【米国市場:2025年12月29日週】今週の振り返り & 来週のトピック (市場動向、ETF、S&Pケースシラー住宅価格、新規失業保険申請件数、FOMC議事録など)

投資関連

こんにちは、Saabです。今週の振り返りと来週のトピックです。

   2025年12月22日週分はこちら

↓主な内容は以下参照。

  • 年末年始はAI関連の評価調整とFRB政策見通しを軸に不安定な動き
  • 米国の主要な株価指数4つは全て週間で下落
  • S&P500は10日移動平均線と21日指数移動平均線の間を推移中
  • 週間ではエネルギセクターが強かった
  • 年初来(2025)でS&P500は16.39%、NASDAQは20.36%
  • NSADAQのADラインは明確なダイバージェンス
  • ディストリビューションデイは今週でSP500は1回/NASDAQは2回増加
  • セクターETFの年初来パフォーマンスでは「バイオ」「半導体」が良かった
  • コモディティ&暗号通貨ETFの年初来パフォーマンスでは「シルバー」「プラチナ」などの貴金属が良かった
  • カントリーETFの年初来パフォーマンスでは「韓国」「南米」「南欧」「アフリカ」が良かった
  • センチメントは指標など見る限りまだ強気を継続、ただしS&P500のバリュエーションは高い状況が続く
  • S&Pケースシラー住宅価格(20都市)、新規失業保険申請件数はポジティブ
  • 来週の決算はチェック予定なし
  • 来週はなんといっても雇用統計に注目
  • 「サンタクロースラリー&最初の5日間」の結果も注目

それでは順に詳細をみていきます。

12/29週の振り返り

総括

米国株は年末年始にかけて、AI関連の評価調整とFRB政策見通しを軸に不安定な動きを見せました。短期的にはセクター間の選別色が強まる一方、年間ではAI主導の成長と堅調な経済を背景に強い上昇基調を維持しており、2026年に向けても金融政策とAI収益化が最大の焦点となっています。

12/29~1/2の動向

12/29(月)米国株が過去最高値を返上
米国株は、AI関連銘柄の過大評価懸念から下落しました。S&P500は0.35%安、ナスダック100は0.46%安、ダウは0.51%安となり、直前の最高値更新から反落しました。NvidiaやTeslaが下落を主導し、OracleやPalantirなどAI投資関連企業も軟調でした。金属価格の調整で鉱業株が重くなる一方、ベネズエラ情勢を背景に原油価格が上昇し、エネルギー株は相対的に堅調でした。


12/30(火)FOMC議事録後も様子見姿勢
FOMC議事録公表後も市場は方向感を欠き、小幅安で推移しました。S&P500、ダウ、ナスダック100はいずれも0.2%前後の下落となりました。議事録では、インフレと雇用リスクの評価を巡る意見の分裂が示された一方、利下げ余地への合意も確認されました。金属価格の上昇で鉱業株に変動が見られましたが、テクノロジー大手はAI収益性への慎重姿勢から弱含みました。


12/31(水)年末は下落も年間では堅調
年末最終取引日は利益確定とリスク調整で下落しました。S&P500は0.6%安、ナスダックは0.7%安、ダウは0.4%安となりました。ただし年間では、AI主導の成長を背景にS&P500が約16.6%、ナスダックが20.4%上昇し、3年連続の二桁リターンを記録。金融政策の不透明感や地政学リスクが意識された一年でした。


1/2(金)年初はセクター間で明暗
年初取引は変動が大きい中、ダウは上昇し、S&P500も小幅高となりました。半導体株が好材料を背景に急伸し、NvidiaやMicron、Intelが大幅高を記録。一方、AIソフトウェア関連は投資回収への不透明感から下落し、Teslaも納車未達で下落しました。市場全体は成長と低金利期待に支えられています。

  • S&P500 -1.03%
  • NASDAQ -1.52%
  • ダウ -0.67%
  • ラッセル2000 -1.03%

【S&P500の15分足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【S&P500の15分足チャート】 

↑週間で-1.03%。全体的に下落基調でした。

【NASDAQの15分足チャート 
 ※TradingView提供のチャート

【NASDAQの15分足チャート】 

↑週間で-1.52%。S&P500と同様、週を通じて下落基調でした。

【ダウの15分足チャート 
 ※TradingView提供のチャート

【ダウの15分足チャート】 

↑週間で-0.67%。S&P500やNASDAQと比べて年始の取引で回復みせています。。

※インド・中国・日本などは以下参照
 リンク

【米国株の各セクターの週間パフォーマンス (出典:finviz) 

【米国株の各セクターの週間パフォーマンス(出典:finviz)】 

↑今週はほぼすべてのセクターで下落しましたが、エネルギーが大きなプラスを記録しています。

【S&P500の週間ヒートMap (出典:finviz) 

【S&P500の週間ヒートMap(出典:finviz)】 

↑ヒートマップでもわかるようにエネルギーは緑が目立ちます。また半導体ではAMD/MU/INTCの一部の銘柄では上昇しました。

【S&P500の週足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【S&P500の週足チャート】 

↑年初来(2025)で+16.39%。4月の底値を起点に上昇基調を維持しており、過去史上最高値付近で推移しています。

【NASDAQの週足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【NASDAQの週足チャート】 

↑年初来(2025)で+20.36%。4月の底値を起点に上昇基調を維持。直近は横ばいの中で推移しています。

【ダウの週足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【ダウの週足チャート】 

↑年初来(2025)で+12.97%。4月の底値を起点に上昇基調を維持。直近はS&P500と同様、過去史上最高値付近で推移しています。

【ラッセル2000の週足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【ラッセル2000の週足チャート】 

↑年初来(2025)で+11.29%。4月の底値を起点に上昇基調を維持。直近は過去史上最高値付近で推移しています。

ADライン(出典:Market In Out)

主要3指数では、NASDAQのみ明確なダイバージェンスが発生しています。今週の動きだけに限っては、いずれの指数も価格推移とADラインは一致している印象でした。

S&P500のADライン

→価格およびADラインいずれも高値更新。

【S&P500のADライン】

NASDAQのADライン

→全体的に指数の値動きとADラインでダイバージェンスを確認。

【NASDAQのADライン】

ダウのADライン

→今週は価格&ADラインは似たような動きを展開。

【ダウのADライン】

 

ディストリビューションディ

ディストリビューションデイですが、1/2時点で、SP500は4回、NASDAQは7回となっています。先週からS&P500は1回増加、NASDAQは2回増加しました。

週間カウント数の推移
・12/29 No Distribution Data
・12/30 SP500:4回/NASDAQ:7回
・12/31 SP500:4回/NASDAQ:7回
・1/2 SP500:4回/NASDAQ:7回

ディストリビューションディ

米国のセクターETF 2025 年初来パフォーマンス BEST5

先週から順位変動なしです。

  1. XBI(バイオ):35.39% (→)
  2. XSD(半導体):29.44% (→)
  3. XLK(テクノロジー):23.83% (→)
  4. XLC(通信):21.6% (→)
  5. XLI(資本財):17.73% (→)

コモディティ&暗号通貨ETF 2025 年初来パフォーマンス BEST5

先週から順位変動はないですが、貴金属のパフォーマンスが先週から低下しています。ただ、年初来から貴金属のパフォーマンスが良いのは変わりません。

  1. SLV(シルバー):144.66% (→)
  2. PPLT(プラチナ):124.48% (→)
  3. PALL(パラジウム):74.07% (→)
  4. GLD(ゴールド):63.68% (→)
  5. URA(ウラン):59.56% (→)

カントリーETF 2025 年初来パフォーマンス BEST5

先週からギリシャは5位に転落し、その代わりにEWPとAFKがそれぞれひとつづ順位をあげました。AI関連の恩恵で韓国、南米はペルー、南欧はギリシャ&スペイン、アフリカのAFKがベスト5にランクインしている状態は変更なしです。

  1. EWY(韓国):91.04% (→)
  2. EPU(ペルー):82.65% (→)
  3. EWP(スペイン):73.62% (↗1)
  4. AFK(アフリカ):72.92% (↗1)
  5. GREK(ギリシャ):69.91% (↘2)

※各セクター&カントリーETFの詳細は以下参照
 リンク

S&P500のバリュエーション

“Macrotrends LLC” に掲載されている実績PERは、30.40倍となっており、1950/1~2025/11月の平均値18.82を大幅に上回っています。

またドットコムバブル時の天井である2000年3月の29.41倍とほぼ同水準で、コロナ禍から復活したブル相場の天井とされる2021年12月の24.09倍よりも高い値となっています。

※グレーはリセッション

S&P500 Trailing PER 1950/1/1~2025/11/28
(出典:Macrotrends LLC)

センチメント

先週と同じく強気継続。VIX/Put Call Ratio/ブルベア指数/S&P500指数の値動きから判断しています。以下、センチメントに関わる数値などです。

  • 「VIX」は、先週末の13.6から14.51に上昇。
  • 「Put Call Ratio」は、先週末の終値0.77から0.75となりほぼ横ばい。
  • 「ブルベア指数」は、ブル55.6 vs ベア18.6となりいずれも少し上昇をみせています。
  • S&P500は、10日移動平均線と21指数移動平均線の間を推移中となっており、やや強気に陰りが見えている印象です。

※ INVESTOR’S BUSINESS DAILYの値引用

VIXの日足チャート】
 ※TradingView提供のチャー

【VIXの日足チャート】

↑一週間を通じてわずから上昇基調となっています。

Put Call Ratio(出典:IBD)】

【Put Call Ratio(出典:IBD)】

↑最新の終値は0.75で、どちらかというと低い水準ですが、かなり低い水準というわけではありません。

ブルベア指数(出典:IBD)

【ブルベア指数(出典:IBD)】

↑先週から変動なし。ブル(55.6)がベア(18.5)を大きく上回ったままです。

S&P500の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャー

【S&P500の日足チャート】

↑週を通じて下落基調となっており、現在は10日移動平均線(緑)と21日指数移動平均線(ピンク)の間を推移しています。

経済指標&イベント

以下、今週確認してきた内容の結果です。

ポジティブサプライズ
・米・S&Pケースシラー住宅価格(20都市)
・米・新規失業保険申請件数

ネガティブサプライズ
なし

ノンサプライズ
なし

米・S&Pケースシラー住宅価格(20都市)

10月のCase-Shiller指数は前年比+1.3%と前月(+1.4%)から鈍化しました。これは2023年7月以来の低い伸びで、住宅価格成長の減速が鮮明となりました。一方、市場予想の1.1%は上回るポジティブサプライズでした。

米・S&Pケースシラー住宅価格(20都市)のグラフ

■ インフレとの関係
住宅価格の伸びはCPI推定約3.1%を下回り、実質ベースでは住宅価値はやや低下。

■ 地域別動向
シカゴ(+5.8%)が首位、NY(+5.0%)、クリーブランド(+4.1%)が続く。一方、タンパは-4.2%と最大下落。サンベルトではフェニックス、ダラス、マイアミなどがマイナス成長。

米・新規失業保険申請件数

12月27日週は1.6万件減の19.9万件でした。祝日要因の変動期ながら市場予想(22万件)を大幅に下回るポジティブサプライズで、1月以来の低水準となりました。

米・新規失業保険申請件数のグラフ

■ 継続受給者数
12月20日週は189万人に減少し、前週(191万人)から下方修正。

■ 連邦職員分
政府閉鎖の影響で12月13日週は812件と小幅増加。

米・FOMC議事録

■ 利下げ見通し
FOMCの大半は、インフレが緩和すれば来年の利下げが適切となる可能性が高いと判断しました。

■ 意見の相違
インフレ定着を警戒し高金利維持を主張する意見と、労働市場の軟化を重視し大幅利下げを支持する意見に分かれました。

■ 12月会合の決定
政策金利は25bp引き下げ、3.5~3.75%に。年内3回目の利下げで市場予想通り。

■ 反対意見とSEP
据え置き2名、50bp利下げ1名でした。SEPでは来年成長への楽観姿勢と関税影響の限定性が示されました。

1/5週の注目内容

関心のある経済指標&イベント

来週は以下の経済指標&イベントに注目です。

  • 1/5(月) 米・サンタクロースラリー最終日
  • 1/6(火) 米・ISM製造業景況指数
  • 1/6(火) 独・CPI
  • 1/7(水) 欧・ユーロ圏消費者物価指数
  • 1/8(木) 米・ADP雇用者数
  • 1/8(木) 米・ISM非製造業景況指数
  • 1/8(木) 米・新規失業保険申請件数
  • 1/8(木) 米・最初の5日間 最終日
  • 1/9(金) 米・住宅建築許可件数
  • 1/9(金) 米・住宅着工件数
  • 1/9(金) 米・失業率
  • 1/9(金) 米・非農業部門雇用者数
  • 1/9(金) 米・平均時給
  • 1/9(金) 米・ミシガン大学消費者信頼感指数

関心のある決算

来週はチェック予定なしです。

来週は、米国雇用と賃金動向、主要国インフレ指標が金融政策期待を左右する重要局面です。景気減速とインフレ沈静化のバランスを見極める週となり、市場はFRBや各国中銀の次の一手を占う展開が想定されます。

またアノマリーの「サンタクロースラリー(※1)」「最初の5日間(※2)」が最終日を迎えますので、これらの結果にも注目です。

それでは、また👋

※1 サンタクロース・ラリー

  • 期間と実績
    • 発生時期:年末最後の5営業日+新年最初の2営業日
    • 平均上昇率:1950年以降で+1.3%、1969年以降で+1.2%
  • 現れない場合のリスク
    • 「サンタが来ない年」は、ベアマーケットの前兆となるケースが多い
    • 過去の例:
      • 1999〜2000年:サンタ不在後、ダウ–37.8%、NASDAQ–77.9%(2002年底値まで)
      • 2007年:金融危機前の下落
      • 2016年:世界的成長不安と利上げ影響
      • 2024〜2025年:インフレ・金利・政権交代懸念による抑制
  • 解釈の指針
    • サンタラリー不発=市場の警戒シグナル
    • その後の調整局面で割安株を仕込む好機でもある

【S&P500の15分足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

↑サンタクロースラリーの6日間では-0.67%となっています。
(平均上昇率:1950年以降で+1.3%)

※2 1月の最初の5日間

  • 1月初めの5営業日の動きがその年の相場を予告
  • 過去48回のうち、5日間上昇時には40回が年間上昇(的中率83.3%)
  • 過去48回から算出した平均年間上昇率は+14.2%
  • 例外は1994・2011・2015年(横ばい)、戦争やテロ(1966・73・1990・2002)、および2018年(イールドカーブ逆転・貿易摩擦)
  • 年初5営業日が下落した場合、年間上昇は15/27回(44.4%)で、平均上昇率は+1.1%にとどまる
  • 中間選挙年では精度が下がり、19回中9回が的中

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