【米国市場:2025年12月15日週】今週の振り返り & 来週のトピック (市場動向、ETF、雇用統計、消費者物価指数、マイクロン/ナイキ/KBホームなどの決算)

投資関連

こんにちは、Saabです。今週の振り返りと来週のトピックです。

   2025年12月8日週分はこちら

↓主な内容は以下参照。

  • 今週もビックテック依存の高い指数とそれ以外の指数で、週間パフォーマンスの明暗が分かれました(≒ビックテックかそれ以外かとも言える)
  • S&P500とNASDAQは小幅のプラスを記録、ダウ/ラッセル2000/RSPは週間でマイナスを記録
  • 前半はAI投資の収益性・評価への不安で調整していましたが、後半で発表されたCPIの鈍化やマイクロンの好決算がきっかけで回復
  • ディストリビューションデイはSP500で4回/NASDAQで6回
  • センチメントは指標など見る限りまだ強気を継続、ただしS&P500のバリュエーションは高い状況が続く
  • CPIは大きく鈍化、失業率は予想より高い4.6%
  • ECBは4会合連続で政策金利を2.15%に据え置き
  • マイクロンの好決算は他銘柄に良い影響を与えた
  • 来週の決算はチェック予定なし
  • 来週は、休日短縮週のため流動性が低下、GDPや新規失業保険申請件数などの指標が今後の経済の手掛かり

それでは順に詳細をみていきます。

12/15週の振り返り

総括

週前半は、AI投資の収益性・評価への不安からテクノロジー株を中心に調整が進みましたが、インフレ鈍化の確認を受けて後半は急反発しました。市場全体では利下げ期待が下支え要因となる一方、AI関連は引き続き銘柄選別が重要となります。今後は、雇用・インフレ指標と金融政策見通しが相場の方向性を左右する展開が続いていくと思われます。

12/15~12/19の動向

12/15(月)米国株は方向感を模索
テクノロジー株主導の下落が初期の上昇を打ち消し、市場は明確なマクロ指針待ちの状況で、S&P500とダウは小幅安、ナスダックは0.59%下落しました。ブロードコムはマージン圧力、オラクルは弱いガイダンスを受けて下落し、大規模AI投資の収益性や資金調達への懸念が再燃しました。ServiceNowは大型買収報道と格下げで急落し、高バリュエーション成長株への調整圧力が強まりました。AppleやAmazonなど他のメガキャップも軟調だった一方、NvidiaやTeslaは相対的に堅調でした。雇用統計やCPIを控え、慎重姿勢が強まりました。


12/16(火)S&P500・ダウ下落、ナスダックは反発
雇用者数は増加したものの、失業率は4.6%に上昇し、労働市場の冷え込みが意識されたことで、S&P500とダウは下落しましたが、ナスダックは小幅高となりました。小売売上は横ばいで需要減速を示唆しています。原油価格が2021年以来の低水準に沈み、エネルギー株が最弱となりました。メガキャップはまちまちですが、Nvidia、Meta、Teslaが上昇し、前日売られたブロードコムとオラクルも反発しました。利下げ期待がナスダックを下支えしたカタチとなりました。


12/17(水)ハイテク株急落で市場全体が下落
AI関連の評価に対する懸念が続き、Nvidia、Broadcom、AMDなど半導体株が急落したことで、主要指数は揃って大幅安を記録しました。オラクルもデータセンター投資見通しへの不安で下落しました。AmazonはOpenAI投資報道があったものの失速。対照的に、ベネズエラ制裁を巡る報道で原油価格が上昇し、エネルギー株は堅調でした。テクノロジー主導の調整色が鮮明となりました。


12/18(木)インフレ鈍化を好感し急反発
米国株は全面高を記録しました。”CPIが市場予想を下回り、総合2.7%、コア2.6%” とインフレ鈍化が明確に示されました。来年の追加利下げ期待が強まり、消費裁量株とIT株が相場を主導しました。マイクロンは好決算と強い見通しで急騰しました。一方で、金融やエネルギー、不動産などは相対的に出遅れました。


12/19(金)テック主導で続伸
AI関連が回復基調となり、オラクルはTikTok米事業の合弁報道で急騰したことで、トリプルウィッチングの中、主要指数は続伸しました。マイクロンも前日の急伸を引き継いだカタチとなりました。一方、ナイキは中国売上不振と関税影響で急落し、フェデックスも決算失望で下落しました。

結果、主要株価指数の週間パフォーマンスは以下の通りで、ビックテックの占める割合が高いS&P500やNASDAQはプラスを記録した一方で、ブルーチップ企業がメインのダウや中小型株のラッセル2000はマイナスを記録。

  • S&P500 +0.10%
  • NASDAQ +0.48%
  • ダウ -0.67%
  • ラッセル2000 -0.86%

【S&P500の15分足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【S&P500の15分足チャート】 

↑週間パフォーマンスは+0.10%

【NASDAQの15分足チャート 
 ※TradingView提供のチャート

【NASDAQの15分足チャート】 

↑週間パフォーマンスは+0.48%

【ダウの15分足チャート 
 ※TradingView提供のチャート

【ダウの15分足チャート】 

↑週間パフォーマンスは-0.67%

※インド・中国・日本などは以下参照
 リンク

【米国株の各セクターの週間パフォーマンス (出典:finviz) 

【米国株の各セクターの週間パフォーマンス(出典:finviz)】 

↑先週から特にエネルギーの下落が目立ちます。プラスのセクターはあるものの、力強い上昇は見せていない状況です。

【S&P500の週間ヒートMap (出典:finviz) 

【S&P500の週間ヒートMap(出典:finviz)】 

↑全体的に時価総額の大きいビックテックの上昇が目立つ印象でした。銘柄的にはMSFT/NVDA/LLY/TSLA/PLTR/MU/LRCX/APPなどですね!

【RSPの15分足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【RSPの15分足チャート】 

↑ヒートマップからもわかるように、一部の時価総額の大きい銘柄が牽引したことから、S&P500の等価加重平均ETFの週間パフォーマンスは-0.27%でした。

【S&P500の日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【S&P500の日足チャート】 

↑水曜には50日移動平均線をわったものの、木金でCPIやマイクロンの決算を受けて、持ち直しました。株価は現在10日移動平均線あたりを推移中です。

【NASDAQの日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【NASDAQの日足チャート】 

↑S&P500と同様に50日移動平均線をわったところから回復をみせています。

【ダウの日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【ダウの日足チャート】 

↑S&P500やNASADAQと違い、今週は下落基調となってはいるものの、価格は10日移動平均線あたりを推移しています。

【ラッセル2000の日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【ラッセル2000の日足チャート】 

↑ダウと同様、先週の高値から下落基調となってはいるものの、木金で一部回復をみせています。現在、10日移動平均線と21日指数移動平均線の間を推移中。

最後にディストリビューションデイですが、12/19時点で、SP500は4回、NASDAQは6回となっています。先週からSP500は1回増加、NASDAQは1回減少しました。

週間カウント数の推移
・12/15 SP500:3回/NASDAQ:6回
・12/16 SP500:4回/NASDAQ:6回
・12/17 SP500:5回/NASDAQ:6回
・12/18 SP500:5回/NASDAQ:6回
・12/19 SP500:4回/NASDAQ:5回

米国のセクターETF 年初来パフォーマンス BEST5

先週から2位と3位で順位変動がありました。先週に続き今週もゴールドは上昇して、他セクターとの差を拡大させました。

  1. GLD(ゴールド):64.61%(→)
  2. XBI(バイオ):33.26%(↗1)
  3. XSD(半導体):28.42%(↘1)
  4. XLK(テクノロジー):21.74%(→)
  5. XLC(通信):20.31%(→)

カントリーETF 年初来パフォーマンス BEST5

今週は4位と5位で入れ替えがありました。半導体の依存が強い韓国ETFのEWYは下落に転じて約10%近く下落しました。

  1. EWY(韓国):76.99%(→)
  2. GREK(ギリシャ):72.57%(→)
  3. EWP(スペイン):71.37%(→)
  4. AFK(アフリカ):68.07%(↗1)
  5. EPOL(ポーランド):64.88%(↘1)

※各セクター&カントリーETFの詳細は以下参照
 リンク

S&P500のバリュエーション

2025年12月19日に発行されたファクトセットのレポートによると、S&P500の12カ月先PERは22.5倍で、5年平均20.0倍と10年平均の18.7倍を上回っています。

また、実績PERは現在27.6倍となっており、5年平均の25.0倍と10年平均の22.9倍を上回っています。

参考までに”Macrotrends LLC” に掲載されている実績PERは、30.40倍となっており、1950/1~2025/11月の平均値18.82を大幅に上回っています。

またドットコムバブル時の天井である2000年3月の29.41倍とほぼ同水準で、コロナ禍から復活したブル相場の天井とされる2021年12月の24.09倍よりも高い値となっています。

※グレーはリセッション

S&P500 Trailing PER 1950/1/1~2025/11/28
(出典:Macrotrends LLC)

センチメント

VIX/Put Call Ratio/ブルベア指数/S&P500指数の値動きから強気は継続していると考えます。以下、センチメントに関わる数値などです。

  • 「VIX」は、先週末の15.74から14.91に下落。
  • 「Put Call Ratio」は、先週末の終値0.64から0.77で上昇。
  • 「ブルベア指数」は、ブル52.8 vs ベア17。
  • S&P500は、現在10日移動平均線付近で推移中。

※ INVESTOR’S BUSINESS DAILYの値引用

VIXのチャート】
 ※TradingView提供のチャー

【VIXのチャート】

↑前半は上昇していましたが、CPIの結果やマイクロンの好決算を受けて下落していき、15を下にきっていきました。

Put Call Ratio(出典:IBD)】

【Put Call Ratio(出典:IBD)】

↑先週から上昇していますが、まだ1.15との乖離は大きいです。

ブルベア指数(出典:IBD)

【ブルベア指数(出典:IBD)】

↑ブル大きくベアを上回っている状況が続いています。

経済指標&イベント

以下、今週確認してきた内容の結果です。個人的には失業率の上昇がきになることろで、今後もどのように推移するか注視したいと思います。

ポジティブサプライズ
・米・非農業部門雇用者数(NFP)
・米・平均時給
・米・CPI

ネガティブサプライズ
・米・失業率
・米・小売売上高
・米・新規失業保険申請件数
・米・ミシガン大学消費者信頼感指数(確報)

ノンサプライズ
・欧・ECB政策金利

米・失業率

2025年11月の米失業率は4.6%となり、予想の4.5%を上回るネガティブサプライズでした。これは2021年9月以来の高水準となります。

雇用状況
失業者数は約780万人で横ばい。雇用水準も大きな変化なし。

労働参加率
62.5%でほぼ不変。労働力は安定。

広義失業率
U-6失業率は上昇。強制的パートタイム増加を反映。

米・非農業部門雇用者数(NFP)

11月の米雇用は6.4万人増でした。これは、10月の10.5万人減から改善し、予想の5万人増を上回るポジティブサプライズでした。

米・非農業部門雇用者数(NFP)

増加業種
医療が4.6万人、建設が2.8万人増。社会支援も1.8万人増加。

減少業種
輸送・倉庫業は1.8万人減。連邦政府は11月に6,000人減。

統計修正
8月は▲2.6万人、9月は10.8万人増へ下方修正。

米・平均時給

2025年11月は前月比+0.1%(5セント)、36.86ドルでした。予想+0.2%を下回るポジティブサプライズでした。

米・平均時給

前月比較
10月の+0.4%から減速。

生産・非管理職
平均時給は+0.3%(11セント)、31.76ドル。

前年比
11月は+3.5%。10月の+3.7%から鈍化。

米・小売売上高

2025年10月の米小売売上高は横ばいで、予想0.1%(前月比)を下回る0.0%のネガティブサプライズでした。また前月分は0.1%増に下方修正となりました。

米・小売売上高

GDP関連指標
食品サービス等を除く売上は+0.8%。9月の▲0.1%から回復。

増加業種
その他小売、ガソリン、家具、健康用品が好調。食品、電子機器、総合商品店も増加。

減少業種
自動車、衣料、趣味用品、建材、飲食店は減少。

欧・ECB政策金利

予想どおりECBは2025年12月、4会合連続で政策金利(2.15%)を据え置き。

欧・ECB政策金利

■ 政策姿勢
データ依存・会合ごとの判断を継続。決定は市場予想通り。

■ 経済成長見通し
内需主導で成長見通しを上方修正。2025年1.4%、2026年1.2%、2027~2028年1.4%。

■ インフレ見通し
・総合インフレ率は2025年2.1%、2026年1.9%、2027年1.8%、2028年2.0%。
・2026年はサービスインフレ低下の鈍化で上方修正。

米・CPI

総合は2.7%/コアは2.6%となり、予想の3.1%/3%を下回るポジティブうサプライズとなりました。

米・CPI

■ 価格上昇の内訳
・エネルギーは4.2%上昇(ガソリン0.9%、燃料油11.3%、天然ガス9.1%)。
・食品2.6%、住居費3.0%、医療2.9%などが上昇。

■ 低い上昇率
衣料品0.2%、新車0.6%と低水準。

■ データ上の注意点
政府閉鎖で10月データ欠落、11月の月次率は未公表。

米・新規失業保険申請件数

12月13日週は前週比1.3万件減の22.4万件でした。予想(22.5万件)をやや下回るネガティブサプライズとなり、前週の増加を打ち消しました。

米・新規失業保険申請件数

■ 労働市場評価
小幅な改善にとどまり、12月の労働市場は概ね安定していることを示唆。

■ 継続受給者数
12月6日週は189.7万件に増加したが、予想(193万件)は下回った。

米・ミシガン大学消費者信頼感指数(確報)

12月の確報値は52.9となり、速報値53.3から下方修正となりました。

米・ミシガン大学消費者信頼感指数(確報)

・1年先インフレ予想は4.2%へ上方修正。
・5年先インフレ見通しは3.2%で横ばい。

決算

今週は14社チェックしました。

・10%以上値上がりした銘柄
➡MU
・10%以上値下がりした銘柄
➡NKE

2025/12/16 決算発表 ~LEN~

2025/12/17 決算発表 ~GIS,MU~

2025/12/18 決算発表 ~CTAS,NKE,KBH~

2025/12/19 決算発表 ~CCL,CAG,PAYX~

12/22週の注目内容

関心のある経済指標&イベント

来週は以下の経済指標&イベントに注目です。

  • 12/23(火) 米・実質GDP
  • 12/23(火) 米・鉱工業生産指数
  • 12/24(水) 米・コンファレンスボード消費者信頼感指数
  • 12/24(水) 米・新規失業保険申請件数
  • 12/24(水) クリスマスイブで短縮取引
  • 12/25(木) クリスマスで休場

関心のある決算

来週はチェック予定なしです。

来週は、休日短縮週のため流動性が低下しますが、GDPや新規失業保険申請件数などの指標が今後の経済の手掛かりとなると思われます。年末相場で静かでも、材料次第では市場心理が左右される可能性があります。

それでは、また👋

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