総括
今週の世界株式市場は、中東情勢を起点とする原油価格の変動に強く支配され、全体的に不安定で方向感に欠ける展開となりました。週前半は外交進展期待による原油安でリスクオンが広がりましたが、後半は交渉不透明感の再燃により原油高・インフレ・金利上昇懸念が強まり、リスクオフへ急転換しました。特に欧州や日本、インド、韓国などエネルギー輸入依存度の高い国では、インフレ圧力と景気減速懸念が株価の重石となりました。一方、カナダやブラジルなど資源国は資源株が下支えしましたが、金融株などは圧迫されました。中国や香港は政策期待が下支えとなるも外部リスクに押され、米国もハイテク株中心に調整しました。総じて「地政学→原油→インフレ→金利」という連鎖が各国市場を左右しました。
欧州(STOXX50,STOXX600)
今週の欧州株は「エネルギー価格と地政学に強く依存する構造」を改めて示しました。週前半は外交進展期待によるエネルギー価格低下で上昇しましたが、後半は緊張再燃による原油高がインフレと利上げ観測を押し上げ、急速にリスクオフへ転換しました。特に欧州はエネルギー輸入依存度が高いため、価格上昇が企業収益と消費の双方を圧迫しやすい状況です。結果として、銀行・産業を中心に下押し圧力が強まり、相場は不安定かつ下方向へのバイアスを強める展開となりました。
【STOXX50の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.08%。年初来-4.84%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【STOXX600の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.36%。年初来-2.87%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ドイツ(DAX指数)
今週のDAXは「地政学リスクとエネルギー価格に翻弄された不安定な相場」となりました。週前半は外交進展への期待から上昇する場面もありましたが、実際には交渉不透明感が続き、後半にかけてリスクオフが強まりました。特に欧州はエネルギー依存度が高く、原油・ガス価格の変動がインフレと金融政策見通しに直結するため、株価への影響が大きいです。結果として、利上げ観測の変動と景気減速懸念が重なり、上昇と下落を繰り返しながらも方向感に欠ける弱含みの展開でした。
【DAX指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.35%。年初来-8.97%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
フランス(CAC40指数)
今週のCac40は「中東情勢の期待と失望の往復」に強く左右されました。週前半は外交進展への期待からリスクオンが進みましたが、実際には交渉不透明感と軍事的緊張が断続的に再燃し、後半はリスクオフへ転じました。さらに原油価格の変動がインフレと金融政策見通しに直結し、ECBのタカ派姿勢が株価の重石となった点も重要です。結果として、市場は地政学・エネルギー・金融政策という3要因に同時に振られる不安定な構造にあり、持続的な上昇トレンドには至りませんでした。
【CAC40指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.47%。年初来-5.23%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イタリア(Milano Italia Borsa指数)
今週のFTSE MIBは、中東情勢と原油価格の動向に強く左右されました。週前半は「緊張緩和期待→原油安→金利低下」という流れで銀行株主導の上昇が見られましたが、後半は「交渉不透明→原油高→金利上昇」という逆の流れとなり、金融株を中心に下落しました。つまり本質的には、エネルギー価格を起点にインフレ期待と金利が変動し、それが株式市場の方向性を決める構図が鮮明な1週間でした。
【Milano Italia Borsa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.26%。年初来-3.60%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イギリス(UK100指数)
今週の英国株は「中東情勢と原油価格」に強く左右される展開でした。原油の上下に応じてエネルギー株と市場全体の方向感が揺れ動き、相場は上下を繰り返しました。銀行や鉱業が回復局面を支えた一方、消費者信頼感の低下など内需面の弱さも意識されています。結果として週間では小幅上昇となったが、地政学リスクとインフレ・金利不安が続く限り、不安定な相場環境が継続するとみられます。
【UK100指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.49%。年初来+0.36%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
インド(BSEセンセックス指数)
今週のインド株は「中東情勢と原油価格」が主導し、乱高下する展開となりました。前半は地政学リスクで急落し、その後は原油下落と交渉期待で反発しましたが、後半は再び不透明感と外資流出で下落し、週間ではマイナスとなりました。特にインドはエネルギー輸入依存度が高く、「原油→インフレ→成長鈍化」の連鎖が株価に直結する構造が改めて意識されました。
【BSEセンセックスの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.27%。年初来-13.69%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
中国(上海総合指数,深セン総合指数)
今週の中国株は「中東情勢」と「インフレ・金利観測」、そして「中国当局の政策期待」に大きく左右されました。週前半は地政学リスクによる急落、後半は交渉期待と国内支援策で持ち直す場面もありましたが、最終的には不透明感が勝り週間では下落しました。構造的には、エネルギー価格を起点としたインフレ圧力と、それに伴う金融環境の変化が世界株式と連動して中国市場にも影響しています。一方、国内経済指標や政策スタンスは下支え要因となっており、「外部リスク vs 内部支援」の綱引きが続く局面といえます。
【上海総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.09%。年初来-1.84%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【深セン総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.76%。年初来+0.93%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
日本(日経平均、TOPIX)
今週の日本株は「中東情勢」と「原油価格を通じたインフレ・金利観測」に強く左右されました。週前半は地政学リスクで急落し、その後は交渉期待による原油下落を受けて急反発しましたが、後半は再び不透明感が強まり下落に転じました。結果として相場は方向感に欠ける展開となり、特にエネルギー価格の変動が日本のような輸入依存経済に与える影響の大きさが改めて意識されました。今後も「中東情勢→原油→インフレ→金融政策」という連鎖が日本株の主要ドライバーとなると思われます。
【日経平均の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間0%。年初来+4.63%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【TOPIXの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.12%。年初来+5.83%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
韓国(KOSPI総合指数)
今週の韓国株は「中東情勢」と「原油価格」、そして「為替(ウォン安)」に強く左右されました。週前半はエネルギー価格上昇と通貨安によるダブルパンチで急落し、その後は交渉期待による原油下落で反発しましたが、後半は再び不透明感が強まり下落基調に戻りました。特に韓国はエネルギー輸入依存度が高いため、「原油→インフレ→企業収益悪化」という影響が直接的に株価へ波及しやすい構造が鮮明です。結果として相場は不安定で、地政学ニュースに振り回される展開が続きました。
【KOSPI総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-5.92%。年初来+28.47%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
香港(香港ハンセン指数)
今週の香港株は「中東情勢によるエネルギー価格」と「中国経済・政策期待」の綱引きとなりました。週前半は地政学リスクによる急落、後半は押し目買いや中国要因で持ち直す場面もありましたが、全体としては不安定な値動きが続きました。特に原油価格上昇を通じたインフレと金利上昇懸念が資本流出を招きやすい構造が浮き彫りとなる一方、中国の景気回復期待と政策支援が下支え要因となっています。今後も「外部リスク(中東)と内部要因(中国経済)」のバランスが相場の方向性を左右する展開が続くと思われます。
【香港ハンセン指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.29%。年初来-2.98%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
オーストラリア(ASX200指数)
今週の豪州株は「中東情勢」と「インフレ・金融政策」が主導する展開でした。週前半は地政学リスクで大きく下落し、その後は交渉進展期待とインフレ鈍化で急反発しましたが、後半は再び不透明感が強まり上値を抑えられました。結果として週間では上昇したものの、相場の方向感は不安定であり、エネルギー価格やインフレ期待を通じて金融政策に波及する構造が鮮明となっています。今後も「地政学→資源価格→インフレ→金利」という連鎖が市場の核心テーマとなる見込みです。
【ASX200指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.04%。年初来-2.27%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ニュージーランド(NZX50指数)
今週のニュージーランド株は「地政学リスク」と「インフレ・金融政策」、そして「国内財政への懸念」が交錯する展開でした。前半は格付け問題と中東情勢で大きく下落し、後半は交渉期待で一時反発したものの、最終的には不透明感が勝り週間ではマイナスとなりました。特にエネルギー価格上昇を起点としたインフレ圧力が利上げ観測を強め、景気や消費マインドを冷やす構図が鮮明です。今後も外部要因に強く左右される不安定な相場が続くとみられます。
【NZX50指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.42%。年初来-4.52%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
カナダ(TSX総合指数)
今週のTSXは「資源価格と地政学に強く左右されるカナダ市場の特性」が鮮明となりました。前半は中東の緊張緩和期待による原油安でリスクオンとなりましたが、後半は原油急騰によりインフレと金利上昇懸念が再燃し、相場は失速しました。特にカナダ市場ではエネルギー・鉱業株が指数の下支えとして機能する一方、金利に敏感な金融・テクノロジー株が圧迫されやすい構造が確認されました。結果として、資源株主導で底堅さは見られるものの、外部要因に左右される不安定な展開が続きました。
【TSX総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+2.05%。年初来+0.46%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ブラジル(Bovespa指数)
今週のイボヴェスパは「地政学とインフレに振られる典型的なボラティリティ相場」となりました。週前半は中東の緊張緩和期待により急騰しましたが、その後は交渉不透明感と原油価格の再上昇が繰り返し市場心理を悪化。特にブラジルでは原油価格がインフレと金利見通しに直結するため、金融株を中心に影響が大きく、指数の方向性を左右しました。結果として、資源株が下支えする一方で内需・金融が圧迫される構図が鮮明となり、外部要因に強く依存する不安定な相場環境が続きました。
【Bovespa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+3.03%。年初来+12.68%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
アメリカ(S&P500,NASDAQ,ダウ)
今週の米国株は「地政学と原油価格に支配された乱高下相場」となりました。週前半は外交進展期待により上昇しましたが、実際には交渉不透明感が続き、原油価格の上下に連動して市場心理も大きく揺れ動きました。特に原油高はインフレと金利上昇を通じてハイテク株のバリュエーションを圧迫し、後半の急落につながりました。結果として、エネルギー株が相対的に強い一方、テクノロジーや金融など主力セクターが下押しされ、スタグフレーション懸念が市場の中心テーマでした。
【S&P500指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-2.12%。年初来-7.40%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【NASDAQの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-3.23%。年初来-10.79%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【ダウの週足チャート】
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↑週間-0.90%。年初来-6.11%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)

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