【米国市場:4/7週】今週の振り返り & 来週のトピック

投資関連

こんにちは、Saabです。今週の振り返りと来週のトピックです。

   ※3/31週分はこちら

(↓)まず要点です。

  • トランプ関税緩和報道をきっかけとした市場反発の週
  • 1週間で主要な株価指数は5~7%上昇
  • センチメントは弱気のまま不安定さが残る
  • S&P500の12カ月先PERは19.0倍
  • インドの政策金利は0.25%利下げ
  • アメリカのCPI/PPIはポジティブな結果
  • ドイツのCPIは予想と一致
  • ミシガン大学消費者信頼感指数はネガティブサプライズ
  • 雇用統計はネガティブとポジティブが入り混じる内容
  • 来週はEUでは消費者物価指数/政策金利、アメリカでは小売売上高に注目
  • 来週も2025年Q1の決算が目白押し

それでは順に詳細をみていきます。

4/7週の振り返り

米国市場

今週は、トランプ関税緩和報道をきっかけとした市場反発の週でした。

主にテクノロジーおよびグロース銘柄がリードする形で、S&P500やNASDAQなどの主要株価指数は大幅に上昇しましたが、いまだに200日移動平均線の下で値動きをしているため、明確な上昇トレンド入りとは言えない状況です。

  • S&P500 +5.7%
  • NASDAQ +7.3%
  • ダウ +4.95%

4/7週の動きは一時的なセンチメントの変化に過ぎず、VIXやPut Call Ratioからも読み取れるように市場全体としては依然として脆弱性が残っていると思われます。

従って、今はすぐに出動せず、防御的な態度が重要であると考えます。

【S&P500のチャート】
 ※TradingView提供のチャート

↑今週はボラティリティの変動が激しい相場でした。特に相互関税を90日間停止することを発表した水曜には9.51%上昇しました。まだ値動きは激しく、200日移動平均線を奪還していない状態なので油断できない状態です。

【米国10年債利回りのチャート】
 ※TradingView提供のチャート

↑指数とともに長期金利も上昇してきており、米国の見通しに対して市場参加者が悲観的に受け止め、債券が売られることによる上昇と思われます。引き続き来週もウォッチ要です!

ファクトセット

ファクトセットによれば、S&P500の12カ月先PERは19.0倍で、5年平均19.9倍を下回っている一方で10年平均の18.3を上回っています。

また、実績PERは現在23.6倍となっており、5年平均の24.7倍に対して下回っているものの、10年平均の22.3倍を上回っている状況です。

センチメント

先週からVIX/Put Call Ratio/AAIIセンチメントは、ポジティブな方向になったものの、未だにVIXとPut Call Ratioの値は弱気を示す値で停滞していることから、現時点は慎重にならざるを得ないと考えています。

  • 「VIX」は、先週末の45.31から37.56となり週間の終値ベースでは下がりましたが、一時60まで上昇しました。
  • 「Put Call Ratio」は、先週末の1.07から1.05となり、高止まりを続けています。
  • 「AAIIセンチメント」で目立った動きとしては、Bullishが上昇しました。

 Bullish 21.8%→28.5%
 Neutral 16.3%→12.5%
 Bearish 61.9%→58.9%

※ INVESTOR’S BUSINESS DAILYの値引用

【VIXのチャート】
 ※TradingView提供のチャート

↑月曜には約60までに到達し、8月以来の高い値をつけました。現在37まで下がってはいるものの高い値で停滞しているので、来週も引き続きウォッチが必要です。

↑先週と比べて、NeutralとBearishがさがった分、Bullishが上昇してますが、まだBearishの値が高水準にあり、来週も市場の動きとセットでウォッチしたいと思います。

経済指標

以下、今週チェックした経済指標です。
ユーロ圏の指標はポジティブな印象でした。アメリカの指標では、ISMはネガティブな印象で、雇用統計はネガティブとポジティブが入り混じる結果でした。

インド中銀政策金利

予想と一致の6.0%となり、2会合連続の利下げとなりました。これは市場の予想通りで、インフレの緩和や経済の減速、世界的な貿易摩擦の影響を反映した措置です。

この結果、借入コストは2022年11月以来の低水準となり、2025/26年度のGDP成長率予測は6.7%から6.5%にやや下方修正され、インフレ率の予想も4.2%から4%へ引き下げられました。

四半期ごとのGDP成長率は6.5~6.3%、インフレ率は3.6~4.4%と見込まれ、いずれもRBIの目標レンジ内に収まっています。RBIはSDF金利を5.75%、MSFと銀行金利を6.25%に引き下げた一方、CRRは4%で据え置きとなりました。

アメリカ・CPI(消費者物価指数)

総合は予想2.6%に対し結果は2.4%、コアは予想3.0%に対し結果は2.8%でした。いずれもポジティブサプライズでFRBの利下げ期待を後退させる内容でした。

アメリカ・新規失業保険申請件数

今週は223千件で先週の219千件から増加したものの、低い水準を維持できているので問題なしです。

ドイツ・CPI

予想の2.2%と一致という結果でした。

アメリカ・PPI(生産者物価指数)

総合は先月の3.2%から2.7%に下がり、コアも先月の3.4%(修正値3.5%)から3.3%に下がりました。いずれもポジティブサプライズで、PPIの結果もFRBの利下げ期待を後退させたる内容でした。

ミシガン大学消費者信頼感指数(速報)

予想の54.2に対し、結果は50.8となりネガティブサプライズでした。これは4か月連続の低下で、2024年12月以降30%以上の下落となっています。貿易戦争の不透明さが背景にあり、消費者は景気後退のリスクを示す複数の兆候を感じていると思われます。

決算

特に印象に残る決算なし。

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カルメインフーズ(CALM)
 決算ミス +2.49%
 ’24/Q3
 売上高: (予)$1.43B (結)$1.42B
 EPS: (予)$10.72 (結)$10.38

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デルタ航空(DAL)
 決算ミス +23.38%
 ’25/Q1
 売上高: (予)$12.98B (結)$12.98B
 EPS: (予)$0.38 (結)$0.46

 ’25/Q2ガイダンス
 売上高: (予)$15.67M (結)$15.1~15.7M
 EPS: (予)$2.21 (結)$1.70~2.30

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BBBフーズ(TBBB)
 決算ミス +0.83%
 ’24/Q4
 売上高: (予)$787.13M (結)$804.93M
 EPS: (予)$0.10 (結)$-0.01

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JPモルガンチェース(JPM)
 決算クリア +4.00%
 ’25/Q1
 売上高: (予)$43.39B (結)$45.3B
 EPS: (予)$4.63 (結)$5.07

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ブラックロック(BLK)
 決算ミス +2.33%
 ’25/Q1
 売上高: (予)$5.31B (結)$5.28B
 EPS: (予)$10.13 (結)$11.30

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●ウェルズファーゴ(WFC)
 決算ミス △0.95%
 ’25/Q1
 売上高: (予)$20.76B (結)$20.15B
 EPS: (予)$1.23 (結)$1.39

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モルガンスタンレー(MS)
 決算クリア +1.44%
 ’25/Q1
 売上高: (予)$16.55B (結)$17.74B
 EPS: (予)$2.19 (結)$2.60

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4/14週の注目内容

関心のある経済指標&イベント

EUでは消費者物価指数/政策金利、アメリカでは小売売上高に注目。

  • 4/16(水) ユーロ圏消費者物価指数
  • 4/16(水) アメリカ・小売売上高
  • 4/16(水) アメリカ・鉱工業生産指数
  • 4/17(木) ECB政策金利
  • 4/17(木) アメリカ・住宅建築許可件数
  • 4/17(木) アメリカ・新規失業保険申請件数

関心のある決算

来週も目白押しです。

  • 4/14(月)プレ ゴールドマンサックス(GS)
  • 4/15(火)プレ バンクオブアメリカ(BAC)
  • 4/15(火)プレ シティグループ(C)
  • 4/15(火)プレ ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
  • 4/15(火)アフター ユナイテッド航空(UAL)
  • 4/15(火)アフター インタラクティブブローカーズ(IBKR)
  • 4/16(水)プレ ASML(ASML)
  • 4/16(水)プレ アボット(ABT)
  • 4/16(水)プレ プログレッシブ(PGR)
  • 4/16(水)アフター アルコア(AA)
  • 4/17(木)プレ 台湾セミコンダクター(TSM)
  • 4/17(木)プレ ユナイテッドヘルス(UNH)
  • 4/17(木)プレ アメリカンエクスプレス(AXP)
  • 4/17(木)プレ DRホートン(DHI)
  • 4/17(木)アフター ネットフリックス(NFLX)

来週は、地政学リスク(米中貿易)、決算発表、ECBの政策金利、主要経済指標という4つの大きなテーマが交錯する重要な局面です。

特に、米国企業の決算内容とFRB高官の発言は、市場全体のリスク選好度合いを大きく左右する可能性があるため、引き続き相場をよく観察しながら取り組んでいきたいと思います。

それでは、また来週👋

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