油、敗者は小麦でした。小麦は先週もの凄く力強い動きを見せた一方で今週は大きく下落しました。

コモディティ&暗号通貨ETF 年初来パフォーマンス BEST5

カントリーETF 年初来パフォーマンス BEST10

今週の勝者はブラジル、敗者はトルコでした。半導体の値動きがよかったことから韓国&台湾も週間で好パフォーマンスを記録しています。

カントリーETF 年初来パフォーマンス BEST10

※各セクター&カントリーETFの詳細は以下参照
 リンク

S&P500のバリュエーション

2026年9月4日に発行されたファクトセットのレポートによると、S&P500の12カ月先PERは19.5倍で、5年平均19.8倍とほぼ同じで、10年平均の19.0倍を上回っています。

また、実績PERは現在26.5倍となっており、5年平均の24.4倍10年平均の23.5倍を上回っています。

センチメント

センチメントは強気を維持しています。

  • 「VIX」は、先週末の14.42から今週14.52とほぼ横ばい。
  • 「Put Call Ratio」は、先週末の0.74から0.71にわずかに低下。
  • 「ブルベア指数」は、ブル&ベアいずれも上昇しましたが、ブルの上昇が大きかったため、Gapは先週から拡大しています。
  • S&P500は、横ばいの動きとなり、全ての移動平均線を上回っている状況。

※ INVESTOR’S BUSINESS DAILYの値引用

VIXの日足チャート】
 ※TradingView提供のチャー

【VIXの日足チャート】

↑今週は下落基調となりました。

Put Call Ratio(出典:IBD)】

↑先週と同水準。週末には0.71(来週頭に更新予定)となっています。

ブルベア指数(出典:IBD)

↑ブル&ベア上昇するも、ブルの上昇幅が大きいため先週比でGap拡大。

S&P500の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャー

【S&P500の日足チャート】 

↑今週は上下した結果、終値ではほぼ横ばいの結果となりました。先週に続き全ての移動平均線を上回ったところで推移しています。

経済指標&イベント

8月雇用統計は非農業部門雇用者数が+16.2万人と予想を大幅に上回り、9月FOMCの利上げ確率は約6割へ上昇しました。

ただし、雇用増は飲食・地方政府教育に集中し、賃金上昇率は前年比+3.1%へ鈍化しており、全面的な過熱とは言えません。

ISMでは需要が強い一方、エネルギー・物流・関税由来の価格圧力が目立ちます。米10年債利回りは4.8%近辺まで上昇し、成長株のバリュエーションには警戒が必要です。

9月FOMCは依然CPI次第で、9月11日の物価統計が最大の焦点です。

以下、今週確認してきた内容の詳細結果です。

ポジティブサプライズ
・独・CPI
・欧・HICP(ユーロ圏消費者物価指数) コア
・米・非農業部門雇用者数

ネガティブサプライズ
・米・ISM製造業景況指数
・米・新規失業保険申請件数

ノンサプライズ
・欧・HICP(ユーロ圏消費者物価指数) 総合
・米・失業率
・米・平均時給

独・CPI

8月は前年比2.9%へ上昇、予想3.0%は下回りました。

  • エネルギー:原油高で10.5%へ加速。
  • サービス・食品:サービス2.8%、食品0.1%へ鈍化。
  • コア:2.4%で横ばい。
  • EU基準:2.9%で、ECB目標2%を上回りました。

欧・HICP(ユーロ圏消費者物価指数)

総合は、予想どおりの8月3.3%へ加速(7月2.9%)、2023年9月以来の高水準を記録しました。コアは、予想2.5%を下回る2.4%へ低下、サービスも3.0%へ鈍化しました。

主因:エネルギーが14.3%へ急騰。
金融政策:ECBの25bp利上げ観測が強まり、市場は2.5%への引き上げを織り込み。

米・ISM製造業景況指数

8月54.6(7月55.6、予想55.2)へ低下。ただし8カ月連続で拡大。

米・ISM製造業景況指数

需要・生産:新規受注53.7へ急減、生産58.3で高水準維持。
雇用:51.2へ低下し、採用ペース鈍化。
懸念:価格71.1と高止まり。供給遅延、関税・中東情勢がコストを圧迫。

米・ADP雇用者数

8月の民間雇用は+3.8万人となり、予想+4.7万人を下回るネガティブサプライズとなりました。これは、1月以来の低水準です。

  • 業種:教育・医療、建設は増加。製造業・専門サービスは減少。
  • 企業規模:大企業+3.4万人、小企業+0.3万人。
  • 賃金:伸びは安定も、AI・インフレ・人口動態の影響で先行きは複雑化。

米・新規失業保険申請件数

2,000件増の20.6万件となり、予想20.5万件とほぼ一致。低水準を維持しています。

米・新規失業保険申請件数
  • 継続受給者:8,000人増の177.9万人。
  • 労働市場:雇用減少がみられる一方、失業保険データは底堅く、完全雇用に近い状況を示唆。
  • 連邦職員:新規申請は53件減の337件。

米・ISM非製造業景況指数

55.4へ上昇、予想54.3を上回り、6カ月ぶりの強さです。

米・ISM非製造業景況指数
  • 内訳:活動・新規受注・在庫が加速。
  • 雇用:47.8で縮小継続。
  • 物価:72.6へ上昇し、インフレ圧力強まる。

米・失業率

8月は市場予想と一致の4.1%で横ばい。失業者は703万人へ増加しました。

  • 雇用:総雇用者数は56.9万人増の1億6,275万人。
  • 参加率:労働力参加率は61.6%へ改善。
  • 広義失業率:U-6は7.9%→7.7%に低下し、労働市場はやや改善。

米・非農業部門雇用者数

雇用者数は、+16.2万人と5カ月ぶりの高水準。予想+5.6万人を大幅超過しました。

米・非農業部門雇用者数
  • 増加業種:飲食+5.9万人、教育+4.2万人、製造+1.6万人、医療+1.3万人。
  • 減少業種:情報−2.3万人。
  • 改定6・7月分は合計+5.5万人上方修正。

米・平均時給

前月比+0.3%の37.75ドルとなり、市場予想と一致しました。

米・平均時給
  • 生産・非管理職:+0.3%の32.53ドル。
  • 前年比:+3.1%へ鈍化し、2021年5月以来の低い伸び。
  • 評価:賃金上昇圧力は徐々に弱まる傾向。

決算

今週は18社チェックしました。

・決算クリア後上昇 & EPSと売上高が加速
SNOW,NTAP,AI

・10%以上値上がりした銘柄
DELL,SNOW

・10%以上値下がりした銘柄
CRDO,MDB,CIEN,VSXY,LULU,PATH

2026/9/1(火) 決算発表 ~DELL,CRDO,MDBなど~

2026/9/2(水) 決算発表 ~AVGO,SNOW,AGXなど~

2026/9/3(木) 決算発表 ~CIEN,VSKY,ZSなど~

S&P500の長期トレンドチェック

2022年10月12日の底値を起点とした上昇トレンド(黄色点線)は継続中。
金曜の終値は7718.6(底値3491.58 から +121.06%)です。

【S&P500指数の週チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【S&P500指数の週足チャート】 

(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)

9/7週の注目内容

関心のある経済指標&イベント

来週は以下の経済指標&イベントに注目です。

  • 9/7(月) 米・”レイバー・デー” で休場
  • 9/10(木) 独・CPI(確報)
  • 9/10(木) 欧・ECB政策金利
  • 9/10(木) 米・PPI
  • 9/10(木) 米・新規失業保険申請件数
  • 9/11(金) 米・CPI
  • 9/11(金) 米・ミシガン大学消費者信頼感指数(速報)

関心のある決算

来週は5社チェック予定です。

  • 9/9(水)アフター アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ(AEO)
  • 9/10(木)プレ メイシーズ(M)
  • 9/10(木)アフター オラクル(ORCL)
  • 9/10(木)アフター アドビ(ADBE)
  • 9/11(金)プレ クローガー(KR)

来週は、①米CPI・PPI、②ECB利上げ、③米・イラン情勢と原油、が市場の中心材料です。

特に米国では、強い雇用統計に続いてインフレも上振れれば、9月FOMCの利上げ観測が一段と強まり、米10年債利回り上昇・ドル高・グロース株への逆風につながる可能性があります。

それでは、また👋

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