こんにちは、Saabです。
そろそろ「大統領選挙の翌年」である2025年の米国市場について考えておいた方がいいと思い、代表的な株価指数であるS&P500のパフォーマンスがどのような傾向を示しているか調査しました。
この記事をみれば、2025年の米国市場への心構えができます。時間のある方はぜひ最後まで読んでみて下さい。時間のない方は、下に書いたまとめに目を通してもらうだけでもかまいません。
まず以下4点がこの記事のまとめです。
- S&P500が現在の算出方法に変わってからは、大統領選挙の4年周期のうち「大統領選挙の翌年」は、2番目にパフォーマンスが良い年となる
- 「大統領選挙の翌年」のS&P500は、2 /6 /8 /9月のパフォーマンスが悪い
- 1月がプラスなら88.9%でその年のS&P500はプラスとなり平均で21.6%上昇
- 1月がマイナスなら57.1%でその年のS&P500はプラスとなり平均で16.2%上昇
最新データで見る大統領選挙の4年周期
大統領選挙の4年周期とは
最初に大統領選挙の4年周期がどんなものか簡単に説明します。この4年周期は、「大統領選挙の翌年→中間選挙の年→大統領選挙の前年→大統領選挙の年」のことを指します。
ジェフリー・A・ハーシュの「アノマリー投資」によれば、ざっくりと以下2つの傾向があることがわかっています。
- 「大統領選挙の翌年」「中間選挙の年」のいずれかで、戦争と評判の悪い政策が行われて下落相場の引き金になることが多い
- 「大統領選挙の前年」「大統領選挙の年」では、有権者の支持を得ようとして景気刺激策が実施されるため、相場が良くなりやすい
これらを定量的に示したのが下のグラフです。
確かに左側2つより、右側2つの方がパフォーマンスがいいです。
パフォーマンスの良い順に並べると下のようになります。
- 大統領選挙の前年
- 大統領選挙の年
- 中間選挙の年
- 大統領選挙の翌年
このように、大統領選挙の4年周期は、傾向があることがわかるかと思います。ただ上のグラフで使用されているデータは、「1833~2011年」と古いです。
最近もこのような傾向を示すのだろうか?ということが気になり、今回検証を行いました。
最新のデータでの4年周期は?
今回検証にあたりS&P500を使用しますが、前提として1958年を起点とします。理由は、現在の算出方法が1957年3月から採用されたので、1年間フルで適用されている最初の年が1958年のためです。
下のグラフは、1958~2023年で整理したものです。先ほどまでふれてきた内容とは異なり、一番悪かった「大統領選挙の翌年」が2番目にジャンプアップしていることがわかるかと思います。これに対し、現時点分析はできていませんが、最近の傾向はこのように変化しているということです。
パフォーマンスの良い順に記載すると下のようになります。
- 大統領選挙の前年
- 大統領選挙の翌年
- 大統領選挙の年
- 中間選挙の年
ちなみにダウン平均とNASDAQでも同じ傾向が得られたので、以下に添付します。
(↑)ダウ平均は、現在と同じ30銘柄で算出されはじめた1928年を起点
(↑)NASDAQは、1年間フルでパフォーマンスを初めて算出できた1972年を起点
“大統領選挙の翌年”のS&P500 月次パフォーマンス
さきほどは大統領選挙の4年周期で見られるS&P500の年上昇率をみてきましたが「大統領選挙の翌年」にあたる2025年の月次パフォーマンスが個人的に気になったので、以下のグラフでまとめました。参考までに、ストック・トレーダーズ・アルマナックに載っているグラフも比較として並べています。
大統領選挙の翌年では、パフォーマンスがマイナスとなる月が「Stock Trader’s Almanac」のグラフに比べて多いものの、プラスとなる月のパフォーマンスは見劣りしないですね!
“大統領選挙の翌年”の1月バロメータ
株式投資を初めて3年目ですが、1月バロメータは信頼しています。知らない方のために簡単に説明しますと「1月のS&P500の動きと同じように、その年も動くというもの」です。
大統領選挙の翌年における1月バロメータの過去を整理すると以下の通りになりました。
- 1月がプラスになれば、過去9回中8回(88.9%)でS&P500の年間パフォーマンスはプラスとなり平均で+21.6%
- 唯一機能しなかった1回は、9.11が起きた2001年でドットコムバブル崩壊後の下落相場にあたる年で(察し)、パフォーマンスは-13.05%
- 1月がマイナスになれば、過去7回中4回(57.1%)でS&P500の年間パフォーマンスはプラスとなり平均で+16.2%(年間パフォーマンスがマイナスになった場合は平均で-12.9%)
以上より2025年の心構えとして過去の傾向をみてきましたが、本でみた情報とは異なる結果を確認できたので、自ら事実を集めて検証することの重要性を再認識できました。また1月バロメータの信頼性は高いものの、仮にパフォーマンスが悪くても希望はあるということを知れたのはよかったです。
そろそろ2025年版のストック・トレーダーズ・アルマナックが販売されるはずなので、そこに書いてある内容を楽しみに待ちたいと思います。
付録
主要株価指数の「大統領選挙の4年周期で見られる年間平均パフォーマンス」をまとめたので、以下にグラフを添付しておきます。大統領選挙の前年は、強いですね!
付録は以上です。それではまた👋
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