【2025年12月1日週:インド・中国・ドイツ・日本・ユーロ圏の株式市場動向】

注目トピック

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インド(BSEセンセックス指数)

総括

今週のインド株は、RBI会合を控えた不透明感/外国資金流出/ルピー安/米印貿易協議の停滞が重しとなり週前半は下落基調でしたが、RBIの25bp利下げ決定を受けて週末に回復することで、最終的に週間で横ばいでした。

セクター別では、

  • 金融・自動車:利下げ効果で週末に強い反発
  • IT:米利下げ期待で安定的に堅調
  • 国有銀行:FDI上限据え置き報道で下落
  • 消費・医薬の一部は弱い動き

全体として、政策イベントを巡る思惑主導の1週間でしたが、RBIの緩和姿勢が来週以降の安定材料になり得る展開でした。

【BSEセンセックスの5分足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

BSEセンセックスの5分足チャート

12/1~12/5の動向

12/1(月) 控えめな12月のスタート
3日続伸後の利益確定に加え、外国資金流出や米印貿易交渉の不透明感がボラティリティを高めたことで、センセックスは一時史上最高値の86,159を付けたものの、終値は85,642と小幅下落しました。RBI会合を前に利下げ期待が高まる一方、製造業PMIはわずかに下方修正も依然強い値を維持。下落は金融・医薬を中心に、バジャジファイナンス、サンファーマなどが弱い値動きを展開した一方、自動車は堅調でタタモーターズやマルチが販売好調とGST合理化期待で上昇しました。IT・金属も買われ、BEL、HCL Techなどが上昇。


12/2(火)3日連続の下落
ルピー弱含み、外国人投資家の継続流出、米印貿易協議の不透明感が重しとなり、センセックスは0.6%安の85,138で終了しました。市場では12月5日のRBI利下げに疑念が生じており、金融株中心に売りが広がりました(ICICI、HDFC、Axisが下落)。一方、アジアペイント、バーティ・エアテル、マルチなどは買われ、ディフェンシブ消費関連が比較的堅調でした。


12/3(水) センセックスは横ばい
RBI会合を控え投資家は様子見姿勢で、外国資金流出やルピー安も重荷となりセンセックスは85,107付近で小動きとなりました。11月PMIはわずかに下方修正も堅調を維持。BEL、マヒンドラ、NTPC、Titanなどは下落しました。国有銀行株は、政府がFDI上限引き上げや売却計画を否定したことで売り優勢となった一方、ICICI、TCS、HDFC、Infosys、Axisが上昇し指数を下支えしました。


12/4(木) 4日ぶり反発
米国IT関連の強さとFed利下げ期待で、IT株を中心に反発したことで、センセックスは0.2%高の85,265となりました。個別株ではTCS、Tech Mahindra、Infosys、BELなどが上昇。RBI会合前の慎重姿勢、ルピーの弱さ、外国資金流出が続く中、買いは限定的でした。


12/5(金) 利下げを受けセンセックス続伸
センセックスは0.5%高の85,712と1週間ぶり高値をつけました。これはRBIが6か月ぶりの25bp利下げを決定し、成長支援姿勢を明確化したことで市場心理を改善したことによるものです。金融、自動車が強く、SBI、Bajaj Finserv、Bajaj Finance、Marutiが上昇しました。米利下げ期待の継続でITも堅調だった一方、HUL、Eternal、Trent、Sun Pharmaなど消費・医薬は軟調でした。週間で指数は横ばいの推移。

【BSEセンセックスの日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

BSEセンセックスの日足チャート

中国(上海総合指数,深セン総合指数)

総括

今週は、週を通して政策期待と弱い経済指標の間で揺れ動く展開となりました。
・製造業・サービス業ともに弱さが確認され、景気減速懸念は根強いです。
・不動産問題も引き続き市場の重荷となった一方、政策会議を前に刺激策への期待が下支えとなりました。
・特に週後半は、来年の成長目標5%維持観測や、財政・金融政策による支援期待からテック・新エネ株が買われ指数を押し上げました。

結果として指数は小幅ながら週ベースで上昇を記録しました。市場は明確な方向を欠きつつも、政策次第で上方バイアスもあり得るとの見方が優勢でした。

【上海総合指数の5分足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

上海総合指数の5分足チャート

【深セン総合指数の5分足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

深セン総合指数の5分足チャート

12/1~12/5の動向

12/1(月) 弱いデータにもかかわらず上昇
米国の利下げ期待が国内経済の弱さ懸念を上回ったことで、上海総合は +0.65%、深センは +1.25%と上昇を記録。民間調査では製造業が再び縮小し、需要の弱さが示唆されましたが、投資家はパウエル議長の発言待ちとなっています。


12/2(火)政策会議控え下落
3日続伸後の利益確定と、中央経済工作会議・政治局会議を控え慎重ムードとなり、上海総合は -0.2%、深センは -0.6%を記録しました。年末にかけた流動性低下も重しとなりました。低評価セクターへの資金移動はあるものの、2026年中盤までのボラティリティ見通しがセンチメントを抑制し、建設銀行、紫金鉱業、カムブリコンなどが下落しました。


12/3(水) 弱いサービスデータで下落継続
サービス業PMIが5か月ぶり低水準、経済懸念が強まったことで、上海総合 -0.51%、深セン -0.78%となりました。不動産では万科が債務遅延から3.7%下落し、2008年以来の安値となります。半導体や電子部品などのテック株も急落。投資家は政策会議を前に方向感を欠く展開でした。


12/4(木) 材料難で方向感乏しくまちまち
政策会議待ちで触媒に乏しく、個別で明暗が分かれたことで、上海総合 -0.06%と小幅安、深センは +0.4%と反発。2026年の成長目標は「約5%」維持との観測が浮上しました。個別株ではSanhua、Addsinoなどが大幅高となった一方、Foxconn、ZTEなどが下落しました。


12/5(金) 政策期待で上昇し週をプラスで終了
政策会議に向けて期待が高まり、テック・新エネ株が上昇したことで、主な指数である上海総合 +0.7%、深セン +1.08%と上昇を記録。Addsino(+10%)、京東方(+5%)など高成長銘柄がけん引しました。2026年は「5%成長目標維持」との観測が強く、財政・金融刺激策の余地も意識されました。

【上海総合指数の日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【上海総合指数の日足チャート】 

【深セン総合指数の日足チャート】 
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【深セン総合指数の日足チャート】 

ドイツ(DAX指数)

総括

今週のDAXは、週初は製造業悪化と工業・防衛株の急落で弱含みましたが、週後半にかけて自動車株の強い買い戻しと米金利低下期待が支えとなり、最終的に週間+0.8%の上昇を記録しました。

特に、EUが内燃機関禁止の撤回に傾く可能性が市場心理を大きく改善し、ポルシェやメルセデスなど自動車株が一斉に上昇した点が注目材料となりました。また、米PCEインフレの低下や欧州GDPの上振れといったマクロ環境の好転も追い風となりました。

一方で、製造業は依然として縮小基調にあり、工業株には警戒感が残っています。企業ニュースへの反応も大きく、バイエル急騰やHugo Boss急落など個別材料での値動きが目立つ週でした。

総じて、金利期待と自動車セクターの復調が指数を押し上げた週といえます。

【DAX指数の5分足チャート】 
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DAX指数の5分足チャート

12/1~12/5の動向

12/1(月) 軟調なスタート、製造業悪化と航空・防衛株が下押し
製造業PMI確定値は48.2と2月以来の大幅な悪化を受けて、DAXは前週の大幅上昇を受けた利益確定売りで約1%下落し23,589で終了しました。A320の大規模リコールが響きエアバスが急落、関連する工業株も下落しました。米・ウクライナ間の和平協議報道で防衛関連も売られました。


12/2(火)バイエル急騰が牽引し反発
前日の下落を一部回復し、DAXは0.5%上昇し23,711で取引を終了しました。バイエルは米最高裁の審査申し立て報道で12%超上昇し20年ぶりの大幅高。シーメンス・エナジー、ラインメタル、ドイツ銀行が続伸しました。一方でSymrise、Brenntag、ダイムラー・トラックなどが下落しました。


12/3(水) 方向感に欠け小幅安
欧米の混在した経済指標を受け様子見ムードとなり、指数は23,694とわずかに反落しました。コメルツ銀行、メルセデス、BASFが下落。逆にエアバスは納品目標引き下げ発表後に3.8%上昇と買い戻しが入り、InfineonやRheinmetall、格上げを受けたMerckも堅調な展開でした。Hugo Bossは売上減見通しで急落しました。


12/4(木) 自動車株主導で3週間ぶり高値
DAXは0.8%上昇し23,882。EUによる2035年内燃機関車の段階的廃止撤回の可能性が示唆され、自動車株が全面高。ポルシェ、ダイムラー・トラック、メルセデス、BMW、VWが大幅上昇。シーメンス・エナジー、SAP、コメルツ銀行も評価引き上げで上昇。BASF、バイエルは反落。


12/5(金) 24,000台回復、インフレ鈍化と欧州GDP上振れを好感
PCEインフレ低下で来週のFOMC利下げ期待が高まり、欧州GDPも+0.3%に上方修正されリスク選好が継続したことで、DAXは0.6%上昇し24,028で終了しました。BMWとメルセデスが堅調で、自動車株が引き続き指数を牽引。InfineonとBASFが買われ、RWEとE.ONは反落しました。週間では0.8%の上昇を記録。

【DAX指数の日足チャート】 
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【DAX指数の日足チャート】 

日本(日経平均、TOPIX)

総括

今週の日本株は、日銀の12月利上げ観測が相場の主役となり、相場は強弱を繰り返しました。週初は利上げ懸念で下落しましたが、米株高やロボティクス・テックへの物色で大きく戻し、週後半は再び利上げ観測が強まり下落に転じました。テーマとしては、(1)金融政策への敏感な反応、(2)ハイテク・ロボティクス関連の強さ、(3)銀行・自動車の弱さが目立ちました。日銀会合を控え、投資家は積極姿勢と警戒姿勢の間で揺れる一週間でした。

【日経平均の5分足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

日経平均の5分足チャート

【TOPIXの5分足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

TOPIXの5分足チャート

12/1~12/5の動向

12/1(月) 日経、日銀利上げ観測で大幅下落
日銀が12月19日に利上げする確率が80%へ上昇し、円高・国債利回り上昇が重しとなり、日経平均は1.89%安の49,303円、TOPIXは1.19%安となりました。電子機器を中心にほぼ全面安で、東電・フジクラ・三井金属などが大きく下落しました。製造業PMIは5か月連続の縮小ですが減速幅は緩和されています。


12/2(火)日本株は横ばいで終了
国債利回りが高水準でも、政府と日銀の経済評価に齟齬はないとの発言が安心材料となりセンチメントが改善したことで、日経は前日比ほぼ変わらず49,303円、TOPIXは0.08%高となりました。金融・電子が上昇した一方で、通信・エネルギーが下落しました。NECが約10%高、NGK・ファナックも上昇。一方で東電と三越伊勢丹が下落しました。


12/3(水) 日本株、米株高を追随し反発
米国で追加利下げ期待が強まり、株高の流れを受けリスク選好が改善したことで、日経は1.14%高の49,865円となりました。日銀利上げ観測は残るものの慎重姿勢を維持しています。ハイテク株が上昇を牽引し、SBG・アドバンテスト・東エレク・レーザーテックなどが大幅高を記録した一方で、銀行・自動車は弱く、三菱UFJ・三井住友・トヨタが下落しました。


12/4(木) ロボティクス・テック主導で急伸
米利下げ期待の継続と、海外株高が追い風となり、日経は2.33%高の51,028円、TOPIXは最高値更新を記録しました。NVIDIAとの提携を発表したファナックが13%急騰し、安川電機・ナブテスコなどロボティクス関連も大幅上昇しました。SBG・レーザーテックなどテック株も強かったです。日銀利上げ観測は消えないものの、買い意欲が優勢でした。


12/5(金) 利上げ懸念再燃で反落
政府要人が日銀の12月利上げに反対しないとの報道で、利上げ観測が再燃したことで、日経は1.14%安の50,446円、TOPIXも1.05%安となりました。市場は12月利上げ+来年1〜2回の追加利上げを織り込み始めています。米利下げ期待が弱まり米株も軟調でした。半導体・自動車に売りが入り、アドバンテスト・東エレク・トヨタなどが下落しました。

【日経平均の日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【日経平均の日足チャート】 

【TOPIXの日足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

【TOPIXの日足チャート】 

ユーロ圏(STOXX 50,STOXX 600)

総括

今週の欧州株は、主要指数が小幅ながら2週連続の上昇を記録し、12月入りは慎重ながらも堅調な展開となりました。週前半はエアバスの品質問題やウクライナ停戦観測による防衛株の下落など、個別要因が重石となりましたが、後半にかけては金利据え置き観測・米国の利下げ期待・自動車セクターの格上げが相場を押し上げました。

特に、自動車株はEU が2035年の内燃機関禁止撤回の可能性を示唆したことも支援材料となり、今週の欧州市場の中心的な牽引役でした。半導体関連は企業ごとの強弱が分かれましたが、AI需要を巡る期待が依然として背景にあります。

全体として、欧州市場は金融政策の安定期待とセクター別の選別買いが強まる流れとなり、慎重ながらも上昇基調を維持した1週間でした。

【STOXX 50の5分足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

STOXX 50の5分足チャート

【STOXX 600の5分足チャート】 
 ※TradingView提供のチャート

STOXX 600の5分足チャート

12/1~12/5の動向

12/1(月) ヨーロッパ株は慎重に始動
12月初日はStoxx50 が横ばい、Stoxx600 は0.2%下落と弱含みでスタート。エアバスがA320機の新たな品質問題を受けて急落し、防衛株もウクライナ和平期待による圧力で下落しました。一方、ASML はフィッチの格付け維持を受けて堅調。鉱業株も資源価格の回復期待で上昇しました。


12/2(火)欧州株は金利見通しを好感し上昇
ECB が金利据え置き観測を維持する中、インフレがやや上振れしたものの市場の警戒感は限定的となり、Stoxx50 は0.5%上昇を記録しました。銀行株が買われ、BNP・ING・Santander が上昇しました。バイエルは米最高裁への訴訟審理要請を追い風に12%超急騰し、市場を支えました。


12/3(水) 欧州株はまちまちで終了
ECB のラガルド総裁がインフレ鈍化を強調する一方、理事のレーン氏が上振れリスクを指摘し市場は方向感薄。米弱い労働データでFed利下げ期待が強まる環境でした。ASML・Inditex・Stellantis が格上げや好決算で上昇しましたが、金融株は金利観測の揺らぎで軟調な展開となりました。


12/4(木) 銀行・自動車株が牽引し上昇
STOXX50・600 ともに0.5%上昇しました。自動車株はBofA の格上げが追い風となり、メルセデス・BMW・VW などが3%超の堅調さを示しました。Inditex は前日の好決算から続伸し、Stellantis も強い買いが継続、銀行株も反発しました。一方で、医薬のサノフィ・バイエルは弱含みました。


12/5(金) 欧州株は続伸し、週間でも堅調
Stoxx50 は0.1%上昇/週で+1%、Stoxx600 は横ばいも週で+0.4%を記録。自動車株が2日連続で強く、メルセデス・VW・BMW が2〜4%上昇しました。AI 関連株はまちまちで、ASML やノキアは軟調でしたがInfineon は上昇しました。国防株はウクライナ停戦の進展期待が後退し上昇しました。

【STOXX 50の日足チャート】 
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【STOXX 50の日足チャート】 

【STOXX 600の日足チャート】 
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【STOXX 600の日足チャート】 

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