アノマリーから考える2024年下半期の米国市場

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こんにちは、Saab です。

2024 年下半期に入り、1 カ月が経ちましたが、残り 5 カ月の米国市場がどう動くか、アノマリーという観点で見ていきたいと思います。

アノマリーとは?

まず「アノマリー」という言葉ですが、聞いたことがある方もいれば、聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。

Weblio 辞書によれば「異常・例外・不規則」といった意味をもつ言葉で「データや現象の異常」を指します。

今回取り扱う株式市場においては、証券用語で「相場に関する理論では説明のつかない証券価格の変則性のこと」を言うそうです。

米国市場の季節性のアノマリー

米国市場には色々なアノマリーがありますが、今回は季節性のアノマリーに焦点をあてます。

季節性のアノマリーをひとことで言うと 「最高の 6 カ月と最悪の 6 カ月がある”」です。

「最高の6カ月」は11月〜4月で、「最悪の 6 カ月」は5月〜10月です。

下のグラフは S&P500の1950年~2023年4月の間における月次パフォーマンスを示したものです。「最高の 6 カ月」のパフォーマンスは、2月にマイナスがあるものの、6カ月全体でみれば優れていることがわかるかと思います。

参考までにストック・トレーダーズ・アルマナックによれば、「1950 年以降 S&P500 やダウは最悪の 6 カ月に対し、最高の 6 カ月は約 3 倍良いパフォーマンスを出している」という事実があります。

季節性のアノマリーの一例として2023 年の S&P500 の値動きをみてみましょう。

この年は典型的な例で 、5~10 月は結局プラスマイナスゼロで、 最高の 6 カ月だけ相場にいれば、2023 年の年初来パフォーマンス 24.2%をほぼとれていたことがわかるかと思います。

このように季節性のアノマリーは株式投資の基本的なマクロの流れを把握するには有効であり、このアノマリーの背景には人々 の習慣が相場に影響を与えていると言われています。

例えば、税務申告の期限では米国民はキャッシュを待機させておくため市場に資金が供給されなかったり、休暇シーズンではトレーダーや投資家は相場から離れてバカンスに行くので薄商いになるといった感じです。

大統領選挙における季節性のアノマリー

今年は大統領選挙の年です。

ということでその条件に該当する年で月次パフォーマンスを作成したものが下のグラフです。

最高の6カ月のパフォーマンスが良いことは変わりませんが、異なる部分で印象的なのは9〜10月は2カ月連続でパフォーマンスが悪くなっていることです。

これは11月に行われる大統領の本投票に向かって先行き不透明な環境下になりやすいことが影響していると考えられます。

株式などのリスク資産は、不確実性を嫌う性質があり、パフォーマンスが低下しやすいです。

大局的にみれば、大統領選挙の年も秋相場は良くないですが、今年は民主党政権下です。

その条件をあてはめますと下のグラフのように全体的に悪くないパフォーマンスとなります。

間違いないのは、どの月次パフォーマンスを見ても11月はパフォーマンスが良いことですねw

8~10月のパフォーマンスが悪くないことは個人的に気になります!!

まとめ

以上、大統領選挙の年における季節性のアノマリーをふまえると

 ●大統領選挙年の9〜10月のパフォーマンスは悪い。

 ●民主党政権下の9~10月のパフォーマンスは悪くなりにくい。

 ●11月相場は安心して買っていける。

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