こんにちは、Saabです。今週の振り返りと来週のトピックです。
↓主な内容は以下参照。
- 今週はビックテック依存の高い指数とそれ以外の指数で、週間パフォーマンスの明暗が分かれました(≒ビックテックかそれ以外かとも言える)
- S&P500とNASDAQはマイナスを記録、ダウ/ラッセル2000/RSPは週間でプラスを記録し最高値も更新
- 前半様子見→FOMC後上昇→週末のテック主導急落という流れで、ブロードコムのマージン圧力警告がAI関連株の下げ材料となった
- 素材や金融セクターが好調だった一方、先週パフォーマンスが良かったテクノロジーや通信セクターがマイナスを主導
- ディストリビューションデイはSP500で3回/NASDAQで6回
- センチメントは指標など見る限りまだ強気を継続、ただしS&P500のバリュエーションは高い状況が続く
- 12月のFOMCでは0.25%の利下げが決定
- ブロードコムは決算クリアにも関わらず、マージン圧力警告で10%ごえの下落を記録
- 来週の決算は14社チェック予定
- 来週は、米国の遅延している雇用統計とインフレ指標が市場の最大材料
- 12/19(金)はトリプルウィッチング
それでは順に詳細をみていきます。
12/8週の振り返り
総括
今週の米国株は、前半の様子見→FOMC後の上昇→週末のテック主導急落という展開でした。FRBの利下げとハト派的示唆で中盤はリスク選好が回復した一方、AI関連の収益性・マージン懸念が再燃し、週末に調整が加速しました。結果として、ダウは循環・金融主導で上昇、ナスダックはテック安で下落と指数間の明暗が鮮明になった週となりました。今後は、インフレ指標と企業の利益率・投資回収の持続性が相場の分岐点となると思われます。
12/8~12/12の動向
12/8(月)週初は下落、FRB見通し再評価
水曜の利下げはほぼ織り込み済みですが、インフレの強さを背景に2026年のFRB政策の先行きを再評価する動きが重荷となり、S&P500は−0.35%、ダウ−0.45%、ナスダック−0.14%となりました。M&A関連でワーナーBros.Dは入札期待から上昇。個別ではコンフルエントがIBMの買収確認で急騰、カルバナはS&P500採用で急伸しました。ブロードコムはカスタムチップ報道で最高値を更新しました。
12/9(火)FOMC前で横ばい
JPMorganが2026年の高い経費見通しを示したことで、主要な株価指数は小動きとなり、S&P500はほぼ横ばい、ナスダック小幅高、ダウ−0.3%となりました。Nvidiaは中国のH200制限観測で小安、Home Depotはガイダンス下方修正で下落。ワーナーBros.Dの争奪戦は引き続き注目しています。
12/10(水)FOMC後に上昇
FRBは25bp利下げを実施、来年の追加利下げ見通しは9月と一致したことで、ダウ+1.1%、S&P500+0.7%、ナスダック+0.4%となりました。パウエル議長は利上げを事実上排除し、追加緩和期待が強化されました。工業株が好調、アマゾンはインド投資計画で上昇、JPMorganも反発しました。一方、マイクロソフトは投資発表後に下落しました。
12/11(木)ダウ最高値、循環株優位
ダウ+1.4%で最高値、S&P500+0.3%、ナスダック−0.3%。高PERテックから循環・バリューへのローテーションが進行。Visaは格上げで急騰、金融株全般が堅調。対照的にOracleの急落を契機にAI投資回収への懸念が再燃し、半導体(Nvidia、Broadcom等)が軟調。
12/12(金)テック急落で週末安
Broadcomがマージン圧力警告で急落し、AI関連半導体(Nvidia、AMD、Micron等)に連鎖売りとなって、S&P500−1.0%、ダウ−0.4%、ナスダック−1.8%と下落しました。FRB利下げは下支え要因ですが、インフレ警戒の発言も意識されています。
その結果、主要株価指数の週間パフォーマンスは以下の通り。
- S&P500 -0.63%
- NASDAQ