【米国市場:2026年1月12日週】今週の振り返り & 来週のトピック (市場動向、ETF、センチメント、CPI、小売売上高、JPモルガンチェース・デルタ航空・台湾セミコンダクターの決算など)

投資関連

こんにちは、Saabです。今週の振り返りと来週のトピックです。

   2026年1月5日週分はこちら

↓主な内容は以下参照。

  • 指数全体は、金融政策とテクノロジー成長期待の綱引きで高値圏でのもみ合いにとどまる
  • ラッセル2000は過去史上最高値更新、独り勝ちの状態
  • ビックテック比率の高いS&P500とナスダックは10日移動平均線を下回る
  • セクター別ではエネルギー/生活必需品/不動産/工業/素材セクターが強い
  • ADラインと指数の関係からビックテックがそれ以外の銘柄に対して劣後している印象
  • ディストリビューションデイは今週でSP500とNASDAQはそれぞれ1回づつ減少
  • 半導体と関連深い韓国&オランダETF、ベネズエラで注目が集まっている南米のペルー&チリ&コロンビア、投機的なシルバーが好パフォーマンスを記録
  • センチメントは指標を見る限り強気継続、ただしS&P500のバリュエーションは高い状況が続く
  • アメリカのCPIは、予想一致とポジティブサプライズが入りまじる結果となり全体的にポジティブ
  • 来週の経済指標はPCEと実質GDPに注目
  • 来週の決算は18社チェック予定
  • 来週は今週に続き経済指標と企業決算が集中する週

それでは順に詳細をみていきます。

1/12週の振り返り

総括

今週の米国株は、FRBの独立性や政策不透明感、クレジットカード金利規制案といった政治要因に振らされつつも、AI関連を中心としたテクノロジー株の強さと主要銀行の収益力が下支えとなりました。指数全体は高値圏でのもみ合いにとどまり、金融政策とテクノロジー成長期待の綱引きが続く局面であることが示されました。

1/12~1/16の動向

1/12(月)FRB議長調査報道でもS&P500は最高値更新
米国株は序盤に売られたものの切り返し、S&P500は0.2%高で最高値、ナスダックも0.3%上昇しました。司法省がパウエルFRB議長を刑事捜査しているとの報道を受け一時動揺したが、テクノロジー株やウォルマートが相場を支えました。銀行株は軟調で、クレジットカード金利を10%に制限するトランプ大統領の構想が逆風となりました。ただし、主要銀行の好決算期待や穏やかなCPIへの見通しが全体のセンチメントを下支えしました。


1/13(火)金融株安で主要指数は下落
金融株の下落が重しとなり、S&P500は0.2%安、ダウは約400ドル安。JPMorganは好決算にもかかわらず4.2%下落し、クレジットカード金利上限案が収益や経済に与える悪影響への警戒が広がりました。Visa、Mastercardも大幅安。デルタ航空は弱い利益見通しで下落。一方、12月CPIが予想通りだったことで、FRBの年後半利下げ期待は維持されました。


1/14(水)ハイテク・銀行安で調整色強まる
米株は2日続落し、S&P500は約0.5%安、ナスダックは1%安。中国による米国製半導体・ソフト規制報道を受け、NvidiaやBroadcomなど半導体株が下落しました。銀行株も、クレジットカード金利規制懸念から利益予想を上回る決算でも売られました。卸売インフレの落ち着きと小売売上高の堅調さは、FRBの金利据え置き期待を支えました。


1/15(木)半導体と銀行の反発で相場回復
主要銀行の好決算と半導体株高を背景に反発。S&P500とナスダックはともに0.2%高。TSMCの好業績とAI関連投資拡大がNvidiaやApplied Materialsなどを押し上げました。銀行ではGoldman Sachs、Morgan Stanleyが堅調でした。雇用指標は労働市場の底堅さを示し、景気後退懸念を和らげました。


1/16(金)FRB人事不透明感の中で横ばい
地政学リスクとFRBを巡る不透明感の中、主要指数はほぼ横ばい。トランプ大統領のFRB議長人事を巡る発言が注目されました。半導体株はAI需要と対米投資期待を背景に上昇した一方、金融株は金利上限案への懸念から出遅れ。週間ではラッセル2000以外の主要指数はいずれも小幅な下落にとどまりました。

  • S&P500 -0.38%
  • NASDAQ -0.66%
  • ダウ -0.29%
  • ラッセル2000 +2.04%

【S&P500の15分足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【S&P500の15分足チャート】 

↑週間で-0.38%。上下動を繰り返した後にマイナスで終了。

【NASDAQの15分足チャート 
 ※TradingView提供のチャート

【NASDAQの15分足チャート】 

↑週間で-0.66%。S&P500と同様、週を通じて上下動を繰り返した後にマイナスで取引を終了しました。

【ダウの15分足チャート 
 ※TradingView提供のチャート

【ダウの15分足チャート】 

↑週間で-0.29%。S&P500やNASDAQと同様にマイナスを記録。

※インド・中国・日本などは以下参照
 リンク

【米国株の各セクターの週間パフォーマンス (出典:finviz) 

【米国株の各セクターの週間パフォーマンス(出典:finviz)】 

↑セクター別ではエネルギー/生活必需品/不動産/工業/素材セクターが強かったです。一方、消費者裁量/通信セクターは弱かったです。

【S&P500の週間ヒートMap (出典:finviz) 

【S&P500の週間ヒートMap(出典:finviz)】 

↑ビックテックを除く銘柄が相対的にパフォーマンスがよかったです。特に目につくのは生活必需品/工業/不動産/エネルギーセクターで全体的にプラスを記録。

【S&P500の日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【S&P500の日足チャート】 

↑現在10日移動平均線をわずかに下回った位置で推移しています。金曜の下げでは出来高増加とともに下落しました!

【NASDAQの日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【NASDAQの日足チャート】 

↑S&P500と同様、10日移動平均線を下回った位置で推移しています。

【ダウの日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【ダウの日足チャート】 

↑現在すべての移動平均線(10日/21日/50日/200日移動平均線)を上回っており、過去史上最高値付近で推移しています。

【ラッセル2000の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャート

【ラッセル2000の日足チャート】

↑ダウと同じく、すべての移動平均線(10日/21日/50日/200日移動平均線)を上回っており、過去史上最高値を更新しました。

ADライン

指数の値動きとADラインを見比べると各指数の印象は以下のとおり。
・S&P500
 「指数<ADライン」からビックテック以外の銘柄が強い
・NASDAQ
 「指数>ADライン」から一部の強いテック株が牽引
・ダウ
 「指数>ADライン」から一部の銘柄が指数の上昇を牽引

S&P500のADライン(出典:Market In Out)

【S&P500のADライン】

NASDAQのADライン(出典:Market In Out)

【NASDAQのADライン】

ダウのADライン(出典:Market In Out)

【ダウのADライン】

 

ディストリビューションディ

ディストリビューションデイですが、1/16時点で、SP500は4回、NASDAQは6回となっており、先週からSP500のみ1回増加しました。

週間カウント数の推移
・1/12 SP500:3回/NASDAQ:6回
・1/13 SP500:3回/NASDAQ:5回
・1/14 SP500:3回/NASDAQ:5回
・1/15 SP500:4回/NASDAQ:6回
・1/16 SP500:4回/NASDAQ:6回

ディストリビューションディ

米国のセクターETF 年初来パフォーマンス BEST5

順位変動はないもののトップ5のセクターは全て上昇。

  1. XSD(半導体):9.47%(→)
  2. XLB(素材):7.96%(→)
  3. XLE(エネルギー):6.87%(→)
  4. XLI(資本財):6.49%(→)
  5. XLY(一般消費財):6.04%(→)

コモディティ&暗号通貨ETF 年初来パフォーマンス BEST5

個人投資家が積極的に投資しているであろうシルバーが再浮上。

  1. SLV(シルバー):29.34%(↗3)
  2. URA(ウラン):23.52%(↘1)
  3. PPLT(プラチナ):17.29%(→)
  4. PALL(パラジウム):13.85%(↘2)
  5. ETHA(イーサリアム):10.7%(→)

カントリーETF 年初来パフォーマンス BEST10

先週とほぼ同じ構図ですが、AI関連銘柄の勢いで韓国やオランダ、ベネズエラ関連で注目されている南米のコロンビアやチリ、ペルーが上位にランクイン。

  1. EPU(ペルー):14.73%(↗5)
  2. EWY(韓国):14.23%(↘1)
  3. COLO(コロンビア):10.55%(→)
  4. TUR(トルコ):10.23%(↘3)
  5. ECH(チリ):9.28%(→)
  6. EIS(イスラエル):8.44%(↘2)
  7. EWN(オランダ):8.01%(↗8)
  8. IWM(ラッセル2000):7.86%(→)
  9. EWH(香港):7.34%(↗3)
  10. EZA(南アフリカ):7.18%(↗18)

※各セクター&カントリーETFの詳細は以下参照
 リンク

S&P500のバリュエーション

2026年1月16日に発行されたファクトセットのレポートによると、S&P500の12カ月先PERは22.2倍で、5年平均20.0倍と10年平均の18.8倍を上回っています。

また、実績PERは現在28.4倍となっており、5年平均の25.0倍と10年平均の23.0倍を上回っています。

参考までに”Macrotrends LLC” に掲載されている最新の実績PERは、29.67倍となっており、1950/1~2026/1月の平均値18.84を大幅に上回っています。

またドットコムバブル時の天井である2000年3月の29.41倍、コロナ禍から復活したブル相場の天井とされる2021年12月の24.09倍よりも高い値となっています。

S&P500 Trailing PER 1950/1/1~2026/1/16
(出典:Macrotrends LLC)

※グレーはリセッション

センチメント

先週と同じく強気継続ですが、VIX/Put Call Ratio/S&P500指数の値動きからやや陰りがみえてきている印象です。以下、センチメントに関わる数値などです。

  • 「VIX」は、先週末の14.49から15.86となり上昇。
  • 「Put Call Ratio」は、先週末の終値0.76から0.73に低下。
  • 「ブルベア指数」は、ブル57.4 vs ベア16.7となり、今週さらにブルとベアの差が拡大しました。
  • S&P500は、10日移動平均線をわずかに下回る位置で推移しています。

※ INVESTOR’S BUSINESS DAILYの値引用

VIXの日足チャート】
 ※TradingView提供のチャー

【VIXの日足チャート】

↑金曜に下落をみせたものの先週同様、週を通じて上昇基調でした。

Put Call Ratio(出典:IBD)】

【Put Call Ratio(出典:IBD)】

↑Put Call Ratioは一時0.87まで上昇したものの最終的には0.73におちついており、先週の数値から低下しています。

ブルベア指数(出典:IBD)

【ブルベア指数(出典:IBD)】

↑先週に続き、今週もわずかにブル上昇&ベア下落で、さらにGap拡大。

S&P500の日足チャート】
 ※TradingView提供のチャー

【S&P500の日足チャート】

↑今週は週間パフォーマンスがマイナス。水曜には瞬間風速で21日移動平均線を下にきりましたが、金曜では10日移動平均線をわずかに下回る位置で取引を終了。

経済指標&イベント

以下、今週確認してきた内容の結果です。

ポジティブサプライズ
・米・CPI(コア)
・米・小売売上高
・米・新規失業保険申請件数
・米・鉱工業生産指数

ネガティブサプライズ
・米・PPI(総合&コア)

ノンサプライズ
・米・CPI(総合)
・独・CPI(確報)

米・CPI

総合は、年率2.7%で横ばいで予想一致。コアは、年率2.6%で予想2.7%を下回るポジティブサプライズでした。

米・CPI

【エネルギー】ガソリン下落・燃料油鈍化で圧力緩和、天然ガスは上昇
【消費財】中古車・トラックの上昇ペース鈍化
【食品・住居】物価上昇が加速

米・小売売上高

11月小売売上高は前月比+0.6%。10月-0.1%から回復し、予想+0.4%を上回るポジティブサプライズとなりました。

米・小売売上高

伸びた分野
スポーツ・趣味等+1.9、その他小売+1.7、ガソリン+1.4、建材園芸+1.3、自動車部品+1.0、衣料+0.9、外食+0.6、非店舗+0.4等。
横ばい/減少
総合商品・電器横ばい、家具-0.1。
除外ベース
GDP算定用除外分を除く売上+0.4%(10月+0.6%に続く、予想通り)。

米・PPI

総合&コアともに予想よりも高く、いずれも3%の結果となりネガティブサプライズを記録しました。

米・PPI

【商品】+0.9%、エネルギー+4.6%が主因
【除く食・エネ商品】+0.2%、食品は横ばい
【サービス】横ばい(前月+0.3%後)

米・新規失業保険申請件数

前週比9,000件減の19.8万件となり、予想(21.5万件)を下回るポジティブサプライズとなりました。これは、2年ぶりの低水準です。

米・新規失業保険申請件数

■ 継続受給
1.9万件減の188.4万件。10月以降の減少傾向継続も、22年平均超。

■ 労働市場評価
解雇が少なく、雇用環境は比較的堅調。

■ 連邦職員
政府閉鎖影響で初期申請は170件増の646件。

独・CPI(確報)

12月は前年比1.8%と11月(2.3%)から低下し、予想と一致の結果でした。ECB目標2%を下回り、21年初以来の低水準となっています。

独・CPI(確報)

■ 物価動向の要因
食品の伸び鈍化(0.8%)、暖房油(▲5.3%)や電気(▲2.2%)下落でエネルギー価格が低下。

■ サービス価格
旅客輸送(11.4%)や社会サービス(8.7%)上昇で、3.5%と高止まり。

■ コア・調整指標
コアインフレは2.4%に低下。EU調整CPIは2.0%で7月以来の低水準。

米・鉱工業生産指数

12月は前月比0.4%増。予想(0.2%)を上回るポジティブサプライズ。

米・鉱工業生産指数

■ 内訳
・製造業+0.2%、公共事業+2.6%(天然ガス+12%)。
・鉱業は▲0.7%。

■ 稼働率
・76.3%に上昇も、長期平均を下回る。

決算

今週は10社チェックしました。
特に気になる銘柄なしです。

・10%以上値上がりした銘柄
➡なし
・10%以上値下がりした銘柄
➡なし

2026/1/13 決算発表 ~JPM,DAL~

2026/1/14 決算発表 ~WFC,C,BAC~

2026/1/15 決算発表 ~TSM,GS,JBHTなど~

1/19週の注目内容

関心のある経済指標&イベント

来週は以下の経済指標&イベントに注目です。

  • 1/19(月) 米・休場(マーティン・ルーサー・キング・デー)
  • 1/22(木) 米・実質GDP
  • 1/22(木) 米・PCE
  • 1/22(木) 米・新規失業保険申請件数
  • 1/23(金) 米・ミシガン大学消費者信頼感指数

関心のある決算

来週は19社チェック予定です。

  • 1/20(火)プレ スリーエム(MMM)
  • 1/20(火)プレ DRホートン(DHI)
  • 1/20(火)アフター ネットフリックス(NFLX)
  • 1/20(火)アフター ユナイテッド航空(UAL)
  • 1/20(火)アフター インタラクティブブローカーズ(IBKR)
  • 1/21(水)プレ ジョンソン&ジョンソン(JNJ)
  • 1/21(水)プレ ハリバートン(HAL)
  • 1/21(水)プレ チャールズシュワッブ(SCHW)
  • 1/22(木)プレ プロクター&ギャンブル(PG)
  • 1/22(木)プレ フリーポートマックモラン(FCX)
  • 1/22(木)プレ GEエアロスペース(GE)
  • 1/22(木)プレ アボットラボラトリーズ(ABT)
  • 1/22(木)アフター インテル(INTC)
  • 1/22(木)アフター イントゥイティブサージカル(ISRG)
  • 1/22(木)アフター キャピタルワン(COF)
  • 1/22(木)アフター アルコア(AA)
  • 1/23(金)プレ シュルンベルジェ(SLB)
  • 1/23(金)プレ エリクソン(ERIC)

来週は、政府閉鎖で遅れていた経済指標の発表が再開され、個人所得・支出(PCE物価指数)第3四半期GDP改定値が最大の注目点です。

また、PMIや消費者信頼感など先行指標も相次ぎます。

加えて、米国の主要企業決算では、景気減速下でも収益を維持できる企業とそうでない企業の選別が一段と進む週になる見通しです。

それでは、また👋

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