総括
世界の株式市場は、AI需要を追い風に上昇基調ですが、米関税やインフレ不安で神経質な展開となっています。
中国は政策期待、豪州は資源高で高値を更新しました。
日韓は半導体主導で上昇するも過熱感が見られます。
欧州やカナダも堅調ですが、今後は政策と物価動向が焦点となります。
欧州(STOXX50,STOXX600)
今週の欧州株は、AI需要の持続性と米国の関税政策という二大テーマに揺れながらも、エネルギー・産業・保険など内需・ディフェンシブ分野(エネル、エニ、アリアンツ、AXA)が下支えとなり、高値圏を維持しました。
テクノロジー(ASML、インフィニオン、SAP、Adyen)は米国動向に敏感でボラティリティが大きく、銀行株(サンタンデール、インテーザ・サンパオロ,、ドイツ銀行)はインフレと金利見通しに左右されました。
指数は堅調ですが、セクター間の資金循環が鮮明となっており、AI投資の持続性とECB政策が今後の焦点となります。
【STOXX50の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.12%。年初来+6.09%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【STOXX600の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.52%。年初来+7.01%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ドイツ(DAX指数)
今週のDAXは、米国の関税政策とAI投資持続性への懸念に左右されつつも、企業決算が下支えし底堅さを維持しました。
輸出・テクノロジー株(BMW、Volkswagen、SAP、Airbus)は関税ニュースに敏感で、銀行株(コメルツ銀行、ドイツ銀行)はインフレ・金利観測に左右されました。
指数は高値圏での神経質な推移をしながら、月間では上昇を確保しました。
今後は①米欧貿易交渉の行方、②AI関連投資の実需確認、③ECBの金融政策が主要ドライバーとなります。
【DAX指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.09%。年初来-0.02%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
フランス(CAC40指数)
今週のCAC40は、米国の関税政策や地政学リスクに揺れながらも、エネルギー・産業株の好決算(エンジー、シュナイダーエレクトリック)と資金シフトを背景に連日で史上最高値を更新しました。
前半は高級品と内需株(LVMH、ケリング、ロレアル)、後半はエネルギー・インフラ関連(エンジー、シュナイダーエレクトリック)が主導しました。
一方で、景気減速や関税問題、業種間の明暗が鮮明化しており、指数は堅調でも物色は循環的となっています。
マクロ減速下での企業収益の持続性が今後の焦点となります。
【CAC40指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.77%。年初来+5.58%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イタリア(Milano Italia Borsa指数)
今週のイタリア株は、エネルやエニなどエネルギー大手の好材料と企業決算が支えとなり、FTSE MIBは歴史的高値圏へ上昇しました。
一方で、米EU関税問題が不透明感を残し、週後半は銀行再編を巡る思惑で金融株(UniCredit、Intesa Sanpaolo)が急落しました。
エネルギー・資源株の強さ(エネル、エニ)と金融セクターの不安定さ(UniCredit、Intesa Sanpaolo)が対照的で、対外貿易政策と国内銀行再編が今後の焦点となります。
【Milano Italia Borsa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.59%。年初来+4.91%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
イギリス(UK100指数)
今週のFTSE100は、関税不透明感や景気懸念に揺れながらも、銀行の好決算(HSBC)、資源価格上昇(Fresnillo、アンフォガスタなど)、そして自社株買い・株主還元策(JDスポーツ、London Stock Exchange Group、)を背景に断続的に最高値を更新しました。
特に①金融株の収益力、②資源・エネルギー価格の底堅さ、③AI関連・情報サービス企業の成長期待、が相場を牽引しました。
一方で関税・消費者信頼感・政治リスクが重石となり、セクター間の循環が鮮明な一週間でした。
基調は強いですが、外部環境次第で変動性は高まりやすい局面となっています。
【UK100指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+2.09%。年初来+9.86%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
インド(BSEセンセックス指数)
今週のセンスックスは、①米関税政策を巡る不透明感、②AIによるIT業界構造変化への警戒、③海外資金フローの変動、という外部要因に大きく左右されました。
前半は関税緩和期待で上昇しましたが、AI競争激化と地政学リスクが重なり失速しました。
銀行・自動車といった内需主導セクター(マルチ・スズキ、テック・マヒンドラ、ICIC銀行、HDFC銀行、コタック・マヒンドラ銀行)が売られる一方、防御株や一部IT株への選別(インフォシス、hclテクノロジーズ、バルティ・エアテル)が進みました。
基礎的な成長環境は維持されているものの、グローバル環境次第で変動性が高まりやすい局面です。
【BSEセンセックスの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.84%。年初来-4.14%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
中国(上海総合指数,深セン総合指数)
週前半は春節前後の需給と関税不透明感に左右されましたが、休暇明けは関税緩和期待とAI関連物色(中技イノライト、蘇州TFC、レンジインテリジェント、Eoptolinkテクノロジー、ギガデバイス半導体、華工テクノロジー、ビクトリージャイアントなど)で回復しました。
中盤は資源・新エネの調整(CATL、サングロウ、コンテンポラリー・アンペレックス、、中国北方レアアースなど)が重石となるも、政策期待が相場を下支えしました。
総じて、中国株は外部要因(米関税・AI動向)に敏感に反応しつつも、国内金融緩和の継続と年次国会への政策期待を背景に底堅さを維持した一週間でした。
【上海総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.98%。年初来+6.73%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【深セン総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+2.80%。年初来+8.67%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
日本(日経平均、TOPIX)
今週の日本株は、AI関連需要への期待と円安を追い風に史上最高値を更新。
半導体・電線などAIインフラ銘柄(キオクシアHD、フジクラ、アドバンテスト、ディスコ、東京エレクトロンなど)が相場を牽引しました。
一方、日銀のタカ派姿勢が意識されると上値は重く、セクター間の循環が進行しました。
2月は月間で約10%の大幅高となり、企業の株主還元強化も支援材料となったとして機能しました。
今後は金融政策動向とAI需要の持続性が相場の焦点となります。
【日経平均の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+3.56%。年初来+16.65%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【TOPIXの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+3.42%。年初来+15.16%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
韓国(KOSPI総合指数)
今週の韓国株は、AI需要拡大と半導体業績期待を背景に歴史的な上昇を記録し(サムスン電子、SKハイニックス、現代自動車、起亜自動車)、KOSPIは6,300近辺まで急伸しました。
堅調な輸出、企業収益、金利据え置きが相場を支えました。
一方で、外国人の利益確定売りや米関税不透明感が変動要因となり、週末は反落。
総じて、構造的な再評価期待と短期的な過熱感が交錯する局面といえます。
【KOSPI総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+7.50%。年初来+47.81%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
香港(香港ハンセン指数)
今週のハンセン指数は、米関税政策や地政学リスクに振られつつ、中国の政策期待や財政改善見通しに支えられる展開でした。
テクノロジー株はAI関連ニュースに敏感に反応し、上昇と急落を繰り返しました。
不動産や金融(サン・ハン・カイ・プロパティーズ、ポップ・マート・インターナショナル、ムーヤン・フーズ、aiaグループ)は政策・財政材料で選別的に買われましたが、外部リスクが相場の方向感を左右しました。
短期的には全人代と中国PMIが焦点で、政策支援の具体性が持続的回復の鍵となりそうです。
【香港ハンセン指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+0.82%。年初来+3.21%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
オーストラリア(ASX200指数)
週前半は関税不安とインフレ警戒で不安定でしたが、鉱業株の好決算(フォーテスキュー)とコモディティ市況の強さが相場を牽引しました。
インフレ上振れで利上げ観測は強まるも、企業業績と資源セクター(BHP、リオ・ティント)への資金流入が上回り、指数は連日最高値を更新しました。
豪州株は「資源主導の強気相場」が鮮明となりました。
【ASX200指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.29%。年初来+5.39%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ニュージーランド(NZX50指数)
週前半は関税を巡る米国発言に振られつつも、国内消費の底堅さと中銀のハト派姿勢が下支えとなりました。
後半は米テック高や対中関係改善期待が追い風となり、指数は約6週間ぶりの高値圏に到達しました。
企業・消費者信頼感の弱さという課題は残りますが、金融環境の安定と外部環境の改善期待を背景に、NZ株は堅調な2月(+2.2%)を確保しました。
【NZX50指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+3.11%。年初来+1.29%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
カナダ(TSX総合指数)
今週のTSXは「テクノロジー(Shopify、Constellation Software)と銀行決算(Bank of Montreal、National Bank of Canada)」が主導する形で過去最高値を更新。
一方で、米関税やインフレ指標、国内成長鈍化といったマクロ不安が断続的に調整を招きました。
金価格上昇が安全資産需要を背景に相場のクッションとして機能。
構図としては、
①AI・大型テックの成長期待
②銀行の収益力と信用リスクの綱引き
③金価格が不安定相場の保険
という三層構造となっています。
短期は米インフレと金利動向、長期は企業収益の持続力が焦点となります。
【TSX総合指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間+1.54%。年初来+6.55%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
ブラジル(Bovespa指数)
週前半は関税ショックで下落するも、インフレ期待の低下と利下げ観測を背景に史上最高値を更新していきました。
その後はコモディティ価格や中国需要、インフレ再加速への警戒で調整。
イボヴェスパは「資源価格」と「金融緩和期待」に強く左右される構図が鮮明となり、物価動向が今後の方向性を左右する展開となりそうです。
【Bovespa指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.92%。年初来+17.59%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
アメリカ(S&P500,NASDAQ,ダウ)
今週の米国株は、AIの成長期待と過熱・持続性への懸念が交錯しました。
前半は関税強化とAI代替不安で急落、火・水曜は「AI共存」シナリオで反発しましたが、後半は半導体株の失速(Nvidia、Applied Materials、Lam Research)とインフレ再燃で再び調整しました。
巨額の自社株買いが下支えする一方、関税政策と金融政策見通しが引き続き最大の不確実要因となっています。
【S&P500指数の週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.44%。年初来+0.01%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【NASDAQの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-0.95%。年初来-3.33%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)
【ダウの週足チャート】
※TradingView提供のチャート

↑週間-1.31%。年初来+1.81%。
(緑:10週移動平均線、赤:40週移動平均線)

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