総括
今週の世界株式市場は、中東情勢と原油価格の変動に強く左右され、停戦期待で上昇、緊張再燃で下落する不安定な値動きが各地域で共通していました。
アジアでは中国のデフレ緩和やAI・半導体需要が下支えとなり、日本や韓国は上昇基調を維持。
オセアニアやインドも外部要因に振られつつ、金融政策や内需の強さで堅調でした。
欧州やカナダ、ブラジルはエネルギー価格と金利動向に左右され、セクター間の資金移動が顕著。
米国はAI主導の大型ハイテク株が市場を牽引しました。
総じて、地政学リスクに揺れながらも成長テーマと内需が相場を支えた構図となっています。
欧州(STOXX50,STOXX600)
今週の欧州株は、中東情勢を中心とした地政学リスクに大きく左右されました。
前半は戦争激化によるエネルギー価格上昇で下落しましたが、停戦合意をきっかけに急反発。
その後は停戦の不確実性から再び不安定化したものの、週末には緊張緩和期待で持ち直しました。
エネルギー価格と金利動向が市場の方向性を左右し、銀行・産業・エネルギーなどセクター間の資金移動が顕著な一週間となりました(シーメンス、シュナイダー、エアバス、サンタンデール、ユニクレディト、bnpパリバ、BBVA、エニ、トタルエナジーズ)。
【STOXX50の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+4.10%。年初来+2.42%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【STOXX600の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+3.05%。年初来+3.80%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ドイツ(DAX指数)
今週のDAXは、中東情勢を軸とした「急落→急騰→調整→様子見」という典型的なイベントドリブン相場となりました。
停戦合意がもたらした原油価格の下落とインフレ懸念の後退が、景気敏感株(インフィニオン、シーメンスエナジー、シーメンス、ハイデルベルグマテリアルズ)を中心に強い上昇を引き起こした一方、その持続性への疑念がすぐに調整を招きました。
加えて、ホルムズ海峡の状況や各地の地政学リスクが市場の方向性を左右し続けています。
結果として週間では上昇したものの、相場の本質は依然として不安定であり、エネルギー供給と地政学の動向がドイツ株の最重要ドライバーであることが改めて示されました。
【DAX指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+2.74%。年初来-2.84%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
フランス(CAC40指数)
今週のCAC40は、中東情勢に強く左右される「典型的なリスク相場」となりました。
火曜日の急落、水曜日の急騰に象徴されるように、停戦期待と衝突懸念が短期間で交錯し、ボラティリティが大きく上昇しました。
特に高級株や金融株(ロレアル、エルメス、ケリング、LVMH、ソシエテ・ジェネラル、bnpパリバ)は地政学と景気見通しの影響を強く受け、エネルギー株(トタルエナジーズ)は原油動向に連動する形で逆の動きを見せました。
全体としては、実体経済の弱さに加え、地政学リスクが主導する不安定な相場環境が続いています。
【CAC40指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+3.73%。年初来+1.63%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イタリア(Milano Italia Borsa指数)
今週の欧州株は中東情勢に強く左右され、前半は軍事リスクの高まりで下落しましたが、停戦合意を契機に急反発しました。
その後は停戦の不確実性を背景に、エネルギー・防衛とそれ以外のセクター(エニ、プリズミアン、STマイクロエレクトロニクス、フェラーリ、モンクレール、ブルネロ・クチネリ、エニ、ユニクレディト、インテーザ・サンパオロ)で明暗が分かれる展開となりました。
最終的には外交進展への期待が相場を支えたものの、原油価格や金利動向を通じたインフレ懸念が残り、市場は依然として地政学リスクに敏感な状態が続いています。
【Milano Italia Borsa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+4.35%。年初来+5.80%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イギリス(UK100指数)
今週のFTSE100は、中東情勢の進展に大きく左右される展開となりました。
前半は緊張激化で下落しましたが、停戦合意が市場のリスク選好を急回復させ、その後は停戦の不確実性を織り込みながらの神経質な推移となりました。
特に原油価格の変動がセクター間の明暗を分け、エネルギー株とそれ以外の景気敏感株(シェル、BP、スタンダードチャータード、ロールス・ロイス、HSBC、ロイズ、バークレイズ)が逆方向に動く構図が鮮明となりました。
結果として指数は週ベースで上昇したものの、本質的には「地政学リスクとエネルギー価格」が市場の主導要因であり、安定的な上昇基調には至っていない状況が示されました。
【UK100指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.57%。年初来+6.74%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
インド(BSEセンセックス指数)
今週は、米国とイランを巡る地政学リスクと原油価格の変動に大きく左右されました。
停戦期待と原油安が上昇局面を牽引する一方、その持続性への懸念が短期的な調整を招きました。
ただし、金融株(アクシス銀行、バジャジファイナンス、HDFC銀行、ICIC銀行)を中心とした国内要因の強さや中央銀行の安定的な政策姿勢が相場の下支えとなり、結果として週全体では大幅上昇となりました。
今後も外部環境に敏感な展開が続く一方、金融セクターの動向が市場の方向性を左右する重要な軸となります。
【BSEセンセックスの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+5.77%。年初来-9.04%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
中国(上海総合指数,深セン総合指数)
今週の中国株は「中東情勢」と「国内インフレ動向」という二つの軸に強く左右されました。
停戦期待が高まると急騰し、不透明感が強まると下落するなど、地政学リスクに対する感応度の高さが顕著でした。
一方で、物価指標の改善によりデフレ脱却への期待が徐々に強まり、特にテクノロジー株(Zhongji Innolight、Eoptolink Technology、NAURA Technology、現代アンペレックス技術、中技インノライト)を中心に資金流入が続いた点はポジティブです。
総じて、中国市場は外部環境に振られつつも、内需回復と構造改善への期待が下支えとなる展開となりました。
【上海総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+2.74%。年初来-0.02%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【深セン総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+7.16%。年初来+4.96%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
日本(日経平均、TOPIX)
今週の日本株は、「中東情勢」と「テクノロジー株主導の成長期待」に大きく左右されました。
停戦期待が高まる局面ではリスクオンが強まり急騰し、不透明感が増すと反落するなど、外部環境への感応度の高さが際立ちました。
特にエネルギー輸入依存の高さから、原油価格やホルムズ海峡の動向が市場に直接影響しました。
一方で、AI需要を背景とした半導体関連株の強さ(キオクシアホールディングス、アドバンテスト、フジクラ、ディスコ)が相場の基調を支え、週間では大幅上昇を記録。
総じて外部リスクに揺さぶられながらも、成長テーマへの資金流入が相場を押し上げた一週間となりました。
【日経平均の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+7.15%。年初来+11.59%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【TOPIXの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+2.60%。年初来+8.44%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
韓国(KOSPI総合指数)
今週の韓国株は「半導体・AI需要」と「中東情勢」という二大要因に大きく左右されました。
AIを背景とした半導体の強い成長期待が市場の基調を押し上げる一方で、米国とイランを巡る地政学リスクが短期的な変動を引き起こしました。
停戦期待が高まる局面では急騰し、不透明感が強まると急落するなど、外部要因への高い感応度が顕著でした。
また、原油価格の変動はインフレ見通しを通じて市場に直接影響を与えました。
総じて、韓国市場は構造的には半導体主導の強気基調を維持しつつも(サムスン電子、SKハイニクス)、外部環境に大きく振られる不安定な展開となりました。
【KOSPI総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+8.96%。年初来+38.69%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
香港(香港ハンセン指数)
今週の香港株は、「中東情勢」と「中国本土の物価動向」に大きく左右されました。
停戦合意による安心感が広がる局面では大きく上昇した一方、情勢の不透明化や緊張再燃時にはすぐに下落するなど、地政学リスクへの高い感応度が際立ちました。
また、中国のデフレ圧力の緩和が確認され始めたことは、中長期的な企業収益改善への期待を高めるポジティブ要因となりました。
総じて、外部環境に振られやすい状況は続くものの、中国経済の底打ち期待が市場の下支えとなる構図が見られました。
【香港ハンセン指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+3.09%。年初来+0.68%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
オーストラリア(ASX200指数)
今週のオーストラリア株式市場は、「中東情勢」と「インフレ動向」という二つの要因に大きく左右されました。
停戦合意によるリスク後退局面では株価が大きく上昇する一方、情勢不安や交渉前の警戒感が高まると上値が抑えられる展開となりました。
また国内ではインフレの再加速が確認され、金融政策や企業コストへの影響が意識され始めています。
それでも、銀行株や資源株を中心に底堅い買いが入り(ライナス・レアアース、グレートランド・リソース、ミネラル・リソース、BHP)、週間での上昇を維持した点はポジティブです。
総じて、外部要因に振られつつも、バリュエーション調整後の押し目買いが市場を支える構図が明確となった週でした。
【ASX200指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+4.44%。年初来+2.83%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ニュージーランド(NZX50指数)
今週のニュージーランド株は、前半は上昇基調、後半は調整という流れとなりました。
RBNZの金利据え置きによる金融環境の安定と、中東停戦によるリスク選好の回復が上昇の主因となった一方、停戦の不安定さや地政学リスクの再燃が相場の重しとなりました。
また、中国や米国の経済指標への警戒も強く、外部環境への依存度の高さが改めて示されました。
総じて、国内の金融政策は下支え要因であるものの、短期的には地政学と海外経済に左右されやすい不安定な相場環境が続いています。
【NZX50指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+2.16%。年初来-2.71%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
カナダ(TSX総合指数)
今週のカナダ株は中東情勢と資源価格に大きく左右されました。
前半はエネルギー高が支えとなりましたが、停戦合意による原油下落で相場は大きく変動。
その後は再び緊張が高まり不安定な展開となりましたが、週末にかけては外交進展期待で持ち直すことができました。
金融・資源・ハイテクのセクター間で資金移動が顕著であり(アグニコイーグルマインズ、バリックゴールド、ウィートン・プレシャス・メタルズ、カメコ、Shopify、コンステレーションソフトウェア、カナディアン・ナチュラル・リソーシズ、サンコア・エナジー、インペリアル・オイル)、特に原油と金価格の動向が市場全体の方向性を左右する構造が鮮明となりました。
【TSX総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.77%。年初来+5.91%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ブラジル(Bovespa指数)
今週のイボヴェスパは、中東情勢に強く左右される展開でした。
前半は停戦不透明感と原油高によるスタグフレーション懸念が重しとなりましたが、停戦報道を契機に後半は一転してリスクオンへ転換しました。
特に金融株(バンコ・ブラデスコ、バンコ・ド・ブラジル、イタウ)は金利見通しの変化に敏感に反応し、相場の主導役となりました。
また、エネルギー価格の動向がインフレ期待や資金流入見通しを通じて市場全体に波及しており、ブラジル市場が依然として「資源・金利・地政学」の三要因に大きく依存している構図が改めて浮き彫りとなりました。
【Bovespa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+4.93%。年初来+22.47%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
アメリカ(S&P500,NASDAQ,ダウ)
今週の米国株は、中東情勢に大きく左右される展開でした。
前半は軍事緊張で不安定でしたが、停戦期待の高まりにより中盤に急騰し、その後は高値圏で価格は推移しました。
特にAIを中心としたハイテク株(アルファベット、アマゾン、マイクロン、ブロードコム、エヌビディア、メタ、テスラ、AMD)が相場を牽引し、リスク選好の回復を象徴。
一方で、停戦の脆弱さやエネルギー供給リスクは依然として残り、市場は楽観と警戒の間で揺れる構造が続いています。
【S&P500指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+3.56%。年初来-0.89%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【NASDAQの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+4.68%。年初来-2.46%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【ダウの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+3.04%。年初来-0.39%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)


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