【調査】2025年9月5日時点:世界各国の株価指数の年初来パフォーマンス ランキング

注目トピック

調査のきっかけ

ここ数年、米国経済の好調さに支えられて、独り勝ちを続けてきた米国株ですが、ファクトセットの最新レポートによると、SP500のフォワードPER(12カ月先)が22.1倍となっており、5年平均19.9倍や10年平均18.5倍を大きく上回っています。

また、トレーリングPER(過去の12カ月)は、27.9倍となっており、5年平均25.0倍や10年平均22.6倍を大きく上回っています。

さらに “Macrotrends LLC” に掲載されている実績PERの最新値は、28.86倍となっており、ドットコムバブル時の天井である2020年3月の約27倍や、コロナ禍から復活したブル相場の天井とされる2021年12月の約24倍より高い値です。

このように最新の米国株は、バリュエーションが高くなっていることから、投資先としての魅力はなくなってきていると感じます。

今後、米国株がダメになったときのことを考えて、世界に目を向けることが必要になってくると思いますので、トレーディングエコノミクスの情報をもとに、2025年の最新年初来パフォーマンスを調査してランキング化(※)してみました。

 ※掲載されていた93か国の主要株価指数が対象

93か国の年初来パフォーマンス トップ10

以下、93か国の株価指数のうち、年初来パフォーマンス トップ10をグラフ化しました。グラフに記載されている国名からもわかるように、東欧・南欧・アフリカ・南米・南アジアの国々がランクインしています。

93か国の年初来パフォーマンス トップ10のグラフ

主な共通要因

  1. バリュー回帰(割安修正):大・中・小型市場を問わず、2025年は「相対的に割安だった国・地域」へ資金が戻る傾向が強く、特に南欧やラテン系、新興市場の一部で顕著。
  2. 外貨建て資金(外国人投資)の再流入:ケニア、コロンビア、ナイジェリアなどで外国投資家の戻りが指数を押し上げた事例あり。
  3. 商品(コモディティ)価格と輸出セクターの好転:銅(チリ)、石油・資源関連(ナイジェリア、コロンビア等)で資源価格の底堅さが株価をサポート。
  4. 金融セクターの復活・配当再開:銀行の健全化や配当復活が、特にギリシャやスロベニアなどで市場センチメントを改善。
  5. 国内マクロの改善と政策期待:インフレ鎮静化、利下げ期待、予算・改革の進展などが投資家センチメントを強化(例:パキスタンの利下げ期待やモロッコの経済成長など)。

93か国の年初来パフォーマンス ワースト10

以下、93か国の株価指数のうち、年初来パフォーマンス ワースト10をグラフ化しました。グラフに記載されている国名からもわかるように、北欧・東欧・中東・南米・東南アジアの国々がランクインしています。

93か国の年初来パフォーマンス ワースト10の棒グラフ

主な共通要因

  1. 流動性の薄さ・大型銘柄偏重が「下落を拡大」:小~中規模市場(SAX、ICEX、Blom、PFTS 等)は出来高が薄いため、外部売りが入りやすく指数下落が拡大。
  2. 外部センチメント依存(米国金利、商品価格、地政学):多くの市場で米金利やコモディティ、地政学ショックが大きく影響。特に資源国や新興市場は外部変動に敏感。
  3. 政治・政策リスク(選挙・介入・規制変更)が直接効く:Merval(アルゼンチン)やPFTS(ウクライナ)等、政治・経済政策の不透明性が直接相場に反映されやすい。
  4. 名目値の歪み(高インフレや為替の影響)で「実質価値が判断しにくい」:TEDPIX や Merval のように名目上の上振れと実体の乖離が投資判断を複雑にするケースがある。

(付録) 地域別データ

付録として地域別のデータを添付しておきます。

EU・イギリス・ロシア 年初来パフォーマンス

上位には東欧・南欧の国がランクイン。

以下、EU・イギリス・ロシアで良い年初来パフォーマンスを記録しているトップ5と各国のパフォーマンスのグラフです。

1位:SBITOP(スロベニア) 49.02%
2位:Athens General(ギリシャ) 37.65%
3位:CSE General(キプロス) 34.41%
4位:WIG(ポーランド) 32.66%
5位:BUX(ハンガリー) 30.07%

EU・イギリス・ロシア 年初来パフォーマンスの棒グラフ

北・中・南アメリカ 年初来パフォーマンス

先に断っておきますが、IBC(ベネズエラ)の730%の年初来パフォーマンスは、ハイパーインフレや通貨価値の下落に伴う見せかけの上昇という特殊要因が含まれているため、対象外としています。

ベネズエラのインフレ率の棒グラフ

↑ベネズエラのインフレ率
(出典:トレーディングエコノミクス)

USD/VES exchange rateの棒グラフ

↑USD/VES exchange rate
(出典:トレーディングエコノミクス)

上位には中南米の国がランクイン。

以下、北・中・南アメリカで良い年初来パフォーマンスを記録しているトップ5と各国のパフォーマンスのグラフです。

1位:IGPA(チリ) 37.14%
2位:COLCAP(コロンビア) 35.03%
3位:IPC(メキシコ) 22.06%
4位:Peru General(ペルー) 20.64%
5位:IBOVESPA(ブラジル) 18.59%

北・中・南アメリカ 年初来パフォーマンスの棒グラフ

アジア・オセアニア 年初来パフォーマンス

上位には南・東南・中央・西アジアの国がランクイン。

以下、アジア・オセアニアで良い年初来パフォーマンスを記録しているトップ5と各国のパフォーマンスのグラフです。

1位:KSE 100(パキスタン) 34.01%
2位:ASPI(スリランカ) 31.66%
3位:VN(ベトナム) 31.59%
4位:TA-125(イスラエル) 28.14%
5位:KASE(カザフスタン) 26.84%

アジア・オセアニア 年初来パフォーマンスの棒グラフ

アフリカ 年初来パフォーマンス

上位には北・西・東アフリカの国がランクイン。

以下、アフリカで良い年初来パフォーマンスを記録しているトップ5です。

1位:Nairobi 20(ケニア) 47.65%
2位:GGSECI(ガーナ) 46.79%
3位:CFG 25(モロッコ) 35.98%
4位:NSE-All Share(ナイジェリア) 35.03%
5位:SAALL(南アフリカ) 20.74%

アフリカ 年初来パフォーマンスの棒グラフ

最後まで御覧頂き、ありがとうございます。
それではまた👋

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